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月を見上げて 【投稿日 2006/10/09】

カテゴリー-笹荻


久しぶりの”デート”を終えて、笹原と荻上は手を繋ぎながら夜道を歩く。
少し肌寒い空気の中、繋いだ手だけが熱い。
ふと荻上が足を止める。
笹原も足を止める。荻上を見つめる。
荻上はただ空を見つめていた。
自然と笹原もそれを追う。
中空に浮かぶ正円にはわずかに満たない月。
二人で月を見つめる。
不意に荻上が口を開く。
「昨日が満月だったんですよ」
笹原が答える。
「そうなんだ」

それ以上言葉も無くただ月を見つめる。
「へくちっ」
奇妙な音を立てて荻上がくしゃみをする。
「あ、ごめん。寒かった?」
笹原の問いに、荻上は握った手にわずかに力を込めて囁いた。
「…暖めてくれますか?」
笹原はただ握った手により力を込めると、手を引いて歩き出した。
荻上はそんな笹原の腕を抱きしめるように寄り添う。

そんな二人の姿を月の光が照らしていた。