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同人誌売りの少女 【投稿日 2005/12/25】

カテゴリー-童話パロ


ひどく寒いクリスマスの夜でした。街はカップルで賑わい、クリスマス用の
イルミネーションが美しく輝いている街中を一人の少女が歩いていました。
少女は手に同人誌を一たば持っており、同人誌を売ろうと日がな一日歩き回
りましたが誰も少女から同人誌を買いませんでした。やがて、街はすっかり暗
くなり、人通りも絶え、雪がちらほらと降り始めました。
ひらひらと舞い降りる雪が少女の筆頭を覆います。少女の髪は頭の真ん中で
くくられ筆のように立っています。同人誌はまったく売れていません。少女は道の
一角に座って小さくなりました。引き寄せた少女の小さな足は体にぴったりくっつ
きましたが、少女の体はどんどん冷えていきました。少女の頬も、むきだしになっ
た小さな両手も冷たさのためにかじかんで真っ赤に染まっています。寒さから体
もガタガタと震えています。あまりの寒さに耐え切れず、少女は身体を暖めようと
マッチを取り出し、1冊の同人誌に火をつけました。
≪ボッ!≫ 何という輝きでしょう。何とよく燃えることでしょう。小さな少女には、
まるで大きな鉄のストーブの前に座っているようでした。すると不思議なことに燃
える同人誌の中から笹原さんと斑目さんが出てきました。笹原さんは斑目さんの
ネクタイを絞めながら関係を迫っています。
「何ですか このネクタイは?ボクを置いて卒業しようとでも?」
「あ・・・こ・・・これは・・・。」
そうです。少女が同人誌の中に描いてあった状況が目の前でリアルに再現されて
いるのです。
「お仕置き・・・ですよ。」
笹原は微笑みを浮かべながら斑目を縛り上げ、Yシャツのボタンをはずし始めました。

(おー。がんばれー笹原さーん。)
少女は心の中で笹原を応援しながらその光景を目を凝らして観察していました。
やがて斑目は全裸にされ、笹原の攻めも佳境に入ってきました。
「あ・・・ああっ。」
笹原の攻めに斑目の顔が歪みます。
しかし・・・斑目がもう少しでクライマックスに達しかけたその瞬間、炎は消え、同時に
二人も消えうせ、そこには燃え尽きた同人誌だけが残っていました。
「うーん。眼鏡君受けが基本の私としてはメガネくんが最後までイってくれんことには
納得いがね・・・。」
そういうと、少女は心ひそかに期待して、もう一冊、同人誌を燃やしました。同人誌
は明るく燃え、その明かりが壁にあたったところから高坂(魔王)が出てきました。
魔王は田中・笹原・久我山と次から次へと手をつけていきます。そして、いよいよ
斑目に手をつけ、斑目がもう少しでイってしまいそうになった時――同人誌が燃え
尽き、厚く、冷たく、じめじめした壁だけが残りました。
「なんでメガネくんがイク寸前で燃え尽きるんだー納得いかねー!!」
少女はプンプン怒りましたが、消えてしまったものは仕方ありません。
少女はその後も次から次へと同人誌を燃やしていきました。そのたびにくじアンの
千尋x麦男とかハレガンとか スクラムダンクとか最後は高柳まで出てきましたが、
少女の希望する“.メガネくんがイク”という設定までいくことなく同人誌が燃え尽きて
しまいます。
少女はプンプン怒っていますが、遂に同人誌は最後の1冊になりました。
「今度こそ・・・。」

少女が最後の1冊に火をつけると燃え盛る炎が再びあたりを照らしました。そして、
その光輝の中に笹原が一人で立っていました。笹原はとても明るく光を放ち、とても
柔和で、愛にあふれた表情をしていました。 そしてゆっくりと両手を広げて少女を
抱き寄せようとしました。
「笹原さん!」と小さな子は大きな声をあげました。「お願い、わたしを連れてって!
同人誌が燃えつきたら、笹原さんも消えてしまう。もう一人は嫌なの!!寒いのも
嫌なの!!」
すると同人誌はとてもまばゆい光を放ち、昼の光よりも明るくなりました。このとき
ほど笹原が美しく、大きく見えたことはありません。笹原は、少女をその腕の中に
抱きしめました。二人は、輝く光と喜びに包まれて、高く、とても高く飛び、やがて、
もはや寒くもなく、空腹もなく、心配もないところへーーーーー


「千佳ちゃん?」
ふと少女を呼ぶ声が聞こえたので、目を覚ますと笹原の顔がすぐ横にありました。
「眼鏡かけたまま寝ちゃったんだね・・・。」
「えっ・・・」
少女は思い出しました。そう。昨日の晩、笹原さんに
「眼鏡をかけたままイク千佳ちゃんの顔が見たい」
といわれ、嫌々いいながらも眼鏡をかけたまましたことを・・・。
そして、イってしまったことを。
少女の顔は真っ赤になりましたが、それはもう寒さのためではありませんでした。
恥ずかしそうに笹原の胸に顔を押し当てながら少女は思いました。
(もう、わだし一人じゃねえんだ・・・)
窓の外では雪がちらほらと降っていました。
笹原と荻上がつきあって2年目のクリスマス・イブの夜の出来事でした。

どっとはらい。