将棋には大局観というものがあり
駒の損得、駒の働き(+玉の堅さ)、手番の4要素で判断するのですが
実は詰将棋にもこういうものがあります。
ただ通常の大局観の方は本も何冊か出ていますし、
とりあげているサイトもいくつもあるのですが
この詰将棋の方は体系化してある本は
知る限り1冊(同著者の下位互換含めると2冊)しかなく
なおかつ絶版になってしまっているのでここで紹介していきたいと思います。
三大着眼点
まず大きな柱は3つで全ての詰め手筋もただの王手も
その手を指す理由・意味するところは
必ずこの3つの中のどれかにはいります。(複合するケースもよくあります。)
逆にいえば、詰む障壁になっているのはこの3つだけともいえます。
その3つは
①守備駒のある形
②玉に逃げ場がある形
③攻め駒に原因のある形
この3つが三大着眼点です。
三大着眼点にはそれぞれ3つずつの解決方法がある
この三大着眼点(問題点)に対し3つずつの解決方法があります。
①守備駒のある形
1・動(守備駒を移動させることにより何らかの効果を得る)
2・静(守備駒を移動させないことにより何らかの効果を得る)
3・無(守備駒を盤面からなくしてしまうことにより何らかの効果を得る)
②玉に逃げ場がある形
1・封鎖(逃げられて困る升目を埋めてしまう)
2・阻止(逃げられて困る升目に玉を行かせない)
3・逆用(玉をわざと移動させて何らかの効果を得る)
③攻め駒に原因のある形
1・量(量に問題があるものを解決する)
2・質(質に問題があるものを解決する)
3・位置(位置に問題があるものを解決する)
この3×3の9要素で詰将棋、詰みというものは骨格を成しています。
ただ1手の中にいくつも複合しているケースが当然あり
それが詰将棋を複雑なものにしています。
あらゆる詰め手筋もただの王手も必ずこの中のどれかにはいるので
あとは習得した詰手筋がどこに属しているのか分類・考察していくことで
この骨格に肉付けしていくことができます。
また詰将棋をたくさん解いてきた方には、
得意な要素、すぐ浮かぶ要素と
逆に見落としやすい、錯覚しやすい要素が
どうしても自然とできてしまうものなので
その分析・修正に役立ちます。
最終更新:2008年11月09日 16:25