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巫女神楽 【投稿日 2005/12/07】

カテゴリー-笹荻


管理人注:これは「笹荻の帰郷」のサイドストーリーとなります。
そちらを読まれてからのほうが楽しめると思いますよ。

昼近くになった頃、伯父が荻上を呼び止めた。

伯父「お疲れさん、そろそろ交代のバイトが来るはずだからお昼にしなさい」
荻「ええ、わかりました」
伯父「どうだね、千佳、久しぶりにわしに巫女神楽見せてくれんかね?」
荻「えっ、久しぶりだし、自信無いから、嫌です!」
笹「えっ、荻上さん、巫女神楽って舞でしょ!踊れるんだ!すごい!」
荻「むっ昔少し教えてもらっただけです!」
伯父「ケホケホ、めったに帰ってこんのじゃろ?老い先短いわしに酷い仕打
ちじゃの、この先、いつお前の姿を見れるか・・・頼むよ、千佳・・・」
荻「ええ・・・伯父さんがそこまで言うなら・・・」

渋々と荻上は社務所の稽古場ひかえに向かった。

笹「お加減、悪いんですか?」
伯父「いや、全然」
笹「(汗)・・・」
伯父「全然、変わっとらんな!あの調子じゃ、東京でも巧い事丸め込まれて、
高い物買わされたり、騙くらかされてんじゃないのか?」
笹「(汗・・・図星です・・・)」
伯父「そんなことだから・・・ああいや・・・もう知っとるか?」
笹「・・・ええ」
伯父「まあ・・・ゴタゴタあって、親も心配してな、わしが勧めたんじゃ、
 神楽舞を。ほれ、出てきた。演目は『三姫舞』の『多紀理姫命(たぎりひ
めのみこと)』正式な装束とは違うがな」

三人の巫女の中に荻上がいた。正式には天冠に直垂を着るが、今回は手に榊
(さかき)と鈴を持つだけの簡単なものだった。荻上はゆっくりとした動作
で舞い始めた。最初はぎこちなかったが、しだいに体が覚えていたらしく、
柔らかに舞始めた。

笹「綺麗ですね、でもこんな特技があるなんて初めて聞きました。」
伯父「少しの間だけだったしな。それに勧めたのもわしだが、止めさせたの
もわしなんだ」
笹「えっそれは何故・・・」
伯父「あまり熱心に習いすぎて、見てて痛々しすぎたからな。舞は心を表す。
 結局、あの事件は大事になって、関係者は逃げる、知らぬ存ぜぬ、心無い 
 輩は陰口をたたく。謝る相手もどこかに消えた。誰を責めていいかも分か
らない。」
笹「・・・・」
伯父「そんな中で、誰を責めるでなくあの子は学校に通いつづけた。それこ
そ、休まずにな。自業自得とは言え、登校拒否してもおかしくなかったか
ったのにな。意地もあったのかもしれんが、人の心はそんなに強いもんで
はない。とても神様に捧げる舞とは言えん」
笹「でも今の舞はそんなふうには見えません」
伯父「それはあんたに捧げる舞だからじゃよ。本来神楽は『生の悦び』を神
に捧げるもんだ!見なさい!あのしなやかに伸びきった手も!足も!
あんたに捧げられたもんだ!」

荻上の舞は伯父の言うとおり次第に艶やかさを増していった。
おしろいを薄くぬった透明な白い顔にひかれた口紅が、煌々(こうこう)と
輝く。
楽曲の鳴り響く中、なめらかに舞おどり、その動きに合わせて白衣が波打つ。
肩までおろした黒髪がなびく。
足の運びに合わせて紅い袴がゆらめく。
榊の葉がさらさらと音を立てる。
金色の鈴の音がシャン!シャンと単調なリズムを繰り返す。

漆黒の漆(うるし)のような荻上の大きな瞳が笹原を見つめる。
なめらかな舞の動きの中にあって、その瞳はけっして笹原から離れない。
笹原はその瞳と官能の美しさに激しい動悸(どうき)に襲われる。心臓の鼓
動がドキドキと音を立てる。

やがて、舞の動きは止まり、寒い稽古場の中で、荻上は白い息をふーと吐き、
荻上の薄く透明な白い肌は次第に紅色に上気していく・・・。

笹「・・・素晴らしかった!」
荻「馬鹿ですね・・・」

荻上を含めた三人の巫女が控え室に戻って行くと伯父が再び笹原に話し掛
けた。

伯父「ところで同人誌ってそんなにエロイのかね。今度わしにも見せてくれ」
笹「いや、趣味に合うか分かりませんが・・・(ホントに神職か?)」
伯父「趣味と言えばヤオイってのも分からんな。感受性と想像力が強いのは
うちの家系かの。親父はカタブツなのに・・・」
笹「(あとエロイのも間違いなく・・・)」
伯父「なのに何であんなに胸が小さいんだろな、うち多産系なのに。笹原君、まだ間に合う!!君の努力があれば!!」
笹「へっ?いや、それは・・・、はっ!背後に殺気を感じるんですが・・・」
伯父「わしも今それを感じた・・・。」
荻「・・・・・・・・・」