下記のよびかけに応え、『ノーモア南京の会』も連名で抗議声明を出しました。
６月６日に起こった映画「南京１９３７」上映妨害事件は、表現の自由に対する重大な挑戦であるばかりでなく、侵略戦争の史実を隠蔽せんとする極めて悪質な犯罪行為です。私たち大阪実行委は、６月９日には単独で１１日には他の１９団体と連名での抗議声明を発表し、断固としてこの暴挙に抗議する意志を明らかにしました。南京大虐殺の史実を「まぼろし」だと主張する映画“プライド－運命の瞬間”が、国内外の批判にさらされている時に引き起こされたこの事件の意図するところは明らかであります。侵略戦争に反対し歴史の事実を明らかにしていこうとするすべての個人・団体が力を集め、あらゆる妨害をはねのけて、今後も映画「南京１９３７」の上映活動を続けていこうではありませんか。
私たち南京大虐殺６０カ年大阪実行委員会は、戦争に反対し歴史の事実を明らかにしていこうとする市民団体が結束して、証言集会や学習会を開催してきました。また、南京戦に参加した元兵士の調査を長期的に取り組み、多くの中国人虐殺の証言と資料を手に入れています。
日本が歴史の事実を直視しないで、日本の侵略戦争の被害を受けたまま放置されてきたアジア諸国や中国の民衆と真の友好を築くことはできません。日本の多くの大人や若者が、近代の歴史の事実を知らされる事なく、半世紀以上も経てきたのは、日本政府の責任と言えるでしょう。私たちの祖父や父が、気付かぬ内に誤った国家体制に引きずられた「いつか来た道」を繰り返すことのないよう、私たちは市民への認識活動を進め、アジアの隣人との友好を深めるための運動を展開してきました。
『南京１９３７』は、多くの市民がカンパなどの協力をして、長期の取り組みを経て上映を実現させた映画です。普通の市民が観たい映画を観ていこうとする行いを街宣車で威圧し、器物破損行為で反対するのは公平や自由であるべき社会に対する挑戦にほかなりません。
歴史を歪曲し侵略戦争を否定する動きが台頭する危険な兆候が見られるこのごろです。このような暴力によって、言論や表現を封じ、歴史の事実を求めてゆくものを圧殺する行為は、絶対許すことはできません。私たち南京大虐殺６０カ年大阪実行委員会は、表現の自由を暴力によって封じる勢力に断固反対し、抗議します。
１９９８年６月９日
南京大虐殺６０カ年大阪実行委員会
映画「南京１９３７」上映妨害に対する抗議声明文
１９９８年６月１１日
私たちは、１９９８年６月６日、映画館『シネマ・ベティ』（横浜）において、映画「南京１９３７」上映中に行われた自称右翼団体構成員によるスクリーンの切り裂き行為を断じて許しません。
「南京１９３７」は、南京事件を背景に、上海から南京へ避難する中国人医師と日本人妻の一家を中心とした三つの家族の悲劇を通して、生命の尊さを描いたものであり、日本に対する民族的な恨みを描いたものではありません。「南京１９３７」を上映する目的は、この映画を通して、未だ日本において正確に認識されていない南京事件を深く理解し、日中両国民の相互理解と真の友好を築くことであります。
この「南京１９３７」上映の機会を暴力によって妨げようとする行為は、表現の自由に対する重大な挑戦であり、日本の過去の歴史を覆い隠そうとするものであって、私たちはこのような行為に対して断固抗議します。
わたしたちはこのような妨害に屈することなく、映画「南京１９３７」の上映を続けて行きます。
ノーモア南京の会
「南京１９３７」全国上映委員会
「南京１９３７」京都上映実行委員会
「南京１９３７」メモリアルソサエティ
三重大学「南京１９３７」・「ナヌムの家Ⅱ」上映実行委員会
不戦へのネットワーク
恋民の会
アジア太平洋地域の戦争被害者に思いを寄せ心に刻む三重の会
旧日本軍による性的被害女性を支える会
南京大虐殺６０カ年全国連絡会
南京大虐殺６０カ年大阪実行委員会
銘心会南京（友好訪中団）事務局
伏見・平和のためのとりくみ実行委員会
地球市民ネットワークきょうと
部落解放同盟京都府連合会
ＪＲ西日本労働組合
カトリック正義と平和京都協議会
カトリック部落問題委員会
映画センター全国連絡会
協同組合全国映画センター
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