名言集2
(「河」選)
- 「本当の世界観は、現時点、この瞬間と根源的な出発点からと、対立的である運命の両極限からはさみうちにして、問題をつきつめていかなければならないはずだ。歴史は瞬間に彩りを変えるだろうし、美術は美学であることをやめて、巨大な、人間生命の全体をおおい、すくいあげる呪術となってたちあらわれるだろう。」(岡本太郎 「美の呪術」)
- 「まことに、マンダラは憤りである。そうだ。あの怒りは宇宙全体に透明な波光としてひろがって行く。・・・ひややかに世界を見わたして、「ノー」と言いきること。また決意をもって「かくあるべきだ」と、激しく、或いは力まず、また早口に、そして無言で、言いきることを意味するのである。」(岡本太郎 「美の呪力」)
- 「創るとは決してキャンバスに向かって筆をとり、絵の具を塗ることだけではない。それは全く形式的で素朴な考え方だ。己れの世界観に新しいホリゾンを打ち開くことが実はクリエートなのである。真に芸術作品に対した場合、観賞者は己れの精神の中に何らかのセンセーションによって、新たに何ものかが加えられる。というよりもむしろ己れ自身に己れが加えるのであるが。精神は創造的昂揚によって一種のメタモルフォーゼを敢行する。だから芸術作品と対決する以前と以後の観賞者の世界観、平たくいえば物の観方自体が質的に飛躍するのである。」(岡本太郎 「青春ピカソ」)
- 「日本でアートが不在なのは、アートを図としたとき背景となる土壌そのものが、無意識のうちにあまりにアヴァンギャルドであることに由来するのだということを、あらためて思い知らされるのである。」(椹木野衣 「爆心地の芸術」)
- 「そろそろ、いかなるオリジナルな美術も生み出すことができなかった「現代美術」の歴史や価値判断そのものを括弧に括って、この汚れきった土壌から再出発する覚悟をしてもよい時期なのではないだろうか。」(椹木野衣 「爆心地の芸術」)
- 「グラフィティの描き手はいつもヤバいんだ。
市や警察やお袋からもうるさく言われて
仲間からも。
”公共物の破損だと”か何とかってな。
・・見てるだけじゃライターとは言えない。
外へ飛び出して描きまくらなきゃ。
描くんだ。
危険を冒しても。」(Lee 「Wild Style」)