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アフターストーリー『リツコ・レポート』【地球編2】 【投稿日 2007/01/14】

第801小隊シリーズ


クチキと田中の結婚式でまた会うことを確認し分かれ、
トラックに戻り仮眠を取るマダラメ。
その間にもトラックは進んでいった。
マダラメが目を覚ますと、懐かしの基地の近くであった。
「おぉ~、演習場じゃないかぁ・・・。」
「ああ、ここ覚えてるなぁ。」
マダラメの声に、ケーコも同じように声を上げる。
「懐かしの実家に戻る感覚ってこういうのなのかね~。」
「あれ?隊長さん実家は?」
「・・・戦争でなくなっちまったよ。親は一応生きてるけどな。」
そういって苦笑い。
「ああ・・・まぁ・・・みんなそんなもんだよね・・・。」
「そういえば妹さんもそうだったな。」
「うん。でも、なんかその気持ちよく分かるよ。実家に戻ってきたようなって。」
トラックは基地の前に停車した。
「ほっほ~、結構普通に残ってるもんだなぁ。」
「ま、まぁ、基地だしな、こんなボロでも。」
クガヤマも嬉しそうに話す。
「で?ここで目撃されたって?」
「うん。さっきの村でも情報集めてみたんだけど、
 ここに人気があるって言うのは本当みたい。」
「・・・たしかにな。」
「え?」
「見ろよ、あそこ・・・洗濯物がある。」
見ると、確かに洗濯台にいくつかの服が掛かっている。
小さい・・・子供のものばかりのようだが・・・。
「ええ~、じゃあ本当に誰かいるの?」
「ササハラとオギウエさんかもしれんじゃないか・・・。」
少しおびえるように言うケーコに、マダラメはそういう。
「お、おい、あれササハラのジムじゃないのか?」
クガヤマは密林のほうに見えるMSの残骸を指差す。
「ちょ、直接は見てないから知らないけど・・・。
 た、タナカに見せられた資料ではこれだった気がするな・・・。」
「ビンゴだ、クガヤマ。ということは・・・。」
中に二人がいる可能性が出てきた。
(しかし・・・結構な数がいるな・・・。10?10はいない・・・けど近い数いるな。)
気配でなんとなく人数を把握するマダラメ。
二人だけならそうなるはずがない。
「まぁ・・・ここは思い切っていくか・・・。」
「そうね。悪意は感じないわ。」
「え~、本気で行くの・・・。」
「・・・それしか情報を得る方法はなさそうですね。」
「ま、まぁ、し、しょうがない。い、いくか。」
「ダッカンサクセンカイシ!」
マダラメを先頭に、入り口へと進む一行。
マダラメが扉を開けた瞬間。
ゴワ~~~~~~~ン
鈍い金属の音が響いた。
「いってええええええええええええ!!」
「な、な、なんだおまえら!お、お、おれらをどうしようってんだ!」
一人のメガネをかけた少年が、震えながらタンカをきる。
「それはこっちの台詞だ!!ここが軍隊の基地だってことぐらいわかんだろ!」
 急に殴られた痛みで、キレ気味に相手の子供の首根っこを押さえる。
「うるさいやい!
 今まで使ってなかった基地に戻ってきて家奪おうったってそうはいかねぞぅ!」
じたばた暴れる少年に、マダラメは少し溜息をついて。
「・・・いや、別にそういうわけじゃねえんだが・・・。」
「え?」
その瞬間。
カコーーーーーーーーーーーーーーン
遠くから硬い金属のフライ返しが飛んできて、マダラメの顔に直撃した。
「いってえええ!」
「ハルノブをはなせ!」
活発そうな少女が、遠くでエプロン姿に赤ん坊を背負った姿で立っていた。
「あ~・・・、ちょっとおちつけおまえら!」
少し大きな声で怒鳴ってしまったマダラメ。
その声に二人の子供はびくっとして、動きを止めた。
「まぁなんだ・・・。話聞くぞ?」

「ほう、君らは戦災孤児か・・・。」
「ここから少し南の方にある村でみんな暮らしてたんだ。
 親はみんな戦争で死んだ。
 俺たち・・・名前も覚えてないような状態でここに来たんだ。」
「戦争終結寸前か・・・。皇国軍の残党が荒らしたんだな・・・。」
苦い顔でリーダーらしきメガネ少年の話を聞くマダラメ。
食堂に案内された・・・とは言っても場所は知っているのだが
そこで集まってきたのは子供だけであった。
「そしたら・・・。ちょっとしてパパとママが来たんだ。」
「パパ?ママ?」
「あ、あのね、二人はなんか宇宙から降って来たらしくて、
 怪我してたんだ。基地の前にママがパパを抱えて歩いてきたんだ。」
「そうそう、皆でママと一緒にパパの看病したの。」
メガネ君の隣にいた先ほどのエプロン少女が話を続ける。
「で、みんなに名前くれたの。
 こいつはハルノブ。私はサキ。」
ここまで聞いてすべてを把握したマダラメ。
二人はこの近辺に落下し、
怪我を負ったササハラをオギウエが何とかここまで運んだあと、
この子供らと生活したということだ。そして、彼らに小隊員の名前をあげた。
「・・・そうか。俺たちはそのパパとママの知り合いなんだが・・・。」
「・・・やばい!ハルノブ!カンジとチカの状態が!」
そういって一人の少年が飛び出してきた。
「え!ソウイチ、それ本当!?」
「やばいんだ!来てくれ!」
その話を聞いてマダラメ達も思わず席を立つ。
「まさか・・・二人が・・・。」
「私達も行ってみましょう。」
リツコに促され、一行は少年たちと共に医務室へと向う。
しかしそこで熱にうなされ眠っていたのは年端も行かない少年と少女であった。
横には髪の長い少女が心配そうに二人の様子を見守っていた。
子供はサキちゃんの背中の二歳児も入れると全部で11人。
「・・・ああ、そういうことか・・・。」
思えば彼らは二人のことを「パパ」「ママ」と呼んでいた。
「ですが、この子達の病状が危険なのも確かです!」
「こ、こいつは・・・。は、肺炎だな・・・。」
クガヤマが病状を見てそういうと、外に出ていった。
「クガピーなにしにいったの?」
「おそらく抗生物質をとりにいったんだ。
 オーノさんのコネで、行きがけに数個持たされていたからね。」

戻ってきたクガヤマの手で、抗生物質が投与された。
「あ、あとは、ち、ちゃんと栄養とっておけば大丈夫だ。」
「・・・よかった・・・。」
泣きそうだった少年たちは、ようやく落ち着きを取り戻した。
「・・・で・・・聞きたいんだが・・・。」
「え?」
「お前たちのパパとママはどこへ行ったんだ?」
その言葉に、皆静まり返る。
「?どうした・・・?」
「あのね、帰ってこないんだ。」
「帰ってこない?」
ハルノブ達は再び泣きそうな顔になって言う。
「・・・一週間くらい前だったんだけど、
 二人は食料を探すっていって出て行ったんだ。でも・・・。」
嗚咽を漏らすハルノブに、マダラメは渇を入れる。
「おい!お前ここのリーダーなんだろ!?しゃきっとしてなきゃ駄目じゃないか!」
「・・・!そ、そうだよね!うん・・・でも、それきり帰ってこなくて・・・。
 食べ物もなくなりそうで、ぼくたちどうしたらいいか分からなくなって・・・。」
「・・・わかりました。ハルノブ君?」
「は、はい。」
リツコが、そこまで聞いて声を出した。神妙に返事をするハルノブに、
「皆で軍の施設に行くようになさい。私のほうから取り計らいます。」
「・・・で、でも・・・軍隊は・・・嫌いだ・・・。」
「・・・あなた達を助けてくれた二人も、軍人ですよ?」
「・・・知ってる。でも二人はちがかったんだ・・・。」
「このまま、ここでみんなを危険に晒したままにするつもり?
 リーダーなら、しっかり判断しなきゃ。みんな、あなたを頼りにしてるんだから。」
ハルノブは、自分に皆の視線が集まっているのに気付いた。
その視線は、皆彼を信用して判断を仰いでいるようだった。
「・・・・・・みんな、助かるんだよね、そうすれば・・・。」
「うん。みんな、一緒に助かる。」
「・・・わかった。でも・・・。」
「ん?」
「パパとママにまた会いたい・・・。」
「会わせてあげる。私達が必ず。」
そういいきるリツコを端で見ていた斑目は、その強い言葉に感心していた。
「一晩、ここで過ごしましょう。ここなら通信が生きてますから、
 すぐに輸送艦を呼べるでしょう。明日にはつきます。」
「おいおい、輸送艦使うのか?ちょっとなぁ・・・。」
マダラメがリツコの提案に反論した。
大きな輸送機は目立つので、
何かあったかとゲリラに目をつけられる可能性があるからだ。
「でも、この子達をここに放置するわけには行きませんでしょう?」
「・・・わかった。判断は任せるよ。」
「ありがとうございます。」
そういってリツコは、通信機のあるほうへと向った。
「・・・場所も分かってるのか。
 システムの中にいたとはいえ自由に中を見てたんだな。」

その晩。皆でそれなりの、しかし子供たちとの楽しい夕食を終えたマダラメは、
彼らが眠りにつく中、外に出て密林を眺め、昔を思い出していた。
「懐かしいな。ああ、もう二年もたつのか・・・。」
タナカから箱ごともらった煙草をふかし、空の星を見上げる。
「ササハラぁ、お前どこにいんのよ?」
そういっても始まらないことはわかっていた。
あと残る情報は少年たちの言う
『食料をとりに北のほうへ向った』という情報のみである。
「・・・死んで・・・いかんいかん・・・。」
自分の悪い予感はすぐ当たる。わかっているんだ。
「眠れないのですか?」
リツコが、基地の中から出てくる。
「ん?いやね・・・。今後どうしようかなって・・・。」
「北へ行くんでしょう?」
「そりゃそうなんだが・・・。ま、不安でしてね。」
「・・・私もです。」
その言葉に、マダラメは驚く。
「・・・おかしいですか?」
「おかしいっていうか・・・。さっきあんなに毅然としたこと言ってましたから。」
「まぁ・・・自分に言い聞かせてる部分もあるんですよ。」
そういって笑うリツコに、マダラメも笑う。
「ああ・・・そういうのはあるなぁ・・・。」
「そうなんですか?」
「いやね、俺部隊で出るときは『絶対に死ぬな!生きて帰るぞっ!』
 って言ってたけど・・・。これ、結局は自分に言ってるんですよ。」
「・・・大変ですよね。」
「ああ・・・そうか、あなたもあの部隊ではリーダーを・・・。」
そういわれて、リツコは少し微笑むと、うつむいて言った。
「一応、ですね。みんな最初の頃は新兵同様で・・・。
 片腕の部下はかなりの凄腕なんですけどね、戦争は一人でやるものじゃないから・・・。」
「ああ、わかりますよ。」
「中には、私の幼馴染もいたんですよ。しかも二人も。
 彼らを戦場に送るのは・・・。とても気苦しかったです。」
      • そうか。この人が気を張っている理由がマダラメにはわかる。
戦場へ部下を送り出す恐怖。
それを、この人も知っているからだ。自分と・・・似ているのだ。
「それでも、私がブレたらもっとおかしな事になる・・・。
 必死でしたよ。」
顔を空に向け、星を仰ぐリツコ。
「あの事故のあと・・・。私無しに部隊は問題なく回っていました。
 元に戻ったあと、皆にあうのが怖かった。」
「・・・それは何故?」
答えはわかっていた。しかし、あえて聞くしかないと思った。
「・・・必要ないといわれるのが嫌だったんでしょうね。
 思えば情けないことです。でも・・・みんな笑顔で私を迎えてくれました。」
「そりゃそうでしょう・・・。」
「・・・それでも・・・疎外感は出てしまうんです。
 見ない間に成長した皆。戦場をいくつか知らない私。
 ・・・だから・・・逃げてきたんです。」
「・・・。」
わかる。何故そう思うのかわかりすぎてしまう。
「マダラメ隊長?」
「はい?」
「わたしは・・・どうすればいいんでしょうか・・・。」
「そうですなぁ・・・。」
言いつつ、煙草を捨て、足で消す。
「とりあえずは・・・。」
「とりあえずは・・・?」
「二人に会いに行きましょうや。それから何かわかるかもしれないしね。」
そういって、笑うマダラメに、リツコも笑う。
「そうですね・・・。そうですよね・・・。」
空には満天の星空。星が、二人を優しく包み込んでくれるようだった。

「あら、お久しぶりね。マダラメ中尉?」
「あはは・・・。妙なところでお会いしますなぁ・・・。」
朝、艦船に乗って来たのは、クチキの元上司。あの『隊長殿』である。
「私今は彼女直属の部隊でしてね。あの子達のことは任せてくださいまし。」
「はい・・・。よろしくお願いします。」
トラックの駆動音が響く。
「お、おいそろそろ行くぞ。」
「あ、ああ・・・。」
艦船に乗り込んでいく子供たち。マダラメはハルノブを見つけて声を掛けた。
「おう。」
「あ。あの・・・。」
「ん?」
「ごめんなさい。ぶったりして・・・。」
「あ、ああ、あれか。なに、お前も責任感から来てやったんだろ?
 気にしてないさ。」
「・・・うん。」
「・・・あー、あのな。」
「はい?」
「みんなお前の心配をすると思う。
 でもな、みんなそれはお前を頼りにしてるからだからな。」
思いっきり受け売りの言葉でハルノブを励ますマダラメ。
「ま、頑張れ。」
「・・・うん!」
元気よく返事すると仲間のいる方へ駆け出すハルノブ。
「いい子に育てよ~。俺のようにはなるなよな~。」
「え~、いいじゃない、隊長さんのようになるの。」
「そうよ、あなた少し自分を卑下しすぎ。」
「キミハシンジツヲミテイナイノダ。」
「・・・十分素敵ですよ?隊長さん。」
「・・・ははは。」
一斉に女性陣に突っ込みを入れられ、乾いた笑いを出すしかないマダラメ。
「ま~、あともうちょっとかね、頑張りましょうか。」
そういって、マダラメはトラックの助手席に座った。

「やれやれ~、あいつらはどこにいるのかね~。」
そういいつつ、周囲に気を配るマダラメ。
話によると、部隊で使ってジープで移動してたとのことだ。
おそらく、どこかで事故に・・・。
「お、おい・・・あの崖・・・気にならないか・・・。」
「ん?おお・・・確かに・・・。」
トラックを止め、マダラメは一人崖の方へと近付く。
「ん・・・?あのジープ・・・。」
崖下には見覚えがあるジープが一台あった。
しかし、事故の様子はない。
「んー?まぁ一旦崖下に・・・。・・・!」
そう考えた瞬間であった。
トラックの周りをザクが取り囲む。
「ちぃ・・・。やはり感づかれたか・・・。」
艦船の位置からトラックが移動していたのを確認していたのだろう。
走ってトラックの方へと移動する。
『そこのトラック。積荷と乗員を全て晒せ。』
外部マイクから声が響く。
その間に、マダラメはトラックに戻ることに成功した。
「おい、クガヤマ、後のMS出すぞ!」
「だ、だけどよ、集中砲火食らったらトラックが・・・。」
「く・・・確かに・・・。」
奥歯をかみ締め、どうするか考えをめぐらすマダラメ。
「・・・私が囮になります。」
「リツコさん!?」
「彼らも、私の顔ぐらい知っているでしょう。
 私が出て、彼らが多少ひるんでいる隙に・・・。」
「・・・しかし・・・。」
「このまま皆が死ぬよりいいでしょう?」
「・・・わかりました・・・。」
マダラメはその案をしぶしぶ了承する。
「みんな・・・よく聞け・・・所詮は旧式のザクだ。
 こうするから・・・。」
『はやくしろ!あと十秒以内に・・・。』
ザクからそう言葉が出た瞬間である。トラックからリツコが出てきた。
「・・・私の顔ぐらい知っているだろう!?さらいたければさらうがいい!」
『・・・なんだと!リツコ・キューベル・ケッテンクラート!?』
明らかな動揺が彼らを包んだその瞬間である。
トラックの後部積載から、ジムⅡとよばれるその機体が飛び出した。
コクピットは開いたまま。瞬間、トラックは全速力でダッシュ。
一斉射撃が遅れた隙に、マダラメ操るMSが、リツコを拾い、コクピットに入れる。
「はは、うまくいきましたな!」
「あとはこいつらを!」
「わかっていますよ!」
リツコをお姫様だっこのような形で抱えたまま、
マダラメはビームサーベルで前方のザクの四肢を切断した。
振動が響き、司令官らしきザクは沈黙する。
後にいた残り二機のザクは、ジムへとマシンガンを放つが、通用しない。
「お前ら・・・、そんな昔の武器が最新兵器に通用すると思ってンのかよ・・・。」
すぐさま接近し、同様にカタをつける。
「ふぅ・・・。」
「お疲れ様でした。」
「いえいえ、これもあなたのおかげですよ。
 かっこよかったですよ、先ほどのタンカ。」
「え・・・。あは、昔取った杵柄って奴ですね。」
そういって顔を赤らめるリツコは、本当にかわいいと、マダラメは思った。

トラックが戻ってきた後。
ザクに載っていた奴らを縛り、先ほどの艦船に回収を依頼する。
基地に残っていた移動式通信機を持ってきた甲斐があったものだ。
「さて・・・俺らは崖下へ行ってみますか。」
マダラメの誘導のもと、道を見つけて崖下へトラックは移動する。
「・・・やっぱりこれだ。」
トラックから降りたマダラメは、ジープを眺めて言った。
「んー・・・。お?」
近くを流れる川の向こうに、掘っ立て小屋のような・・・。
おそらく、中継用の保管庫だろう、それがあった。
「もしかして・・・。」
トラックを待たせ、一人、そちらへ行くマダラメ。
「・・・はは。中に・・・。」
(死体とか。わ、洒落になってねぇ。馬鹿か俺は・・・。)
嫌な予感はよく当たる。
そんなことはないはずだと、思いきり扉を開けてみる。
「わ!」
「「わ!」」
驚きの声が響いた。
目の前には、下半身下着だけのササハラが・・・。
「お前ら何してんじゃああああああああああああああああ!!」
マダラメの声が、成層圏も突き抜けて、木星まで響いたような気がした。
「ちょ、誤解しないで下さいよ!足をですね・・・。」
ササハラが慌てて弁明しようとして、はっとした顔をする。
「隊長・・・。」
「足・・・?ああ・・・。これが落ちた時にした怪我って奴か。」
ササハラの片足は、包帯でグルグル巻きにされており、
もはや、健常ではないことがわかる。
それを、直そうとしていたのだろう。
「なんでここに・・・。」
「そりゃこっちの台詞だわな。連絡とる方法ぐらいあっただろうに。」
「あの子達が・・・ていってもわからないですよね。」
「いや、会ったぞ。勝手に名前使いやがって。
 しかも自分の名前の奴にフライパンで殴られたわ。」
そういって笑うマダラメ。
「じゃ、じゃああの子達は大丈夫なんですね!?」
ササハラの隣にいたオギウエが、心配そうに聞く。
「ああ。ちょっとやばい子もいたけどな。
 ちょっとツテつかって軍に頼んだよ。」
「・・・あの子達がよくうんといいましたね。」
「まぁ、色々あってな。っと、お前らは何で?」
「燃料を補給にここ寄ったんです。丁度切れちゃったんで。
 でも・・・あるはずの燃料がなくなってて・・・。」
ああ、さっきの連中か・・・。マダラメはそう思った。
「食料はあったんで何とか一週間・・・。いや、本当に助かりました。」
「ん・・・。まぁ、いいさ。お前らが元気でいてくれりゃそれでな。」
「マダラメ隊長・・・。」
ばっとそのままの体勢で敬礼を送るササハラ。
「ササハラ少尉、ただいま戻りました!!」
「・・・あほぅ、そういうのは自分で戻ったときに言うんだろうが・・・。」
いわれて、そう強がったものの、涙が止まらなかった。
そのまま振り返り、背中で話す。
「・・・あ~、お前たちを待ってる奴らがいるから、帰るぞ!」
「「はい!」」
その瞬間、声が掛かる。
「・・・お久しぶりです・・・、いえ、この姿では始めましてですね・・・。」
マダラメの横から、リツコが顔を出す。
リツコの姿を見、一瞬声を上げそうになるササハラだったが、
そのあとすぐ、彼女が何者だったかを理解したようだった。
オギウエも、同様に。
「・・・ありがとうございました。」
「・・・え?」
「あなたが・・・あの時力を使ってくれなければ・・・。私達は死んでたでしょう。
 いや、私達だけじゃない。あの子達も・・・きっと・・・。」
そういうオギウエの言葉に、リツコはハッとした。
「そうか・・・。」
「どうですか?何か答えは出ましたかい?」
「・・・はい。私も、戦ってたんですよね、あの間も。」
「・・・・・・そうだ。あなたの部下達も体験してない戦いをして、
 二人だけじゃない、多くの命を救ったんですよ。」
そうマダラメに言われて、リツコは、笑う。
今までにないような、つき物が落ちたような顔で。
「自信、持ちましょう。お互い、ね。」
マダラメの言葉に、リツコは大きく、
「はい!」
と返事をした。

その後。
彼らはタナカとオーノの結婚式に向った。
その場には、第801小隊のメンバー全員が揃い、二人を祝福した。
そのままササハラはサキに連れられ、足の治療に宇宙へと旅立った。
オギウエはリツコとともに、子供たちの世話をしに・・・。
クガヤマはもうすぐ結婚するらしい。オマエモカ。
そしてみんな・・・。元の場所に・・・。


いや・・・2人違った・・・。


「あ~、やっぱ地球の方がいいんじゃないかい?」
「何言ってるの?あなたが私達を雇うって言ったんじゃない。」
「マカセロ、ワレワレハユウシュウダゾ。」
「・・・じゃあ、ちょっくら木星までの旅路、ご一緒いただきますかね・・・。」

END


世界を巻き込んだ、『宇宙戦争』という名前で構成に語り継がれるあの戦争から20年。

二人の双子が世界の命運をかけ対立する。

宇宙海賊に共感し、連盟軍を離れた妹・マリ。
そうとは知らず、警備隊として海賊を追う姉・チサト。

二人が戦場で出会い、その事実に直面する時・・・。
世界が・・・再び戦禍に巻き込まれようとしていた。

「次は私を撃つといったはずでしょ・・・!チサト!!!!」
「マリ・・・!私は・・・!」

第801小隊の後継作となる機動戦士ガンダム『ツインズシンドローム』

お楽しみに。