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30人いる! 【投稿日 2007/07/16】

・・・いる!シリーズ


西暦2006年、一時は存亡の危機に立たされた荻上新会長政権下の椎応大学現代視覚文化研究会は、11人もの新入会員を迎え見事に復活した。
会員激増に伴なう部室の移転、親睦を図る為の海水浴、そして夏コミでの同人誌販売に3日間日替わりのコスプレと、数々のイベントを消化しつつ進み続ける新生現視研。
現在の次なる攻撃目標は学祭だ。
スーがクルルのコスを希望したことから始まって、話はケロロ小隊コス、そして夏コミで使ったベムとアルの着ぐるみコスも交えた「ウルトラファイト」風映画制作へと発展。
果たして現視研の映画制作は成功するのか?
どうなる現視研!
どうする荻上会長!
現視研の明後日はどっちだ!

主なオリジナル設定
  • 荻上会長政権下での新1年生は11人で、さらに秋からはスーとアンジェラも加わります
  • 部室はサークル棟屋上にプレハブ小屋を建てて移転しました
  • 荻上会長は、秋から「月刊デイアフター」で連載を開始します
  • 笹原は3人の漫画家の担当を兼任しています。
(厳密に言うと、上の2人にはメインの担当が居て、笹原はそのアシスタント的存在)
A先生 実話系雑誌でヤクザ漫画を描いている、元裏社会の住人(と言われている)
    秋からヤオイ同人誌をシノギにするテキヤを描いた漫画を連載開始
B先生 分かる人にしか分からないギャグ漫画を描いてる中堅漫画家
    メンヘル気味で時々自殺を図る
C先生 椎応の現役の学生で漫研の会員
    その為笹原、部室にもよく顔出します
  • 斑目は原作(厳密には「くじアン」の単行本のおまけ巻末漫画)では会社辞めましたが、すぐに社長に連れ戻されました
 (この辺の経緯は「帰ってきた斑目」参照)
  • 斑目は4月から外回りの仕事も手伝うようになったので、昼休み以外の時間にも部室に来ます 
  • 斑目は1年生たち(主に女子)からシゲさんと呼ばれています
(パトレイバーのシゲさんと共通点が多いから)

  • クッチーは去年の秋頃から空手を習っていて、黒帯の腕前です
  • クッチーは児文研と掛け持ちしており、児文研会長を「お師匠様」として崇めています
 (この辺の経緯は、「あやしい2人」とリレー企画参照)
  • クッチーは女性に殴られると3倍にパワーアップします
  • 春日部さんのお店は、開店が夏まで遅れました
  • スーが日本語で喋る時の口調は「押忍、~であります!」が基本です
  • スーは荻上会長のことを「センセイ荻上」と呼びます
  • スーは漫画やアニメやゲームばかりでなく、何故か特撮や映画にも詳しいです
  • アンジェラが日本語で喋る時の口調は「~あるよ」「~あるね」という中国人風です
  • アンジェラも何故か映画には詳しいです
 ただしハリウッド系のみで、これに対しスーは日本の映画にも何故か詳しいです
  • 藪崎さんは、夏コミで斑目に一目惚れしました
  • 加藤さんは、夏コミで斑目に前髪開けられた為に、意識するようになりました
  • 加藤さんは、空手か何かやってる様子です
 (チョップ1発で藪崎さん気絶させたり、500円玉を指で曲げたりします)
  • 藪崎さんの後輩の猫顔の女の子は、本シリーズではニャー子と呼称します
  • ニャー子は夏コミの頃から1年生の伊藤と付き合い始めました


「グラップラー刃牙」の最強トーナメント選手入場風 新1年生紹介

生後3ヶ月で初めてコミフェスに参加して以来、毎年夏冬連続参加で参加回数は現視研一。
父も母も兄もオタクのオタク一家の一人娘、神田美智子だ!
「コピー機って、どこのご家庭でも1人1台が普通じゃないんですか?」
普通じゃありません!

アニメや漫画は白帯だが、特撮ならば黒帯だ。
現視研コスプレ部門に着ぐるみの新風を吹き込んだ特撮娘、国松千里だ!
「将来の夢は、ウルトラマン誕生50周年記念作品の監督です!」
一見ロリ顔ロリ体型で可愛いが、キレると現視研一怖いぞ。

顔も体も太いが、作風は王子様とお姫様の乙女チックな古典的少女漫画。
その一方で腐女子四人組、通称腐女子四天王のリーダー格、豪田蛇衣子だ!
「趣味は荻様(四天王の荻上会長の呼び方)をハグすることで~す!」
ちなみにペンネームは、クリスチーヌ豪田だ。

美人で巨乳だが、夏みかんをも握り潰す現視研の握力王。
元ソフトボール部の体育会系腐女子、巴マリアだ!
「特技はキャッチャーフライのノックです」
これ、案外難しいんです。

SSやラノベが得意な、ショートカットで色白の文芸腐女子。
絵は初心者レベルだが、ストーリーテリングなら任せろ、沢田彩だ!
「将来はラノベ作家になりたいです」
弱点は夏の太陽光線だ(まるでドラキュラですな)。

腐女子属性は四天王一の参謀格。
銭勘定の細かい会計担当にして、スレンダーなメガネっ子、台場晴海だ!
「私は細かくありません!先代(大野さん)がどんぶり勘定過ぎただけです!」
激しく同意…

元野球少年の初心者オタにして、身長185センチの肉体派。
今や現視研コスプレ部門の要、作るも着るも自由自在、日垣剛だ!
「ちなみに元投手ですが、さすがに9分割は無理っす」
いや、普通みんな出来ませんから…

漫研出身だが、漫画描くより演説の方が好きな、細面のメガネ君。
司会進行議長は任せろ、有吉一郎だ!
「ちゃんと漫画も描けるからね」
でも夏コミの同人誌では、事実上の編集長だ。

文芸部出身の脚本家志望。
顔も動作も猫そのもの、伊藤勝典だ!
「喋り方も猫ですニャー」
いや猫、喋りませんから…

裏方仕事なら俺たちに任せろ!
写真部出身のメガネ君とリーゼントの2人組、浅田寿克&岸野有洋だ!
「何で俺たちだけ2人ワンセットなんだ!?」
そこは流せ。



プロローグ 笹原恵子の憂鬱

『何であたしはここに居る?』
恵子は心の中で自問自答した。
今日これで何度目になるか、もはや本人にも分からないほど繰り返してきた自問自答を。
彼女の眼前のテレビでは、DVDが再生されていた。
初めてそれを見た時、恵子はDVDプレイヤーかテレビが故障してるのかと思った。
画面が白黒だったからだ。
だがよく考えてみれば、半世紀以上も前の映画なのだから無理も無い。
今画面の中では、波穏やかな洋上を船が進んでいた。
その甲板では、船員たちが集まって休憩している。
ある者はギターを弾き、ある者はハーモニカを吹いている、のどかなシーンだ。
だが次の瞬間、船は光に包まれて炎上し、沈没する…
その先の展開が、恵子には手に取るように分かった。
当たり前だ。
何しろ今日この映画を見るのは、これでもう7回目だ。

さすがに飽きてきた恵子、ちょっとだけ画面から目を離し、今居る部屋を見渡した。
彼女が居る部屋、そこはまぎれも無くオタルームであった。
大量の本が本棚を満杯にし、入り切らない分は山積みになっている。
DVDプレイヤーとビデオデッキとレーザーディスクプレイヤーが繋がれたテレビの横には、大量のビデオテープが積まれている。
他のテープはラックや棚の類いに収納してては間に合わないらしく、横腹にタイトルの書かれた段ボール箱に収納されて積まれている。
その段ボール箱の数は、軽く1ダースを超えていた。

恵子は兄の笹原の部屋以外にも、何人かの現視研会員の部屋に行ったことがある。
春日部さんの部屋を除いて、物の多寡や散らかり方には個人差はあるものの、どこもこんなものだった。
ただひとつ大きな違いがあった。
他の会員たちの部屋にある物の大半が、漫画やアニメやゲームに関する物なのに対し、この部屋ではそれらは全体の3割にも満たない。
そして残りの7割強は、特撮関連の物で占められていた。
本は特撮の資料やシナリオやムック、それに俳優や監督や脚本家の著書等だ。
ビデオ類はもちろん、特撮の映画やテレビドラマだ。
本棚の上には、怪獣の人形(軟らかい塩化ビニール製なのでソフビ人形と呼ばれる)が並んでいる。
天井からは、テグスで飛行機等(もちろん特撮ドラマに出てくる架空のメカだ)の模型が吊られている。
全長20~30センチぐらいのものが多いが、中には全長1メートルを超えるものもある。
地震が起きたら危なそうだ。
それを警戒してか、単に部屋の主の趣味なのか、部屋のあちこちにヘルメット(いろんな特撮作品に出てくる、地球防衛チームの隊員用だそうだ)が置かれている。
壁には古い特撮映画のポスターが貼られている。
その殆どが昭和30~40年代の作品だ。
本物かレプリカかは分からないが、かなり退色している。
ポスターを収集するオタクには、退色することを恐れて仕舞ったままにしておく人が多い。
だがこの部屋の主は「あるからには貼らなきゃ損」という考え方なのか、退色するのが自然の姿と考えてるのか、単に見せたがりなのか、堂々と貼っている。

『女の部屋には見えねえ…』
それがこの部屋に来た時の、恵子の第一印象だった。
洋服ダンスやテーブルなどの家具、それにベッドに敷かれた布団やカーテン等は地味でシンプルだった。
色彩も黒や白や茶色が中心で、女の子っぽい赤やピンクなどは見当たらない。
しかもこの部屋の主は、今自分が着る分以外の衣類は全部仕舞いこんでいる上に、使わないので化粧の類も無く、とても年頃の女の子が住んでるようには見えなかった。

「恵子先輩、ラーメン出来ましたよ」
部屋の主、国松千里が夜食を持ってきた。
何しろ夕方から見始めたので、もう夜中になっていた。
「あんがと」
食い物に対しては素直に感謝する恵子だった。
「押忍!ありがとうございます!」
「ありがとうさんあるね!」
恵子の隣で先ほどから一緒に見ていた、スーとアンジェラもお礼を言った。
国松も座り、4人でラーメンを食べながら再び映画を見始めた。
「田辺サン、私ハ見タ!確カニじゅら紀ノ生物ダ!」
黒澤映画の常連俳優、志村喬の台詞に合わせてスーが叫んだ。
『何でこんなことになったんだ…』
恵子はテレビを見つつ、ここまでの経緯について長い長い回想を始めた。


次回予告

果たして恵子の身に何が起きたのか?
何故7回も同じ映画を見ていたのか?
4人が見ていた映画とは何なのか?
次回、真相が明らかになる!
(かも知れない)