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F級フレーム(土場藩国版)


 土場藩国において開発が開始されたF級フレーム(土場藩国版)は、わんわん帝國が初めて制式採用するラウンドバックラーである。原型機は第6世界で使用された同名の人形であり、60万機以上も生産されて太陽系総軍に配備。火星においてはラウンドバックラーへと改装され、火星大気圏軍や火星独立戦線など各陣営に採用された優秀な機体であった。

 土場藩国版では人形仕様とのハイブリッドとして宙戦性能や陸戦性能を付加、万能性を得ようとする案もあったが、これは運用コストの増大、あるいは各局地戦域での性能低下を招き量産型の兵器としては不適当であると判断され、火星での水中戦を行うRBとしての性能を追求することとなった。

 外装は日本月版、いわゆる士翼号をベースに設計され、有人操縦を基本とした。これはパイロットを騎士と捉える帝國特有の思想によるもので、BALLS/犬士によって制御可能な仕様は残しつつ、全ての機体にコクピットが装備されている。また単機性能の向上を狙い、搭載BALLS/犬士数は2機/2匹とされてそれぞれが機体制御・火器制御を担当させることとしている。

 主機の双発対消滅反応炉式ウォータージェットは高出力化され、およそ25%の推力増強を実現した。それに対して全体での重量増加は10%ほどに留まっており、パワーウェイトレシオでは原型機を上回っている。これに伴って反物質燃料搭載量も増やされ、18gほどを搭載。結果として戦闘継続時間は変化がなく、およそ2時間に留まった。
 エンジンが双発式であることもあって製作工数はかなり多かったが、原型機から変更された部品は30%を超えず、現地での部品調達による整備も容易である。オートメーションによる大量生産品であるが故、部品精度のばらつきも少なく、性能は安定していた。

 頭部アンテナは額側に移設されているが、これは見た目の問題であったらしい。水圧を強く受ける首は太く頑強になっている。

 腕部には一般RBと同じく絶対物理防壁発生装置を装備。ステーションは原型のまま残された。突撃戦において最も損傷を受ける肩部装甲は大型化。それに対して前腕部は装甲が削られているが、白兵戦での衝突に対する備えとして大型のフレームが装着された。
 脚部はやや装甲を削っている以外は原型機と変わるところはない。

 武装関連は特に目新しいものはないが、より攻撃力を重視した装備が施されることが多い。

●剣鈴
 絶対物理防壁を延長、白兵武器として動かすためのオプション装備。腕部ステーションに装備される。伸びた防壁が剣鈴型になるためこの名がある。これ自体に破壊力があるわけではない。魚雷発射管との同時装備も可能。同原理の武装としてカトラスがあるが、より破壊力を重視して剣鈴が採用されている。

●有線遠隔操作式水中銃
 爆砕弾投射機、剣鈴、機関砲を複合させたオプション武装。腕部ステーション装着時は剣鈴、有線制御で後方攻撃用爆砕弾投射機として機能する。

●魚雷発射管
 腕部・脚部ステーションに装備。弾種としては短魚雷、長距離魚雷、各種機雷等、太陽系総軍規格に合わせたものが用意された。


絵:11-00652-02:猫野和錆:玄霧藩国
文:33-00647-01:GENZ:無名騎士藩国
最終更新:2008年07月22日 00:01
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