モーション(ジャンプ)

また少し長くなります。


グランジュッテのモーションを作っていたときのこと。ジャンプの時間と高さがどうしてもうまく決まりませんでした。
うう、自然にならない…、動画をいろいろ見ても高さなんて正確にわからないし、自分の感覚と照らし合わせて…いえ、そんなのもっと無理ですって。

試行錯誤した挙句、ときどきいろいろ手伝ってくれてるうちの弟に相談。
返ってきた答えは
「計算すりゃいいじゃん」
け、計算っ!?…ど、どうやってですかっ!?

いえ、放物線だとか、そういうのもちょこっとぐらいならばわかるんです。
MikuMikuDanceでどうやって?っていうことです。
(ここで「はいはい、そういうことね。」と思った人は正解です。この先は読む必要はありません…といいたいところですが、後半、ちょっと意外な方向に脱線を始めます。)

それでまず、つくってくれたのが次の2つ


30cmの高さのジャンプ、50cmの高さのジャンプのそれぞれのモーションデータ。
中身は「センター」のデータだけ。高さなんかは考えず、まずは適当にジャンプ中の動きを作って、最後にこのモーションデータを読み込んで完成、というわけです。…ふんふん、なるほどなるほど。
「高さと、横方向の向きとか距離を変えたいときは?」「そのときにまた言って。」

あ、言ったらつくってくれるのねん?

(…と簡単にとらえてたら、このあと話が二転三転します。)


で、最終的にできあがるのがこれ。


[2008.5.25]

一例ですのでポーズは手抜き(踏み切り、最高点、着地、の3つだけ)ですが、いちおう正確なジャンプのはず。
もちろん、センターの位置を放物線で移動させたから、という話にはなりません。

一度にやると知恵熱が出そうなので、今日はここまで。


…さて、続きを。
上のモーションデータで実際にポーズをつけて動かしてみると、ちょっとおかしな動きになります。
いえ、おかしな動き、というよりはどちらかというと普通の動き。
あれ?っと感じてしまいました。

そもそもグランジュッテの頂上付近でなぜダンサーが両足を前後に大きく広げ、両手を上に振り上げるかご存知でしょうか?
その動きが美しいから、には違いないでしょうが、じゃあなぜその動きが美しく見えるのか?
実はこれはバレエで普通に知られているテクニックで、そうすることでジャンプの軌道がただの放物線ではなく、頂上の高さで一瞬しばらく静止したような、不思議な軌道に見えるからなんです。もちろんそれが美しさの理由のすべてではないでしょうけど…

(http://www.fujitv.co.jp/event/art-net/art-science/008.htmlの「錯覚が生み出すバレエのテクニック」に説明がありました。興味のある方はどうぞ読んでみてください。)

弟にとくとくと説教してダメ出し、作り直しを命じました(笑)。

で、作ってきたものをまあ見てやってください。まず、ジャンプ中ですが、ポーズの変化に合わせて、重心の位置が下のように動くというのです。赤がミクのセンターの位置、青がミクの重心の位置、です。

※ちなみに重心は、普通のバレリーナ体型を想定して計算したとのこと。そりゃ、ミクは頭が大きいですからね(笑)、髪も重そうだし。あ、髪をおだんごにしてるのは全然関係がありません。動画を作るにあたって、ちょっと試してみただけです。


[2008.6.1]

ふんふん、それでそれで?
で、ようするに、重心が移動する分、それだけセンターの移動量を調整してやらないといけないとのこと。
そうやって作ったジャンプが下の動画。


[2008.6.1]

重心が放物線を描いていて、そのかわりにセンターの軌道がジャンプの頂上付近でま横方向に波打って動いているのがわかるでしょうか?
それにあわせて頭の動きも、頂上からあとにさらにもういっかい上に持ち上げられるような動きをしています。
おお、えらいっ!よくやった!
きっとこれが上で書いていた、目の錯覚ということなんですね。


まだ続きます。
ほんとうに自分がどこまで理解しているかわかってないことをおそるおそる書くのは結構つらい作業ですね…





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最終更新:2008年06月01日 22:36
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