Royal Guard
第7話 ケ●ノ学園
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匿名ユーザー
さーくらなーみきゆーーれーる。
歓迎学園は本館が三階建て、別館が二階建てになっている。
そんなこの学園の、本館1Fにあるトイレを居城としているトイレの女王とよばれるねこがロイガには存在する。
彼女の名前は―――――Verbal。
「――と、いうわけなんだわさ」
「なるへそー。それはあっちが悪いよー」
「でしょでしょー」
トイレで若い少女(ともに美少女)が二人並んで話をする姿は人目にひくらしく、たまにこっちを見る人がいる。
(゜ε゜)
こっちみんな。
「それで、エルたん。私に話ってなに?」
話にもオチがつき、お茶をずずずっと飲んでからばるたんが言った。
たは。つい横道それちゃったよ。
「うん。歓迎祭のことなんだけど」
「ああ。なんかうち、劇やるみたいだねー」
ちゃんとばるたんに劇の話はとおってるみたいだ。
話す手間が省けてらっきー。
「それでね。ばるたんにオープニングとエンディング歌ってほしいの」
「え? 歌??」
「曲はばっちしミリアが考えてるみたいだから…やっぱり、トイレの女王に歌ってほしいのよ。わたしゃ」
そうエルがいうと、ばるたんはにっこり笑って言った。
「いいよ。やるよ。劇に出られない分がんばるよ。それになによりエルたんの頼みだしね」
「ばるたんありまとー。愛してるよー」
「でへでへ」
って感じで友情を確かめあって満たされた私は1Fトイレを後にした。
別館に陣取ったキャンプに戻る途中の2F廊下では見慣れた光景が広がっていた。
「テンさん…また屍ですか」
この黒ずくめで初心者帽をかぶってぶったおれている狐は歩くネタ事典のテンレン先生。
うわさだと歓迎学園の理科室に眠る秘法を調べるために組織から派遣された学者さんということだけど…明らかにガセっぽい。
この人がうわさ通りの人だったら、エルはセルゲームの会場に行ってセルに喧嘩売ってもいいぞ。
「ああ。エル。あいかわらずひんぬ…」
「じゃ。がんばって」
なにかよからぬことを言いそうだったので、私はテンさんの目の前にどろどろした泥を投げ捨て、その場を去った。
「GYAAAAAA! う、○んこなげんなっ」
って、そういえばテンさんにお話があったんだ。
来た道を、う○この場所まで戻った。
「テンさん」
「なにかな」
うん○がしゃべる。
「あのね、主題歌のことなんだけど。ばるたんおっけーだって」
「らじゃ」
いちお、ロイガの顧問なので決定事項は伝えとかないとね。
うーん、エルってば優等生してるー保志。
「あと、ロイガちんにあのこと伝えといてね」
「……」
返事がない。ただの屍のようだ。
「…もしかして、覚えてないの?」
「……てへ」
「まあ実はただいってみただけなんだけどね」
「…この電波娘め」
「なにかな? なにか言ったのかな? かな?」
「な、なにも言ってないよっ」
「嘘だっ!!!」
バサバサバサ。
と本来なら鳥が飛んでいくんだけど、かわりにテンさんにリカバリをかけてあげた。
「GYAAAAAA! 死者を冒涜すんなーーーー」
普通なら屍にはリカバリはかけられないけど、PTを組んでいるときに限り、あることをしてリカバリをかけるとほら不思議。なぜか屍なのにHPが回復するではあ~りませんか。
「ばいぶー。またねー」
今度こそわたしはその場を去った。