まずは復習から


実戦編に入る前に、ここまでの内容を簡単にまとめてみます。復習は大事です。




  • 振り飛車の基本は、相手が動いてきたところをカウンター。戦いが起こった場所に飛車を持ってきて捌きを狙う。
  • 自分から攻めを狙う時は、相手の角頭や桂頭のような弱点を狙って飛車を配置。
  • 捌けなかったときは、守り駒として使うことも視野に入れて。


  • 居飛車側は角頭を目標にしてくることが多い。▲6五歩で角を捌いてしまうか、当たりを避けて予め逃げておくかの選択。
  • 4四、4六、5五、6四、6六の角は急所になりやすい。どの場所が一番働くかを見極めて。
  • 角は終盤になってからでも捌ける。最後まで捌きを諦めないこと。


  • 銀は万能選手。状況に応じて攻めに使うか守りに使うかの判断を。
  • 相手が角頭を狙っているなら7八か6七に。角頭の心配がないなら5六へ。
  • 銀は俊敏さで他の駒に劣る。取り残されないように早めに活用してあげること。


  • 左桂は振り飛車の命。活用する手は常に意識の片隅に。
  • 射程範囲内に相手の駒がある時は大チャンス。一見無理そうな筋でも捌ける可能性がある。
  • 左桂が捌けていれば、飛車の成り込みも怖くない。


  • 香が活躍することは稀。無頓着にはならずに、しかし必要以上に気にしすぎることもせずに。
  • 中盤では角筋をかわす▲9八香、▲9七香で駒損を避ける。
  • 終盤は「取らせて捌く」方針で。香損以上に価値の高い一手を指せれば大成功と考える。



実戦編


それではここから実戦編です。2009年の1月~10月の間に狼で指した将棋の中から、3局を厳選?しました。実戦での捌きの流れを、なんとなくでも感じ取っていただければ幸いです。

なお、あくまでも捌きの講座ということで、棋譜は終盤の入り口あたりまででカットしています。終盤見られるの恥ずかしいし

※棋譜の再現には「Kifu for Flash」を使わせていただいてます。ただしページの横幅の問題でかなり見づらくなっていますので、時々スクロールしながらご覧ください……ごめんなさい><







終わりに


以上で「振り飛車で捌こう」、全て終了です。ここまでお付き合い頂いた方は本当にありがとうございました。

内容的にはそれほど高度なことも書かなかった(書けなかった)ため、上級以上の方々にとっては「そんなの言われなくても知っとるわ」ということも多かったかと思います。

技術的なことはもちろんですが、この講座を通して一番言いたかったのは振り飛車って楽しいんだよ、捌くのって楽しいんだよ、ということです。これは基本講座から一貫している方針です。


ちなみに今回の講座では、わざと取り上げなかった内容が2つあります。相振り飛車と力戦振り飛車です。

相振り飛車は振り飛車党にとって避けては通れない道ですが、振り飛車対居飛車の対抗形とは将棋の作りも感覚もまるで違ってきます。なので今回は取り上げませんでした。……正直相振りは全然知りませんし。

力戦振り飛車(角交換振り飛車やゴキゲン中飛車など)は近頃大流行していますが、あえて昔風のスタイルの振り飛車だけを取り上げました。これは個人的な信念によるものです。もちろん、力戦振り飛車がダメだなんて言うつもりはありません。


振り飛車という戦法がいつまでも指され続けることを願いつつ、筆(キーボード)をおきたいと思います。


最終更新:2009年11月03日 13:05