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女性向け同人における男達の考察 【投稿日 2005/11/07】

カテゴリー-現視研の日常


「しかし、女っていうのは何でヤオイが好きなんだろうな?」
それは唐突な斑目の一言から始まった。
「え・・・。なんでまた。」
ちょうど、笹原は少女漫画の名作、『森と嵐の唄』を読んでいるところだった。
その内容は現在における女性オタクたちによるヤオイ、BLの源流とも呼べるものである。
女性向けではあるものの、男も読めなくはない内容ではある。
「ヤオイだけじゃなくボーイズラブっていうのもそうなんだけどよ。
なんでなんだろうなっと。」
「うーん。確かに、この漫画でもそういう描写が主ですからねえ。」
「まあ、なに、そこには俺らにはわからない何かがあるんじゃないのか?」
そこで発言をしたのは田中だった。
「田中はどうなのよ。大野さんは読んでるんだろ?そういうの。変に思ったりはしないのか?」
「いや、別に・・・。
前から交流のあるコスプレイヤーの女の子達は大概多かれ少なかれそういう気はあったからね。
男における「萌え」と似たようなものじゃないのか?」
「いや、それは違うだろ。
仮に「萌え」=「ヤオイ」ならば、そこには決定的に違いが露呈するじゃないか。」
斑目が言った言葉に田中も笹原も考え込んでしまった。
「か、絡みとかってこと?」
そこまで黙っていた久我山が発言する。
「そうだ、「萌え」は単体でも成立するわけだが、「ヤオイ」は男の絡みが必ず入る。
もちろん、「萌え」においても「絡み萌え」が存在するわけだが・・・。」
「なるほど、男同士の絡みを確実に入れているわけですね。」
「うーん、確かに。濃度の違いはあるにせよ確実に描写はされるな。」
一同納得である。
「となると、「ヤオイ」はなぜ女性に支持されるのか。」
「男の「百合」好きとはまた違うんですかね?」
笹原が上げたのは女性同士が愛し合ういわゆる「レズ」を題材としたものである。
「うーむ、「百合」は「ヤオイ」ほどの潮流にはなっていないからな・・・。」
「そ、そうだよね。た、確かに「百合」好きは少なくはないけどさ、
や、「ヤオイ」ほどの人気はないよね。」
田中と久我山により笹原の意見は却下される。
「そう、そこがキーとなるんじゃないのか?
女性の嗜好にそこまでフィットした「ヤオイ」の良さ、それはなんなのか。
ここで「ヤオイ」の特徴を挙げていってみよう。」
立ち上がり、いつもあまり使われることのないホワイトボードを移動させる斑目。
「そうですねえ・・・。「男同士の絡みである」。」
「確かにそうだな。」
「後はそうだな・・・。「実在の人物も取り上げる」。」
「え?マジっすか?」
田中の発言に驚いたのは笹原。
「知らないのか?
ジャージズ事務所あたりからビジュアル系バンド、スポーツ選手、政治家まで幅広くな。」
「うはー、俺そこまでのは知らなかったすよー。」
「まー、比較的マイナーではあるジャンルだよな。」
斑目がそれもホワイトボードに記入する。
「そ、そうだな・・・。け、「決してエロが前提ではない」。」
「ああ、あるね、エロなし「ヤオイ」。」
「そういうのだとまだ読めるのってあるんですよね。」
「まあなー。しかし男が熱烈に絡みだすのだともう読めないがな。」
「そ、それもそんなに少なくはないんだよね。」
「それも特徴だな・・・。」
そこまで意見が出たとき、一人ここまで話してなかった朽木が発言する。
「はーい、はーい、特徴言えますにょー。」
「・・・ま、いってみろ。」
少しうんざりした表情で指名する斑目。許しがきて朽木は嬉々とした表情になる。
「「気持ちが悪い」!!」
「「「「それは特徴じゃない!」」」」
全員から否定されて落ち込む朽木。
「まー、朽木君は置いといて・・・。まあ、こんなところか?」
「そうだな・・・。あとは「ヤオイ」の語源もチェックしておくべきだろう。」
「えっと、「やまなし」「意味なし」「落ちなし」でしたっけ。」
「そう、その通りだな。」
「な、何でそうなったんだろうね。」
「昔の同人で書かれてたころ、そういう系の本が大概4Pぐらいの内容だったからだそうだ。」
「まー、諸説あるからどれが正解かはわからないんだけどね。「萌え」と一緒さ。」
ここまでの内容が記載されたホワイトボードを、斑目が軽くたたく。
「ここまでの内容でどうだ?わかったことはあるか?」
「んー、そうですねえ・・・。」
少し考える一同。朽木は相変わらず落ち込んでいる。
「一つ思ったことなんですが・・・。」
おずおずと声を出したのは笹原。
「なんだ、言ってみろ笹原。」
「俺たちはキャラを見るときにその特徴や正確、容姿や環境で萌えたりするわけじゃないですか。」
「たしかにね。
まったく同じ設定のキャラでも、眼鏡一つで違うものな、感じ方が。」
「だけど「ヤオイ」の場合は、一人一人の特徴とかよりも関係性に重点をおいてるような・・・。」
「な、なるほど。だ、だから、お、男同士が必ず絡むのか。」
「女性は単体の特徴よりも関係性のほうを好む、ってことか。」
そういって斑目は青い色のマジックでボードに「関係性が重要」と記入する。
「確かに、少女漫画には恋愛色、つまり男女の関係性がメインだ。
いや、それしかほぼ無いと言ってもいいだろう。」
「し、少年漫画にもラブコメはあるけど、き、キャラ個性を強く押し出してるしね。」
「ふむ。かといって俺たちがキャラの関係性をまったく無視しているわけではないだろう?」
「それもそうですね・・・。でも、女の人もキャラの個性を無視してるわけじゃないっすよね。」
「どっちよりかってことだろう。比重をどっちにおいてるか。」
「そ、そうだね・・・。あ、あと、何で男のみなのかってこと。
こ、これがわからないと「ヤオイ」には人気があるのかっていうのはわからない気がするな・・・。」
そこまでいって、考え込む男達。
「そうだ、こういうのはどうだ?」
そういったのは斑目。
「物をキャラ化するブームがネットであったじゃないか。」
「ああ。あったね。びん○ょうたんとか。」
「あれの主導は男にあったっていうのに異論はないな。」
「たしかにそうっすね。好むのは男だと思いますけど・・・。」
「そう、男っていうのは極化するとキャラありきで萌えることが出来る。」
「ああー、そ、そういうのって多いよな。」
「そしてそこからキャラ周辺の状況などを生み出していくわけだ。」
「あー、O○たんとかそんな感じでしたねー。」
「逆に、女が極化すると、シチュエーションありきで萌えることが出来るってことなのでは?」
おおー、と歓声が上がる。
「つまり、「ヤオイ」はその語源からもあるように、前後の深い設定や、キャラの描写はなくとも、
ある特徴を持った二人がある一定状況で絡んでるだけで萌えられる、ということか。」
「そうだ、田中が今まとめたとおりだ。「ヤオイ」も、萌えの一種ではということだ。」
「でもそういう関係性を持ってくるのには男同士じゃなくてもいいのでは?」
「あ、き、聞いた事あるんだけどな、お、女の人って男の友情みたいなものが不思議に見えるって・・・。」
「女性は女性の感性を知っているから、好きな状況を考える上で女性性は違和感につながるんだろう。
そこで、久我山がいったとおり未知の領域である男の友情を持ってくる・・・。」
「そしてそれを徹底的に自分が好きな状況にしてしまうわけだな。
なるほど、男に理解できない、女のみが作れる理想世界を構築するわけだ。
もしそうなら人気が出るのもわかる気がするな・・・」
ある一つの結論にたどり着き、皆一端息をはく。
「でも、これって当たってるんですかね・・・。」
「どうだろうな・・・。いいところはついてるとは思うんだが・・・。」
「なあ・・・。」
そういって少し斑目が黙る。そして次に口を開いて出た言葉は。
「本人達に聞いてみるか・・・?」
「本人たち?ま、まさか・・・。」
「お、大野さんと、お、荻上さんにってこと?」
そういうと皆の顔に冷や汗が流れる。
「いやいや、すまん、言ってみただけだ。」
「そう、そうですよね。そんなこと聞けるわけが・・・。」
「大野さんはともかくとして・・・。荻上さんに聞いたらマジ切れされるだろうな・・・。」
安堵の空気が皆を包む。と、そこで誰かがドアを開けた。

「こんにちは。」
入ってきたのは荻上。
「こ、こんにちはー。」
「や、やあ。」
口々にあいつを交わすもののどこかぎこちない男達。
「?なにかあったんですか?」
部員達の態度の異変を感じる荻上。
しかし、その目にホワイトボードの内容が目に入るのは時間の問題だった。
「・・・。」
無言になって席に座る荻上。明らかに不愉快になっているのがわかる。
(やっべーよ、来る事考えてなかった・・・。)
(明らかに怒ってますよ!オーラがでてます!)
しかしここでホワイトボードの内容を消しだすのも勇気がいった。
「あのー。オギチンー?」
そこで空気の読めない男、朽木が荻上に声をかける。
「・・・。何ですか?」
よりにもよって声をかけたのが朽木である。さらに不愉快さを滲み出す荻上。
「なんでヤオイ好きなの?」
かーっと顔に血が上る荻上。男四人がビクッと体を跳ねさせる。
「な、なにを聞いてくるんですか!!!!」
「先輩方が何で女の人はヤオイが好きかって言う論議をしてたにょー。
そこで実際に聞いてみようかなーって思ったにょー。」
「・・・!」
言葉の出ない荻上に対し、朽木はさらに突っ込みをかける。その間も、声を出せないヘタレ四人。
「で、何でなのかにょー?」
「どうしてにょー?」
「答えてほしいにょー。」
しつこく聞かれ続け、ついに荻上の臨界点がマックスを超えた。
ガターンと立ち上がり、息を荒げる荻上。すでに涙目になっていた。
そして窓に向かってダッシュし始めた。
「と、とめ・・・・。」
斑目が言うより早く、笹原が窓の前に立って食い止める。
「お、落ち着いて、荻上さん。」
「いかせてください!もう嫌です!」
捕まえた笹原の腕の中でなおも暴れる荻上。そこに更なる来客が登場した。
「ういーっす・・・。ってなんなんだ、この状況は!」
「あ・・・。」
咲と高坂である。
「あ、春日部さん、いいところに来た。荻上さんがまたダイブを・・・。」
「ええー!なにが原因なんだよー!」
その言葉に合わせて四人の視線は一人に集まる。朽木。
「またお前かー!!」
ばちこーん!!
またもビンタで朽木を屠る咲。くるくる回転しながら朽木は落ちた。
「ほらほら、もう大丈夫だから落ち着きなさい・・・、ってまたすごい状況だね・・・。」
はっと荻上が我に帰ると、自分が笹原の腕の中にすっぽり納まってる状況になっている事に気付く。
「あああああ!も、もう大丈夫ですから!」
顔を真っ赤にして腕から逃れようとする荻上。
「そ、そう・・?ご、ごめんね・・・。」
「・・・べ、別に謝らなくたっていいですよ・・・。」
ようやく落ち着いた荻上は、ゆっくり席に戻る。笹原も。
「ったく・・・。
しかし、だいの男がそろいもそろって何でクッチーがやること黙ってみてたんだよ。」
「あ、もしかして原因はあれですか?」
そういって高坂は目線をホワイトボードにやる。
「いや、荻上さんが来る前に見ての通りの論議をしてたんだが・・・。
そういうことを考えずに盛り上がってしまって。一応来たあとはやめたんだがな・・・。
朽木君がこのことを荻上さんにしつこく聞いてしまって・・・。」
「何でヤオイがすきなのかって?」
「そういうこと。止められればよかったんだが、下手を打って興奮されすぎてしまうのもと思ってな・・・。」
咲はそこまで聞くと、目線を荻上に向けた。
「何で?」
「聞くのかよ!」
そういって抗議の声を上げたのは斑目。
「だって知りたいじゃない。」
そういってニヤニヤ顔になる咲。荻上はうつむいて答えようとしない。
「あー、まあ、そこまでにしようよ・・・。」
「えー、笹やんは知りたくないのー?」
「いや、まあ、興味はなくはないけど・・・。
でも、ここまで嫌がってるのを聞くのはよくないよ・・・。」
「ふーん、まあ、会長様がそういうならね。」
そういって、咲はそれ以上の詮索をやめにした。
「じゃ、大野が来たらきこ!」
「ま、まあ、話してくれるならね・・・。」
「いやー、話すでしょ、あいつなら。ね、田中ー。」
「ん・・・。だろうね・・・。」
そういって苦笑いする田中。そしてタイミングよく来るものである。大野が入ってきた。
「こんにちはー。アメリカの友達から電話があって遅れちゃいましたよー。」
ニコニコ顔で入ってきた大野はその空気がいつもと違うことに気付く。
涙目の荻上、ニヤニヤ顔の咲、冷や汗だらだらの男達(高坂は除く)、落ちてる朽木。
「な、何かあったんですか・・・・?」
「いやね、男供があのボードの通りの議論をしてたんだって。
まー、それでいろいろあったんだけどさ。」
「へ・・・?「第一回なぜ女性はヤオイ好きか会議」?なるほど・・・。」
「まー、あんたの口から回答を、と思ってね。」
「えー、私が言うんですかー?」
大野は、そうはいっても、顔が笑顔である。
「そう。いえるっしょ。」
「えー・・・。でも男の人にはわからない感性ですからねえ。」
「そういうもんなの?」
「私にもよくわからない部分はあるんですよ。口でいくらでもいえるんですけどね。
こういうシチュエーションで、こういう台詞があるとすごいいいとか。
でも、なんで?って改めて聞かれると・・。」
「よくわからないってこと?」
「そうですね・・・。そういうことですね。」
「そういうものって嫌いになろうと思っても無理ってことか。」
「ですね。恥ずかしいことなのかなって思ってた時もありましたけど。
もうはっちゃけちゃいましたし。」
「だなー。最近あんた会ったころよりより生き生きしてるもんねー。」
女達の会話を聞きつつ、緊張が解けていく男達。
「まー、なんだな。本人達にもよくわからん、ってことか。」
「確かに、俺たちも何でこのキャラが好きなのって言われたときに、突き詰めたらよくわからないっすよね。」
「そうだな。嗜好って言うものは何かよくわからんものに左右されてるのかもな。」
「ま、まー、とりあえず、お、落ち着いてよかった。」
荻上は二人の会話を聞いてないフリをして思いっきり聞いていた。
たまに頷きつつ、反論しかけてやめたりしながら。
今日も現視研は、騒動もありつつも、平和です。

「しかし、笹やんよく止められたね。」
「ああ、たぶんそうなるだろうなって思ったからね・・・。
その前に止められればよかったんだけど言葉が出なくて。」
「へー、で、オギーの抱き心地はどうだった?」
「へ?そんなの考える暇なかったよ・・・。あはは・・・。」
「オギーは?抱かれてどうだった?」
「なにを聞いてくるんですか!
そういうことばっか聞いて頭の中ピンク色ですか!」
「あー、それ誰かにも言われたっけな・・・。
そんなにやらしいか?わたし。」