速攻メダフォース戦術

概要

『メダロット3』『4』にて編み出されたロボトル戦術の通称。
「速攻MF」と略される。

その名のとおり「戦闘開始直後速攻でメダフォースを発動させ、敵に壊滅的なダメージを与える戦術」の事を指す。
発動させるメダフォースは全体停止、遠隔地雷の他、『3』では一斉射撃も使用された。
特に前者二種のMFは発動が勝敗を決する程の異常な効果で、それを相手の行動前に発動するのだから凶悪極まりない。
公式大会でも際立った成果を残し、昔のメダロットのずさんな戦闘バランスを物語る戦術として否定的に語られる事が多い。

具体的には、発動役はメダフォースを先行入力しておき、2、3番目に行動させる。
発動に必要なMF量は、ターゲットが発動役になるよう調整した補助役のフォースアップで補う。
行動速度を上げる常時チャージは必須で、全機体に必ず装備される。
とどめ、非常用に使う攻撃パーツには、圧倒的な破壊力を持つサムライブラスト、回数に優れるデスブレイク等が選ばれた。
脚部パーツは主に推進の高いものが中心である。

その他のパーツは、敵の全体停止対策として症状クリア、遠隔地雷対策としてフォース制御辺りが有力。
これは勿論、自分が速攻MFでない場合にも言える。

ちなみに、全体停止はノースとBクワガタ、遠隔地雷3はジャック(『3』では熟練度不足)とジュエル(『4』のみ)が使用可能。

ぜんたいていし 70 なぐる20 敵メダロット全てに「停止」症状を付加する。
えんかくじらい3 120 とくしゅ70 使用したメダロットと同じラインにいる敵メダロット1機を
「9割」の確率で破壊。失敗すると自滅

一例

以下は当時、某個人サイトの掲示板に「公式大会優勝者の編成」として公開されたと思われる文章である。
『メダロット4』時代のチーム編成で、速攻メダフォース戦術を強く意識している。

対全体停止

リーダー
メダル メロディ
頭部  フロードウェイ
右腕  トビデル
左腕  コゲテル
脚部  アンビリカル

2体目
メダル ミラージュ
頭部  サムライブラスト
右腕  トビデル
左腕  テンブロー
脚部  アンビリカル

3体目
メダル Bクワガタ(狙い撃ちメダリア60装備)
頭部  デスブレイク
右腕  トビデル
左腕  テンブロー
脚部  アンビリカル

戦法的には先に相手に全体停止をかけさせて無効。
その後、オールデストロイとかそんな感じ。


対遠隔地雷

リーダー
メダル メロディ
頭部  フロードウェイ
右腕  トビデル
左腕  ファットセーブ
脚部  デュアルウォーク

2体目
メダル ミラージュ
頭部  サムライブラスト
右腕  トビデル
左腕  ファットセーブ
脚部  デュアルウォーク

3体目
メダル Bクワガタ(なおすメダリア60装備)
頭部  フラクチャー
右腕  トビデル
左腕  ファットセーブ
脚部  デュアルウォーク

戦法はとにかく速攻で全体停止をかけるというもの。
相手がもし症状クリアパーツをつけていた場合はフラクチャーで制御してしまいましょう。
サムライブラストの使用回数は2回と少ないですが、ミラージュメダルは回数アップが使えるので、使用回数0になったら即使いましょう。

これを見る限り、相手も速攻メダフォース戦術を使うことが前提で、当時の大会ではそれ程使用者が多いことが分かる。
コゲテルの下位互換であるテンブローを使用しているのはあくまで代用であり、何か戦術的価値があるという訳ではない。

メダロットは相性に因るところが大きい。これ程の編成でも弱点があり、後出しジャンケンならば簡単に完封される。
(上は遠隔地雷に対し無力。下は攻撃パーツが光学属性のみで、フォース制御を使うにもかかわらずMFへの依存度が高い等)
しかし速攻MF対策は避けて通れず、それを怠れば瞬殺される。結局、この戦術が強力だということに変わりはない。

背景

速攻MF成立の背景には、インフレの極みにあった高消費超性能MFと、その発動を容易にするフォースアップの存在が大きい。
しかしそれらは『2』の頃からあった。にもかかわらず、『3』から猛威を振るい出したのは何もデスレーザー弱体化の影響だけではない。
メダル性格の仕様変更と「MFが必要量なくとも選択はできる」というシステム変更の結果、より早いMFの発動が可能になったためだ。

そんな製作者が望んだ戦術とも受け取れる速攻MFであったが、『navi』以降はMFを取り巻く環境が一変した。
高消費超性能MFは片っ端から削除され、MF溜めをしなくても、ある程度のMFが溜まるように変更。
「パーツ主体の戦闘スタイルとMFの融和」ともいえるこの路線は、『5』のメダスキルにも継承された。
その後『弐CORE』で「メダフォース」という名称が帰ってきたが、フォースアップは遂に帰ってくることはなかった。

速攻メダフォース戦術は滅んだかのように思えた。しかし…

亜種

メダロット5

かつて、「速攻ヴォルカノン」という戦術が話題を集めたことがあった。
『5』に登場した戦術で、「ファストチャージ発動後メダスキル溜めを繰り返し、速攻でヴォルカノンを3発撃つ」というもの。
こちらは発動にやや時間が掛かるものの、戦闘の一連の流れが似ており、「『5』版の速攻MF」とも呼べるだろう。

これは当時、上記とは別の個人サイト上に記載されていた「大会優勝者の編成」とされるものである。


リーダー
メダル (H)アリクイ
頭部  チョトッツー
右腕  イナホガン
左腕  ヒダリキバー
脚部  プラスタード

2、3体目 メダルは(C)カミキリ(M)ドードー。機体はリーダーと同じ。

勿論、この戦術も強力ではあるが万能ではない。
一番致命的なのが、マイナス症状に対する抵抗力が全くない点。特にがむしゃら束縛や混乱はかなりの脅威となる。
『5』の症状クリアは紙装甲なので、付けたくとも付けられないというのが正直なところだろう。

また、この編成はヴォルカノンによる一人一殺を前提としているため、
万一ヴォルカノンに耐えられた場合には、メダルと全く合っていないイナホガンでの戦闘継続を余儀なくされる。

ヴォルカノン がむしゃら 敵に装甲に応じたダメージを与えるが、自分の装甲も半分になる。

メダロットDS

メダリアMF-MAXを使用することで速攻MFと同様の戦術を行うことが可能。
こちらは主に「開幕メダフォース」と呼ばれる。

使用されるMFは、発動さえできれば1ターン目で2体を機能停止にできるノンイバーシブ、
速攻全体停止と同様の効果を得られるライトニング、”開幕”で敵1体を葬り去り相手に対策を許さないガンスリンガーが中心。

速攻MFと大きく異なる点は戦術を取る際のリスクである。
速攻MFの場合はフォースアップフォース制御常時チャージなど多数のパーツ枠を要求したのに対し、
MF-MAXが犠牲とするものは「搭載機の頭部回数」と「メダリア枠」のみである。
その為、開幕メダフォース戦術はあまりにも容易に既存の戦術と融合することができ、広範囲で圧倒的な力を発揮。
対戦バランスを完全にMF-MAXありきのものに塗り替える結果となった。

頼みの綱のフォース制御もDSには登場しない為、対処法も最終的にはMF-MAXを使用し、相手のMFに潰される前に潰すこと。
『DS』の対戦環境末期においてMF-MAXを放棄することは、勝利を放棄することと同義であった。

2011年11月を最後にメダジャーナルの更新は終了したが、MF-MAXを制限する対戦ルールは最後まで存在しなかった。

メダロット7以降

MF-MAXの後継といえるリーダー効果「CG-MAX(『8』では50%、『9』では20%)」や一回の行動でチャージゲージ(CG)を100%にする新わざフルチャージ、また『8』以降導入された脚部特性にもCG上昇をサポートするものがあり、対戦環境でも度々見受けられる。
しかし、それらには無視できないデメリットが多く存在するため、あくまで強力な戦術の一つに留まっている。

『メダロットS』においては、フルチャージの系列技が多数追加されている。
コレにより、全員フルチャージという編成も(ガチャの排出確率や課金額、イベントや激闘!ロボトルをこなしているかにもよるが)容易になった。

特に、一ヶ月のシーズン制となり月毎に報酬がもらえる様になったリアルタイム対戦、オンラインエキシビションにおいてはある戦術が見られる。

フルチャージ系技使用後、メダフォース一斉射撃およびカラタケワリで相手リーダーをほぼ速攻で機能停止させたり、ソニックショットおよび横一閃で相手チームのパーツを破壊したりして早く対戦を終わらせて、効率良くロボトルポイントを稼ぐプレイヤーが間々見られる。

特にメダルのスキルレベルが全て50に統一されるフラットマッチでは、パーツ攻撃が決定打になりにくいこともあり、メダルレベルにダメージを依存するメダフォースでの攻撃を行うプレイヤーが見られる原因となっているものと思われる。

この亜種として、一部のスーパーレアメダロッターのメダロッターアビリティと併用して、チャージゲージ依存技で確実にクリティカルを発生させたり、メダフォースのダメージを高めたりするという戦術も存在する。

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最終更新:2023年10月21日 09:43