ユッコちゃん

 

       蟲:2007/05/01(火) 01:04:11

 

   話は2日前に遡る。
   その日の俺は、前日H美ちゃんにフラれた事もあり、かなり荒れていた。
   鴨ミリで黙々とスロを打ち、その足で親父と鳥新に向かい、浴びるようにビールを飲んだ(生中1杯)。
   へべれけになって帰宅した俺を、しげみが待ち構えていた。

   し「蟲、ちょっとこれ見てみない。」

   机に目をやると、そこには一通の封筒が。
   その封筒を見た瞬間、思った。

   (・・・やれやれ、またか。)

   言わずと知れた、『お見合い写真』である。
   月に1~2回は定期的に、俺の元へ この手の封筒が送られてくる。

   し「先方はおまはんの写真と釣書を見て、『是非お会いしたい』と言うてくださんりょんよ。」

   俺「・・・もういい加減にしてくれ。 毎度断る身にもなってくれよ。」

   し「は? 何でやの。」

   俺「デリヘル嬢じゃあるめぇし。 気に入らないから『チェンジ』ってか? 断る俺だって、気が重いんだよ。」

   し「断る断らんは、写真を見てからにしない!」

   俺「見なくても分かるよ。 今まで何十回断ってきてるんだよ。 俺は顔可愛くなきゃ一切やる気起きねぇんだよ。」

   し「ゴチャゴチャ言わんと、シャキシャキ写真見ない!!!」

   俺「ぅっ・・・わ、分かったよ(汗) ちくしょー、どうせブスに決まってんだよ。 やれやれ・・・。」


   ガサガサと封筒を開け、まずは釣書を手に取る。
   (※注※ 釣書とは、名前や年齢、家族構成、職業や趣味などを書いた、お見合い用のプロフィールの事)

   ふーん。 ユッコちゃんねぇ。 歳は3つ下か。 まぁ幾ら若くても、ブスなら 会う気もねーんだが。
   ダルそうに写真を手に取って、渋々見てみる。


   俺「っ・・・・!!!!!」


   見合い写真を手にしたまま、5秒ほど固まる俺。


   俺「ちょ・・・おまw これwww」

   し「フフフ。 ・・・で、どうやの?(ニヤリ)」

   俺「ストライクゾーンド真ん中!w 普通こんなんがお見合いで来るか!? マジで!?」

   し「そうやろう? お母さんな、アンタ好みの顔やと思ってたわ~。(ニタニタ)」

   俺「お前、こんなん彼氏おるに決まっとろうが!(汗) 絶対釣りやって!!」

   し「・・・じゃあ、お断りするで?」

   俺「とんでもございません! お願いします! お願いします! お願いします!」


   こうして即座に仲人のオバチャンに連絡。 至急お会いしたいと伝える。
   するとその日の内に返事が返ってきた。 30日(月)はどうかと。
   ええ、喜んで!!! どこへなりとも参ります! たとえ地獄の果てまでもッ!!

   こうしてH美ちゃんにフラれたドン底状態の俺に、一筋の光明が降り注いだのである。

 

   ここでまず頭に浮かんだこと。
   これを今までみたく、そのまま農ちゃんに報告していいものか。
   さすがにH美ちゃんにフラれた直後に、
   「セカンドチャンスキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」
   ・・・なんて書いたら、1,200人の農ちゃんねらーから、軽蔑されてしまうかもしれない。
   こんな哀れな俺なのに、節操がないヤツなんて思われたら、もう目も当てられない。

   そして、ユッコちゃんが可愛い事。
   あくまでも写真だが、コレ確実に可愛いだろ(汗)
   阿波高レベルで言えば、確実にベスト3に入るな。(マイナーすぎる例えスマソ)

   ・・・と、いう事はだ。
   今まで嫌ほど味わってきたあの展開。

   「全然喋れないままアボーン ○| ̄|_」

   こういうオチになる確率が高い。 つーか間違いなく100%そうなる。
   プライドゼロ、ネタ至上主義の俺だが、
   ここまで自分の恥を晒していいものか。

   うぅ・・・む。
   今回の見合いについては、秘密裏に行おう。
   (しかし結局は>>175でバラしてしまう バカな俺)


   そして お見合いまでに、どうしても克服しなきゃならない事。

   「いかにして可愛い子と喋れるようになるか」

   この事から逃げ続ける限り、俺に明るい未来は無い。
   もう年齢的にヤバい。 恐らく今後の見合いで、こんな可愛い子が現れる可能性は、極めて低い。
   ホントに最後のチャンスと言えよう。

   ・・・しかしあるか? 今から2日間で、可愛い子と喋れるようになる手立てが。


   ・・・無いっ・・・! 全く思い浮かばないっ・・・!
   こればっかりは、俺が生まれ持った性格なのだ。
   でも、じゃあ、また「仕方がない」で済ますのか?
   ダメだろう! 今回ばかりは もう懲りたろう!

   うぐぐ・・・何か・・・挽回の策・・・「神の一手」は無いものかっ・・・!


   そもそも俺は、精神的に弱いんだよな。
   可愛い子を前にすると、精神が崩壊して、頭真っ白になってしまう。
   結果、汗をダラダラ流して、金魚のようにパクパクしてしまう。
   精神が・・・弱い・・・
   可愛い子に会っても・・・精神が・・・安定さえしていれば・・・
   精神が・・・安定・・・精神が・・・安定?


   あった!!!!! この絶望的状況を打ち破る奇策が!!!

 

   そして話は今朝。
   シャワーを浴び、髭を剃り、髪型を整える。
   そのまま台所へ向かうと、戸棚から救急箱を取り出し、中から一つのカプセルを手に取る。
   そのカプセルとは・・・

   昔ばあちゃんが夜眠れなかった時、医者から処方された「精神安定剤」であった。

 

      

   

       錠剤を手にしたまま、しばし考え込む。
   すると頭の中で、蟲Aが囁き始める。

   A「HEY蟲! YOUこれ飲んじゃいなYO!」

   俺「うぅ・・・む・・・。」


   すると頭の中で、もう一人の蟲Bが囁く。

   B「おいおい、正気か? 世の中に、見合いごときで精神安定剤飲むバカが居るか!?」

   俺「・・・だよなぁ~・・・。」


   A「おいおい、じゃあお前は、今までと同じ事を繰り返すつもりかい? ユッコちゃんと喋れるとでも?」

   俺「うぐぐっ・・・それはっ・・・。」

   B「ダメだ蟲! プライドを捨てるな! それを飲んだ瞬間、お前は尊厳を失う事になる!!」

   A「なぁ~に、固ェこと考えるなよ。 お守りと思えば良いのさ。 気楽に飲めよ。」

   俺「オレ・・・幸セニナリタイ・・・安定剤飲ンデ・・・幸セ・・・手ニ入レル・・・」

   B「ちょ、蟲! 飲むなっ! 飲んじゃダメだぁぁああああ!!!」

   俺「ゴクッ。 ゴクッゴクッ、・・・ゴキュル。」

 

   俺「くくっ・・・ふはは。 ふははは! 俺は人間止めるぞォォーッ! JOJOォォーッ!!」


   ――― 吸血鬼誕生の瞬間である。

 

   AM10:55。 お見合い会場の、佐古、ぼ○じゅ~るに到着。
   さっそく仲人のオバチャンが出迎えてくれる。
   ユッコちゃんは まだ到着してないとの事。

   「スーハー、スーハー」

   呼吸を整える。 落ち着け、波紋のリズムを刻むのだ!!


   3分後、仲人のオバチャンが声を上げる。

   オ「あら、今着いたみたい。 呼んでくるわね。」
   オバチャンは俺をテーブルに残し、再び店の外へと出て行った。


   チクタクチクタク・・・

   静かに時を刻む腕時計。 永遠とも思える1分間。
   もうすぐ決戦の時。 俺が手に入れるのは栄光か、はたまた挫折か。

   ふと気になって振り返った瞬間、そこにはユッコちゃんが立っていた。

   ユ「あ、どうも初めまして。 ○○と申します^^」


   ユッコちゃんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!


   やべぇぇえええ!! 写真より遙かにキャワイイ!!!(汗)
   第一印象。 松嶋菜々子と鈴木あみを、足して2で割った感じ。
   おいおい、徳島のどこに こんな子が潜んでたんだ(滝汗)


   蟲「あぁぁああぁ・・・あ、あの・・・む、蟲ですふ・・・(ちょっと噛んだ)」

   5分ほど仲人のオバチャンを交えて喋ったあと、オバチャンが切り出す。

   オ「それじゃあ あとは若い二人に任せましょうかね。」


   すげぇ、これドラマで聞いた事あるセリフだw

   会計を済ませて店を出る。 オバチャンが言った。

   オ「今まで多くのカップルを見てきたけど、貴方達ホントにお似合いのカップルよ♪頑張ってね。」

   心の中で(オバチャンGJ!!!)と叫びながら、車に乗り込む。
   そして助手席にはユッコちゃんが着席。
   エンジンを入れると、そのまま国道を走り始める。

   さぁ賽は投げられた。
   天国の祖父ちゃん。 昔飼ってた猫、リリー。 イエス様。 仏陀様。 アラー様。
   今日だけで良い。 どうか今日一日を、無事つつがなく乗り切らせてくださいッ!!!

 

   まず真っ先に聞いておかねばならない事。
   俺は勇気を出して、切り出した。

   俺「あの、ホント・・・可愛いですよね。 マジで。」

   ユ「いえいえ、そんな。」

   俺「あなたほどの美人が、お見合いする必要なんてあるんですか? っていうか、ぶっちゃけ彼氏居ます?」

   ユ「居ませんよ。 居たら今日も来てないですって^^;」

   俺「で、ですよねぇ~・・・。ホッ。(とりあえず第一のハードルクリア)」

   ユ「蟲さんはどうなんですか? モテそうに見えますが」

   俺「ふははは! 何を仰いますやら! 俺なんてクズですよ! いやマジで! 

   今までの人生、モテた事など一度もございません!!!」

   ユ「いや、はぁ・・・そうですか^^;」


   趣味の話やら仕事の話。
   家族の話やらペットの話。
   色んな話をしつつ、ドライブは続く。

   ここで異変に気付く。

   ・・・あれっ? さっきから俺・・・普通だよな? めっちゃ落ち着いてるよな??
   なんかラジオの3倍ぐらいのテンションで、ペラペラペラペラ喋ってるんだが(汗)
   まさかこれ・・・効いてるのか!? 「精神安定剤」が効いてるのか、このヤローーーーーー!!!


   さてさて、ここで本日のプラン。
   当初は ぼんじ○~るで飯食って終わりと思ってたので、こっから先の計画は皆無。
   まぁ鳴門にドライブに行って、飯でも食って帰るかって感じ。

   しかし ふと映画の話をしてた時。
   「ロッキーザファイナル見たいんですよね~」っつったら、意外にもユッコちゃんが食い付いてきた。

   ユ「じゃあ今から映画でも見に行きます?」

   俺「えっ、良いの!?」

   ユ「はい。 私も見てみたかったんで^^」


   ところが よくよく話を聞いてみると、彼女はロッキー1~5を見たことがないとの事。
   俺に合わせてくれたんだろうな。 ・・・ええ子や。
   ここでユッコちゃんに、1~5のあらすじを説明しながら、ロッキーの魅力を、余すことなく伝える。
   フフッ、確か昔、蟲ラジオでも同様の事喋ったな。 まさかこんなところで蟲ラジオが役立つとは。
   全てのことは無駄じゃない。 全ての事が、明日へと繋がってる!!!

   ところが映画館に行って、ショックを受ける。

   おい・・・ロッキーザファイナル、1日に上演3回だけて・・・
   しかも次の開演時間、午後6時40分て・・・
   終わった・・・ユッコちゃんと一緒に映画見たかったなぁ・・・(涙)

   しかしユッコちゃんの口から、信じられない一言が。

   ユ「私今日予定ないんで、全然平気ですよ^^ 6時40分から見ましょう^^」


   ぬぁぁあああああ!!! イケる! 今日の俺はイケる!!!!!

 


   そこからのデートコースをおおまかに。

   まずはクイーン○ンヒルで昼食を。

   昼食後、そのまま鳴門方面へ。 内の海公園で散歩。

   鳴門スカイラインをドライブした後、マ○ーズでお茶。

   フジグランに帰ってきて、ミスドでまたしてもお茶。

   本屋に立ち寄り、しばし立ち読み。

   ユッコちゃんがETCの相場を知りたいらしいので、ジェームスへ。

   開演時間までまだ時間があるので、ゲーセンへ。

   ゾンビのハンティングゲームをした後、UFOキャッチャーに挑む。

   これが奇跡の400円(2回)でHIT!

   でっかいヌイグルミをプレゼントする事に成功!(奇跡だ)

   6時40分、ついにロッキーザファイナルスタート。

   9時頃、映画終了。


   無計画ゆえ、グダグダな内容だったけど、
   その間 会話が途切れる事はなく、終始喋りっぱなし。
   ユッコちゃんは隣で、ずっとケタケタ笑っていた。
   たぶん今日が人生で一番喋った日だったと思う。
   精神安定剤の恐るべき威力を、身をもって体感した。
   ククク。何とでも言え。リーゼを服用した俺に、一点の死角もなし! ふはははは!!!

 

   さてユッコちゃんを乗せて、車は当初のぼん○ゅ~るへ向かう。

   ぼん○ゅ~るに着くまでに、俺が最後にしなければならない事。

   ①次回のデートに誘うこと

   ②携帯番号とメルアドをゲットすること


   ふむぅ。 ・・・厳しい。
   今までの俺には、絶対に超えられなかった壁。
   しかし今日の俺ならば・・・乗り越えられそうな気がしないでもない!!


   俺「今日は一日ありがとう。 心の底から楽しかったよ。」

   ユ「こちらこそありがとうございます。 とても充実した一日でした。」


   次回のデートに誘うには、今しかない。
   くっ・・・やはり怖い! 安定剤飲んでても、怖いものは怖い!!(汗)
   しかし・・・今こそ! その一歩を! 踏み出すのだ!!


   俺「それで・・・その・・・えっと・・・。」

   ユ「・・・?」

   俺「あの・・・よ、よろしければ・・・また遊んでいただけないかと・・・。」

   ユ「こちらこそ、よろしくお願いします^^」

   俺「え゙っっっ!! マジで!? ホントに!? 俺、本気にしちゃうよ!?!?」

   ユ「是非誘ってくださいw」

   俺「ちょぉぉぉおおおお!!!!(涙)」


   その後 見事 携番とメルアドをゲットし、ホクホク気分で鴨島へ。
   帰宅して風呂に入ったあと、現在に至る。

 

   ロッキー1。 あれは名作だった。

   無名のボクサーロッキーは、現チャンピオンのアポロに挑む権利を たまたま得る。
   世間が笑い者にする中、ロッキーは必死に練習を積む。
   そして愛しのエイドリアンにプロポーズする。
   「もし俺がアポロを倒せたら、結婚してくれ」と。

   そして遂に始まった運命の試合。
   壮絶な殴り合いの末、最終ラウンドまで縺れ込む。
   それでも決着が付かず、勝敗は判定へと委ねられる。
   結果は・・・

   僅差で、アポロの勝利。
   ロッキーは試合に負けた。
   しかし、その試合を通じて、見事エイドリアンのハートを勝ち取る。

   試合に負けて、勝負に勝った。
   そんな展開を地で行く、不朽の名作「ロッキー1」。


   ・・・先日、確かに俺は負けた。
   H美ちゃんという試合に、敗れ去った。
   しかし敗戦をバネに、俺は変わった。
   褒められた方法ではないけど、俺は生まれ変わった。
   そして今日、見事勝利を勝ち取った。
   そう。 試合に負けて、勝負に勝ったのだ。

   安心するにはまだ早い。
   まだ一歩目を踏み出したに過ぎない。
   でも、しかし・・・
   この一歩を踏み出すまでに、とてつもなく長い年月を要した。

   でも俺は今日、確かに、その一歩を踏み出したのだ。
   俺は勝つ! この先も勝って勝って、ユッコちゃんのハートを手に入れる!!

   ぬぉぉ・・・ぬぉぉおおおおぁぁぁあああっっっ!!!


   エイドリアーーーーーーーン!!!!!


  

 ~蟲のお見合い初日報告fin~

 


                                                                                                                                                                               .

       蟲:2007/05/07(月) 23:33:54

                                                                                                                                                                               .

   5月4日(金)。AM10:30、市内某所でユッコちゃんを拾う。
   本日は2回目のデートという事なので、調子に乗って高松方面へ。

   まずは土成は御所のたらいうどんで昼食。
   今日もトランキライザーがバリバリ効いてるので、トークが弾む弾む。

   昼食を終え、空気も暖まってきたところで、今度は津田の松原へ立ち寄る事に。

   実はここである計画が。
   津田の松原を歩きつつ、ナチュラルに手をつなぐ! これ!!
   これが本日最大にして最後のミッション!!


   駐車場に車を停め、二人並んで、浜辺を歩く。

 

      
   

       涼しい浜風を浴びながら、何故か全身 汗でビショビショの俺。


   (・・・あぁあ、やっぱ無理! 2回目のデートで手をつなぐとか絶対無理!!)

   結局10分ほど浜辺を歩くも、手を繋ぐことなく、駐車場へ戻ることに。
   いつもの俺なら、諦めてそこで試合終了のパターン。

   ・・・しかし、その日の俺は違っていた。

   (逃げちゃダメだ! 逃げちゃダメだ! 目標をセンターに入れてスイッチ!)
   呪文のように頭の中で繰り返しながら、ついに禁断の『あの台詞』を口にした。


   俺「あの・・ユッコちゃん・・・『手ぇ繋いで良い??』」

 

   ・・・コクリと頷くユッコちゃん。

   ホァァアアイ!! 見事 手を繋ぐことに成功!
   おらっしゃぁあぁあぁぁああああ!!!


   ・・・しかし 如何せん、切り出すのが遅すぎた。
   結局駐車場までの10メートルほど手を繋いだだけで終了 orz
   ま、これも大いなる一歩だな(汗)

 

   お次に目指すは屋島。
   早苗さんの情報によると、屋島の水族館がリニューアルオープンして、
   かなり綺麗になってるそうだ。 ここで魚群を見て癒されつつ、更に親睦を深めるのが狙い。

   さぁいよいよ屋島が近付いてきたという辺りで、異変に気付く。


   渋滞すごすぎ(汗)


   屋島の登り口から山頂まで、ずーーーーっと車が長蛇の列を作っている。

 

     
   (イメージ画)

      

   うは、これ絶対無理www

   こうして本日のメインイベントが見事にガセり、その後はいつもの如く、グダグダの展開に。

   サンポート高松でショッピングした後、夢タウンで 更にショッピング。
   んで徳島帰ってきて、ノビ○ノビオで晩飯食って終了。


   うん、まぁ、今回のデートは75点だな。
   徳島←→高松間を終始ペラペラ喋れたのは良かったが、
   やっぱ屋島の水族館に行けなかったのが痛かった。
   (しかも徒歩で山頂まで登ろうとして、でもやっぱ諦めて、途中で引き返すというダメっぷり)
   今回の敗因は、ゴールデンウィークを甘く見ていたという所だな。


   そんで別れ際。
   次に遊べるのは、来週の日曜とのこと。
   でもそれだと1週間後になってしまうので、それまでに一度、
   平日の仕事後に、晩飯だけでも食いに行こうよと 誘ってみた。

   するとユッコちゃんは「良いですよ~」と。
   「じゃあまた、空いてる日を調べて、蟲さんに連絡しますね」つって、その日は別れた。

 

   土曜・日曜。
   俺はユッコちゃんからの連絡を待った。
   ひたすら悶々としながら待った。

   けど、連絡は無かった。
   ふむぅ・・・まぁまだ土・日だしな。
   仕事が始まってみないと、空いてる日は分からないのかもしれん。

   いつもの俺なら、ここで
   「どう? 平日会えそう? いつなら空いてる?」
   とメールしてしまうところだ。

   でも今回は止めておこう。

   俺は自信が欲しいんだ。

   ユッコちゃんは楽しいと言ってくれるけど、
   果たして本当にそう思ってくれてるのだろうか?

   すごく大人しくて真面目な子だから、
   どう思われてるのか、正直 全然分からないんだ。
   ゆうかちゃんの時と同じ。
   それなりに頑張ってはいるんだけど、手応えが感じられない。
   俺が欲しいのは、その「確かな手応え」。


   仮にユッコちゃんが、1ミリでも俺と会いたいと思ってくれてるならば、
   きっと空いてる日を調べて、連絡をくれる筈。

   ここで俺が、「いつなら空いてる?」と聞いてしまっては意味がない。
   「いついつなら空いてますよ」と答えてくれても、それでは全く意味が無いのだ。

   できるなら、ユッコちゃんから「自発的に」誘いのメールが欲しい。

   もしそのメールが・・・1通のメールが来さえすれば、
   俺はもっともっと頑張れそうな気がするんだ。


   そして今日。 朝からソワソワしつつ、ユッコちゃんのメールを待った。
   時間はゆっくりと過ぎ、ついに昼休み。
   もしメールをくれるなら、ここしか無い!

   しかし・・・俺の携帯が鳴ることはなかった。


   (あぁ・・・やっぱダメかな。 向こうから連絡貰おうなんて、おこがましいのだろうか。)
   昼休みにメールが来なかった時点で、正直 俺は、9割方諦めていた。

   へへへ・・・まぁ来ないものは仕方がない。 今日はマルサンでも行くかな ○| ̄|_


   俺の携帯が「24」のメロディーを奏でたのは、
   そろそろ仕事も終わろうかという、5時を回った頃だった。


   携帯「ピコン・・・ピコン・・・ピコン・・・ピコン・・・」


   (・・・やれやれ、また出会い系業者からのメールか?)

   ウンザリしながらメールを開くと・・・差出人名「ユッコ」!?!?


   ユッコ「いきなりですけど、今日はダメですか? ダメなら無理しないで下さいね」

 

   ・・・ダメなもんか!!! どこへでも行きます! 僕が行きます! 例え地獄の果てまでも!!!

 

   こうして一旦帰宅後、セットし直し、そのまま徳島方面へ。

   ヤバい。 来たよ。 ユッコちゃんがホントに連絡くれたよ。
   これはアレだよな? ちょっとだけ期待しても良いんだよな?
   少なくとも、俺と会う事を、嫌とは思ってないよな??

   「轟DREAM」を熱唱しながら、一路 待ち合わせ場所に向かう。

   その時既に俺が、精神安定剤を飲んでいたのは言うまでもない。

 

   さて本日の計画。
   まずは茶店で夕食でも。
   んでもって飯食った後は、どこかに夜景を見に行く。
   眼下に広がる100ドルの夜景(徳島だからね)を見ながら、そこで・・・告白する。

   俺「どうか僕と付き合ってください!」

   これっきゃねぇ!!
   以前どこかの名無しが、「鉄は熱いうちに打て」って書いてた。
   言うなら今日を置いて他にはない!
   俺は男だ! 男なんだーーーーっ!!


   徳島某所でユッコちゃんを拾う。


   うわぁ~・・・この子・・・
   やっぱ何度見ても・・・めっちゃくちゃ可愛いなぁ・・・

   俺は君を見る度、切なくなるよ。
   君が助手席に乗ってるという事が、あまりに非現実的に思えて・・・
   ハッと気が付いたら、これはただの夢なんじゃないかって・・・

   でも夢じゃない。 今日も助手席にはユッコちゃんが居る。
   そして今日、ユッコちゃんからのメールで俺はここに来た。
   その事実が、俺を突き動かす。

   今日の俺なら、不可能を可能にできそうな気がするんだ。

 


   市内某喫茶店。
   ちょっと遅めの晩飯を二人で食う。
   今日も軽快にトークは弾む。

   むむぅ・・・女の子と喋れるのって、こんなにも楽しい事だったのか。
   もっと早くに精神安定剤に気付いていれば、
   今までの人生、もっと楽しい日々だったろうなぁ・・・

   そんな下らない事を考えながらも、楽しく飯を食う。


   PM9時。 飯を食い終わり、車に戻る。

   さぁ この後は、どこの夜景を見に行こう。
   どこでも良い。 俺が言う台詞は決まってる。

   「どうか僕と付き合ってください!」

   この台詞、この台詞さえ言えれば良いのだ。
   あとは運を天に任せるのみ。 答えは神のみぞ知る。
   今夜キメる! 俺は絶対キメてやんぜ!!
   さぁショータイムの始まりだ!!!


   車のエンジンを掛け、とりあえず聞いてみる。


   俺「じゃあ、この後どうしよっか?」


   ユッコ「じゃあ帰りましょうか。」


   俺「え゙っ!?!?(汗)」


   ユッコ「明日仕事ですしね。」


   俺「あっ、えっ!? あ、うん、そ、そうだよね~!! ウヒ、ウヒヒ!(涙)」


   そのままユッコちゃんを送り届けて、本日の野暮用終了。

   むむぅ・・・結婚への道は、遠く険しい・・・。


   

    ~蟲2回目のデート終了~

 


                                                                                                                                                                                .

       快調かに見えた2度目のデート

      しかしその後の蟲からは弱気な発言が続く

                                                                                                                                                                                .

       蟲:2007/05/09(水) 12:01:36

 

   なんかユッコちゃんと付き合ってる訳でもないのに 調子乗ってたけど、
   昨日早苗さんと話してたら、全然ユッコちゃん脈ナシな気がしてきた(汗)
   てゆーか何で俺あんな浮かれてたんだろ?
   やっぱ客観的な目で見ると全然ダメだな。
   あまり焦らず、慎重に行こう・・・。


       蟲:2007/05/10(木) 00:46:25
                                                                                                                                                                             .

   ユッコしゃんなぁ・・・ホントどうなるんだろ。
   もう分からなくなってきた。 勝算10%ぐらいだ多分。

                                                                                                                                                                             .


                                                                                                                                                                             .

       そして何故か早苗さんへの告白・・・

                                                                                                                                                                              . 

       蟲2007/05/13(日) 00:22:21

 

   じゃあ僕もマジレスさせてもらいますか。

   いつも言ってる通り、僕も早苗さんのこと大好きですよ。
   信頼できる同僚として。
   優しい姉として。
   気の許せる友として。
   そして魅力的な女性として。

   はっきり言って、ユッコちゃんの100倍ぐらい早苗さんの事が好きです。
   正直あなたを抱きたいし、あなたと一生一緒に居たい。

   でも無理じゃないですか。
   あなたには家庭があるんだから。
   僕が幸せを手に入れるという事は、
   即ち 誰かの幸せをブチ壊すという事なんですよ。
   あなたの旦那さんもお子さんも親戚も、全てがメタメタですよ。
   そんなの前提からして間違ってるじゃないですか。
   これは最早どうにもならない事なんですよ。

   僕だって辛い。 できればあなたと結婚したい。
   でも世の中には、好きなだけでは結ばれない事もあるんだと、
   3年前の彼女との一件で、身に染みて分かりました。
   僕があなたと結ばれる事は、恐らく一生無い。

   だから僕は別な方法で幸せを手に入れます。
   あなた以外の女性と結婚し、子どもを作り、家庭を築く。
   そんな普通の幸せを掴みます。
   だから早苗さんも、僕を応援してください。
   僕の親友としてね。

   以上、マジレス終わり。

                                                                                                                                                                            .

 


                                                                                                                                                                            .

       こんな時だからこそ、オナニーにも感謝 

                                                                                                                                                                             .

       蟲:2007/05/15(火) 23:59:38 

   

   しっかしオ○ニーは最高だな。
   仕事で失敗した事とか、
   ユッコちゃんからメール来ない事とか、
   イッた瞬間、全てが どうでも良くなる。
   ホント魔法の儀式だな。
   オ○ニーの存在に、心の底から感謝したい。

.


.

       蟲:2007/05/17(木) 22:48:27

 

   ユッコちゃんにメールを送ってから、かれこれ1時間半。

 

 

 

 

   返事はまだない ○| ̄|_

 


.

       蟲:2007/05/18(金) 00:16:07

 

   返事が来ないまま 日付変わってもーた orz
   マジで凹む。 つか もうプライドズタズタだわ ○| ̄|_

.

 

.

 

       蟲:2007/05/18(金) 00:50:51

.

   3時間半ぶりに返事が来ました。
   土曜日は既に予定入ってて、日曜は4時から別の用事があるんだとか。
   それまでだったら遊べると。

   まぁ俺が微塵も好かれてないのだけはよく分かった orz
   もう止めるわ。 空しいなんてモンじゃない。
   俺は押して押して押しまくれるタイプじゃないんだ。
   ダメなら即引いてしまう。
   次は顔と性格を兼ね備え、しかも俺を好きになってくれる子を探そう。
   10年後ぐらいには見つかるかもしれんしな・・・。 ハハ・・・。


   以後この件に関する話題はなしだ!!!!!(逆ギレ)

.


.

       この間、蟲のウダウダを見かねた住人達から叱咤激励という名の罵声が降り注ぐ。

.

       蟲:2007/05/18(金) 22:42:30

 

   ホント皆さんの仰るとおり。
   ウダウダ言わずに頑張るべきなんだよね。
   分かってる。 頭では分かってるんだけど・・・
   でも俺ってホント、何でもすぐ諦めちゃうんだよ。

   大学受験も、べつに志望校なんか無くて、
   入れりゃどこでもいいやって感じだったから、
   周りが受験勉強に必死な頃、毎日スロばっか打ってたし。

   就職活動の時もそう。
   俺みたいなの採用してくれれば どこでもいいやって感じだったから、
   たまたま受かったトコに入社しただけ。
   野心も向上心も無いし、流されて、妥協ばかりの人生さ。

   そんな俺だから、恋愛も いつも消極的。
   2~3回会ってみて、(あぁ、この子たぶん俺に気が無いな)と思ったら、
   ソッコー諦める。 すぐに可能性を捨てて、自ら幕を下ろしてしまう。
   普通はみんな、相手を気に入ったら、押して押して押しまくるんだけどね。
   ホント俺にはそれができないのよ。
   フラれるぐらいなら、諦めた方が早いやって思っちまう。
   ヘタレな上に、無気力なんだろうね。

   今回のユッコちゃんなんてさ、好かれてる訳ないよね。
   俺には3回のデートだけで好かれる様な、技量も器量も魅力も無い。
   ユッコちゃんの反応や態度を見てると、
   自分の望みの薄さがヒシヒシと伝わってきて、すげー空しくなる。

   普通の人なら それをバネにして、我慢して、乗り越えて、自分を捨てて、
   幸せを掴み取るんだろうな。

   でも正直、ダメなら早く断ってくれと願ってる俺ガイル。
   ○ごんの言うとおり、こんなんだから 今の俺があるんだろうな。
   あぁ・・・何で俺ってこうネガティブなんだろ。
   結婚相手探す前に、どこかの自己啓発セミナーにでも参加すべきじゃないかと我ながら思う。

   まぁ・・・もうちょい頑張ってみますわ・・・。
   皆さん応援ありがとうございました。

 


.

       蟲:2007/05/19(土) 20:03:37

 

   昨日の昼休みにさ。
   「日曜の朝11時、どこそこに待ち合わせで良い?」って送ったのよ。

   そしたら例の如く返事が来ない訳ですわ。
   まぁみんながモチツケっつーから、ピクピクしながらもこの時間まで待ってたんだけど、
   返事来ない事には どうにもならんから、
   意を決して、今しがた再度メールを送った訳よ。

   「返事が来ないんだけど、11時にどこそこで良い?」って。
   我ながら ちょっと嫌味っぽいなぁ~と思いつつも、送った訳さ。

   そしたら、送信ボタン押した瞬間、なにやらメールを受信してんのよ。

   (まさかな・・・)と思いつつ開いてみたら、

   ユッコ「返事遅くなってゴメンね。明日11時でOKですよ^^」

   ってメールだった・・・ orz
   こんだけ迷った挙げ句、送った瞬間返事来るなよ orz
   あと5秒送るの待ってれば・・・ orz
   つか メールの返事に1日以上待たせんな orz

.

 


.

       しかしその2日後、事態は急変。

 

       蟲:2007/05/21(月) 21:26:53

 

   正直こんな事まで書くべきかどうか迷ったけど、
   今日までユッコちゃんとの事を報告してきた中で、
   応援してくれた人や喜んでくれた人、またマジレスしてくれた人も多数居たので、
   俺には最後まで報告すべき義務があるような気がして、今から最後の報告をする。


   昨日のこと。

   「今日は4時までしか遊べない」とは言われているものの、2週間ぶりのデートとなるので、やはりウキウキしてしまう。

   AM10時。
   (さて出掛けるか)と車に乗ろうとすると、愛車がピッカピカに磨かれてるではないか。
   どうやら親父が早朝から洗車して、ワックスを掛けてくれてたらしい。
   蟲家のどら息子が、遂に結婚してくれるかもしれない――― きっと親父も嬉しいのだろう。
   洗い立ての車に飛び乗り、一路徳島市内へ。


   それにしても、今日の青空はまた格別だな。
   ワクワクしてるせいか、紺碧の空が いつもより美しく感じられる。
   全国では水不足が深刻化してるらしいけど、この蒼天を見てると どうでも良い事のように思えてしまう。
   そう。 今の俺の この青空のように晴れやかな気分と、農家の苦悩の間には、何の関連性もないのだ。

   AM10時45分、待ち合わせ場所に到着。
   自販機で二人分のお茶を買ったり、タバコを吹かしながら、ユッコちゃんが現れるのを待つ。

   AM11時5分、ユッコちゃん登場。
   今日もまた一段と麗しい。
   陳腐な言葉で形容するなら、ただただ「美しい」。
   透き通るような真っ白な肌が、青空とマッチして、まるで空に浮かぶ雲のようだ。
   ふと気付いた時には、スーッと空の彼方に消えてしまうのではないか・・・
   そんな儚さにも似た美しさが、ユッコちゃんにはあった。


   さて、今日は4時まで限定のデートとの事なので、フジグランに映画を見に行く事に。
   これなら映画の終了時刻も分かっているし、別れ際にバタバタする必要もない。


   フジグランに向かう道中、俺は前日の「メールの行き違い」についての謝罪をした。

   金曜の昼にユッコちゃんにメールを送ったものの、一日以上返事が来なかったため、
   ちょっと嫌味を込めたメールを再度送ったら、丁度ユッコちゃんもメールを送るところだったという事件だ。(>>432参照)


   俺「昨日のメールの行き違いだけど、ゴメンね^^;」

   ユッコちゃんは特に悪びれる様子もなく、言った。

   ユ「私いつもそうなの。 メールとか全然無頓着で、携帯もよく家に置き忘れたりするんだ。
   友達からも『ユッコのメールの返事は遅い』っていつも言われてるの。 だから気にしないでね。」

   俺「うん。」

   素直に応えたが、内心思った。

   俺のメールに無頓着というより・・・
   きっとユッコちゃんは、俺の存在そのものに対して 無関心なんだろうな・・・

   すぐ隣の助手席に座ってる筈のユッコちゃんが、何故だか遠い存在に思えた。


   俺のちっぽけな胸の内など知る由もなく、ユッコちゃんは終始リラックスしていた。
   むしろリラックスし過ぎていた。

   レストランで飯を食ってる最中も、ピコピコ携帯をイジッていた。
   飯を食い終わった後、フジグランに向かう車中も、彼女はメールの返事をしていた。
   俺は徐々に苛つき始めたが、それを悟られぬ様、必死で他愛のないトークをした。
   ユッコちゃんはそれを聞きながら、ケラケラ笑っていた。


   PM12時50分、フジグラン到着。
   俺は映画が始まる前に、飲み物を買ってくることにした。

   俺「ユッコちゃん、何が飲みたい? ドリンク買ってくるわ。」

   ユ「じゃあ、ゆず茶をお願い。」


   コーラとゆず茶を購入し、会場に戻る。
   座席に座ろうとすると・・・ユッコちゃんは携帯をピコピコ触っていた。

   その瞬間、正直俺は、ムカッとした。


   俺「・・・あのさ、ユッコちゃん。」

   ユ「ん? 何?」

   パタッと携帯を閉じると、ユッコちゃんが笑顔を向けてくる。

   俺「さっき『メールや携帯に無頓着』って言ってたけど、俺にはとても そう思えないんだ。」

   ユ「・・・・。」

   俺「俺と遊んでる時、いつも携帯を触ってるよね? 今日も、今まで遊んだ時も。」

   ユ「・・・・。」

   俺「べつに遊んでる最中にメールしようが電話しようが、そんなのは どうでも良いんだ。
   ただ、君を見てると、メールに無関心な子とは思えないんだ。」

   ユ「でも・・・私・・・友達と遊んでる時は、絶対 携帯見たりしないから・・・」

   俺「? 友達と遊んでる時は携帯見ないで、俺と一緒に居る時は 携帯を見るの??」

   ユ「あ、いや、・・・うん・・・。」

   俺「ふぅん・・・。」

   ユ「・・・・。」

   俺「・・・・。」


   険悪なムードの中、映画が始まった。



   イライラしてたので、映画の中身が 殆ど頭の中に入ってこない。
   スクリーンの中では、正義のヒーローが 自分の能力を生かして、立ち塞がる悪党共と闘っている。

   ヒーローとは常に強いものだ。 頑強な肉体、確固たる精神力、不屈の闘志。
   小さな事でクヨクヨしてしまう俺では、どうやら一生 ヒーローになれそうもない。


   PM3時30分、映画終了。

   とりあえず落ち着け俺。
   ユッコちゃんが俺に好意を持ってないというのは 前から分かってた事だし、
   今更どうなる訳でもない。 やっぱりユッコちゃんには笑っていてほしい。

   フジグランからユッコちゃんの家に帰る途中、
   俺は無理矢理テンションを上げ、バカな話をいっぱいした。
   ユッコちゃんも またリラックスしたみたいで、ケラケラと笑っていた。


   さて、もうすぐユッコちゃんの家って辺りで、俺は切り出した。
   次回のデートの約束をしておかねばならない。

   普段ユッコちゃんから遊びの誘いが来る事もなく、
   しかも事前に言っておかないと、どんどん予定を入れてしまう子である以上、
   今の内に 予定を立てておかねばならない。


   俺「えーと、次だけど。 いつ会えるかな?」

   ユ「土曜日はスポーツジムに行くつもりだから・・・日曜なら空いてるよ。」

   俺「平日は会えないかな? 俺、何曜日でも空いてるんだけど。」

   ユ「平日は・・・無理かなぁ。 ジムに行ったり、友達と遊んだりするから。」

   俺「そっかぁ・・・。」


   いつもと同じ返事が返ってきた。
   この返事を聞く度、俺はどうしようもなく空しくなる。
   俺は早くユッコちゃんの事を知りたいと思ってるし、
   ユッコちゃんにも俺という人間を、もっと知ってもらいたいと思ってる。
   でも彼女はそんな事には全く興味が無さそうだ。 毛の先ほども。

   いつもならここで引き下がるんだけど、今日はもう一歩だけ踏み出してみた。


   俺「あのさ、5月24日の夜、空いてないかな?」


   ユ「5月24日? むっし~の・・・誕生日?」

   俺「うん。 会えないかな。」

   ユ「う~ん・・・ゴメン。 ジムの予定が入ってるから、無理かな。」

   俺「・・・そう・・・・。」


   正直俺はバカだから、この瞬間まで、むしろユッコちゃんから、
   「むっし~、5月24日、予定空けといてくれない?」
   なんて言われるんじゃないかと、内心期待してた。

   当然の事かもしれないけど、俺はデートの度に車を出し、運転し、
   昼飯も晩飯代も出し、映画代もコンビニのジュース代もお土産も、全部買った。
   ユッコちゃんには一銭たりとも払わせた事がない。
   それに俺なりに、一生懸命ユッコちゃんを楽しませた筈だ。

   だから・・・もしかしたらユッコちゃんは、
   誕生日に 俺を祝ってくれるんじゃないかと。
   脳天気に そんな事を思ってたのだ。


   でも現実は全然違った。
   彼女は俺の誕生日を祝う事より、スポーツジムに行く事を選んだ。


   俺って一体何なんだろう?
   どうしようもない虚無感に体が支配される。
   同時に 俺の中で、ユッコちゃんに対する想いが、急激に萎んでいくのが分かった。


   俺「それじゃあ・・・さようなら。」

   ユ「さようなら。」


   短い別れの挨拶を交わして、ユッコちゃんを降ろした。


   ユッコちゃんは人混みの中に、スーッと消えていった。

   さようならユッコちゃん。

   雲のように儚い人よ。

 

 

   ・・・という訳でアレだ。
   応援してくれてた人、正直スマンカッタ(汗)

   いやぁ~、今回ばかりは遂に結婚かと思ったんだけどなぁ~。

   こりゃどう考えても男が居るな。
   ちょっとした気まぐれで、お見合いというものを経験してみたくなったのかもしれない。

   つかむしろ、もし男が居なくてこんな感じなのなら、もっと訳ワカメ。
   俺には到底理解の出来ないタイプの女の子だ。


   つぅ訳で、もう無理だ。
   この先どれだけ頑張っても、この子に好きになってもらえないだろうし、
   そして俺も、たぶんこの子の事を、今後好きにはなれないと思う。

   どうせフラれるから・・・とか そんなんじゃなくて、
   ただ純粋に、この子と結婚は無理だと思ったんだ。

   今まで、「もしかすると・・・いや、それでも・・・」
   と ひたすら我慢してたけど、
   誕生日に会うのを断られた瞬間、最後の糸がプツリと切れた。
   まぁ付き合ってる訳でもないけど(苦笑)、今回で終わりにするわ。


   さてユッコちゃんとの終わらせ方について。
   これには色んな人から意見を集めた結果、次の3つが挙がった。

   ①ユッコちゃんに言うべき事をハッキリ伝えた後、関係を終わらせる

   ②仲人のオバチャンに「合わないから」と言って断る

   ③俺からメールを送らなければ向こうから絶対メールは来ないので、このまま自然消滅を図る

   以上3点。
   俺的には①で行く気満々だったんだけど、
   やっぱ今回は お見合いという形で出会い、仲人を通しての話だから、
   断る時も、やっぱ手順に則り、仲人さんにお伝えしようかなと。


   オトンもオカンも悲しそうだったなぁ~・・・ほんとスマン。

   まぁ今までネタ半分で、「顔さえよければイイ!」なんて言ってたけど、
   やっぱ今回の件で、改めて「女性は性格が一番」だと痛感したw

   ユッコちゃん・・・ほんとビックリするほど可愛くて、
   しかも細いのにオッパイでかいという、おおよそ徳島ではあり得ないスペックだったんだけど、
   やっぱ性格とか価値観とかが合わなきゃ、そりゃ無理だわな。

   こうして考えると・・・やっぱ3年前に別れた彼女は、最高の子だったな。
   こうやって恋に破れる度、3年前の彼女を思い出すのは何故だろう orz


   まぁそんな感じで、誕生日目前にして、またもやスタート地点に戻りました。
   ま、これでこそ蟲。 皆様、蟲の行く末を、もう少し見守ってやってくださいw

 


.

       蟲:2007/05/21(月) 23:34:57

.

    まぁ・・・何だかんだで、俺はユッコちゃんの事が好きだったんだろうなぁ~。
   まだ会って数回だけどさ。
   たぶん どうでもいい子なら、メールが来ようが来まいが、何とも思わなかったんだろう。
   でもこれだけイライラしたり、凹んだり、苦しかったりしたのは・・・
   悔しいけれど、やっぱ俺は、ユッコちゃんの事が好きだったからだと思う。

   まぁ終わらせようと決心した今は、その苦しみからも解放され、むしろ清々しい気分だ。

 


.

       蟲:2007/05/21(月) 23:49:33

   デートの後、結局ユッコちゃんからは一度もメールが来なかった。

   例え一行だけのメールでも良いんですよ。ただ、
   「今日はありがとう」とか、「ご馳走様でした」とか、
   「運転お疲れ様」とか、「楽しかったよ」とか、
   何でもいいから、一通のメールが欲しかった。
   そのメールさえもらえれば、俺は本当に嬉しかっただろうし、もっと頑張れたと思う。

   でも一度もメールは来なかった。
   redさんに言わせれば、「そんなの人それぞれでしょ」って感じでしょうけど。
   でも俺はそういう気配りの出来る女性が好きだし、
   ユッコちゃんは、そういうのができる子であって欲しかった。

   情けない事に、いつも耐えかねて、俺からメールを送ってたんですw
   「今日は遊んでくれてありがとう」って。


   ホント些細な事ですけどね。
   ただ、ほんの小さな気配り・・・彼女には それが無かった。
   何度か会って、それはよく分かりました。

   まぁ今日はこの辺で、この話題は勘弁してください。

 


 

       そして蟲誕生日当日

.

       蟲:2007/05/24(木) 01:21:54

 .

   という訳で、改めましてコンバンハ!
   蟲です。 ついさっき、2●歳になりますた。
   いよいよリーチでございます。


   さてユッコちゃんの件だけど、昨日仲人にお断りの連絡をしときました。

   明けて今日。
   予想通りというか・・・ユッコちゃんからは、何のリアクションも無しw
   まぁホント予想通りなんだけどな(苦笑)
   断りの連絡受けても、「あっそ」って感じだったんだろうな。
   最後まで空しい子だったぜ・・・ ○| ̄|_


   さて、今日で俺も2●歳。
   ぶっちゃけ 恥ずかしい話だけど、2●年間も生きてきて、
   今まで付き合ってきた女性の数は、片手にも満たない俺(照)
   最長でも2年。 それ以外は半年とか3ヶ月とか、そんなんばっか。

   でも彼女たちは、俺に多くの物をもたらしてくれた。
   彼女たちと出会った事で、俺は多くの物を得、学び、成長する事ができた。
   同時に俺も、彼女たちに対して、何かを与えられたと思ってる(たぶん)。


   しかし ここのところ・・・
   ゆうかちゃんと言い、ゆっこちゃんと言い・・・
   俺は苦しくて、悲しくて、辛い想いをしただけだった。
   凹まされっぱなしで、最後には空しさだけが残った。


   次に俺が出会う女性は、どんな子なのだろう。
   どこで、どんな時に、どういう形で出会うかは分からない。
   ただ願わくば、俺を人として成長させてくれる様な、素敵な女の子であって欲しい。


   さて泣いても笑っても、崖っぷち!
   最後の1年間を、全速力で駆け抜けます!!

   ~蟲2●歳の初心表明~

 


.

       しかしその直後、ユッコからのメールが届く。

. 

       蟲:2007/05/24(木) 01:34:56

.

   って やべぇぇぇーーー!!
   ふと携帯見たら、ユッコちゃんから「誕生日おめでとうメール」が来とるやん(汗)

   まさか まだ伝わってなかったのか?(汗)
   ぐぁぁ、コレ知らずにメール送ってきてるのなら、
   良心痛むなぁ・・・まぁべつに悪い事はしてないが。


   と言いつつ放置して寝る俺であった。

   そんじゃ皆様おや蟲~♪

 

 

   このレスを最後に蟲からユッコについて語られることは2度と無かった・・・。   ~ユッコ編 fin~

.

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最終更新:2022年05月23日 10:38
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