※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

その二 【投稿日 2006/04/26】

カテゴリー-6月号補完


P1.
斑「よう笹原」
笹「あ、斑目さん」
会議室に顔を出した斑目は、椅子を運んでいた笹原に話かけた。
ちょうど会社の昼休みの時間だった。
会議室の中では朽木もマメに手伝っている。最近朽木は、大野さんのコス衣装を運ぶのを手伝ったり、何かと働いてくれている。
斑「おお、やってるなー」
笹「朝から設営で、みんな借り出されてます(苦笑)」
斑「…で?春日部さんは来てんの?」
笹「ええ、今回はちゃんと逃げずに来たみたいですよ。ようやく観念したみたいで」
斑「へー…」
(春日部さんも丸くなったもんだ…)
この前(春日部さんと部室で2人になったとき)も思ったが…。

大野さんは満面の笑みで笑っている。
春日部さんは完全に肩を落としている。

P2.

  長いような短いような、部室とともに過ごした4年。
    漫画とアニメとゲームの日々も、夢のように煌めいて---。


       「第49話  いつでも夢を」~SS補完~


P3.
大「私と咲さんと田中さんだけです!!」
大野さんは満面の笑みのまま、指を三本立ててそう宣言した。
大「他の人は立ち入り禁止です、咲さんがその条件でなら、とコスプレを許可してくれましたから!」
笹「あーー、そうなんだ…」
斑「そりゃ残念」
朽「ブーーーー!!!断固反対!!!」
朽木君は納得いかない!と主張した。

荻「…行きましょうか」
荻上さんはそう言って部屋から出て行く。
笹原と斑目もそれに続いた。朽木はまだ頑張っていたが、斑目が朽木の腕を引いて出て行った。
大「じゃあ、みなさん手伝っていただいてありがとうございましたーーー!」
大野さんはそう言って手をふる。
田「いや、すまんね、みんな…」
田中がフォローする。
春日部さんは相変わらず肩を落としていた。

P4.
ガチャリ。荻上さんが扉を閉めた。
朽木君はまだ納得いかない様子でカメラをかまえている。
斑「けっこう時間かかりそうかね」
笹「そうですね、なにしろ15箱もありましたから…」

斑「朽木君、そんなとこ張り付いてないで。もう諦めたら?」
未練たらたらで扉に張り付いて聞き耳を立てる朽木君を、斑目は諌めた。

朽「諦められマセン!!!」
朽木は力の限り叫んだ。

朽「何のために重いダンボール箱運んだと思ってるんデスカ!何のために設営手伝ったと思ってるんデスカ!!
全てはこの時の為!コスプレ姿をこのデジカメに焼き付ける為!!!」
大野先輩にダマサレターーー!と騒ぐ朽木。
笹「はは…」
斑「まあ気持ちはわかるケドね」
(俺も本当はスゲー見たいしな…)
荻「朽木先輩、往生際が悪いです!」
荻上さんはあきれた声を出す。

P5.
田「んじゃ、いくよーーー」
田中が写真を撮り始める。


カシャッ、カシャッ。

シャッターを切る音にまじり、、かすかに外から「にょ~~~!」と騒ぐ声が聞こえた。

P6.
(あーあ…)
斑目は構内の中庭から会議室を見上げた。

(見れなくて残念だなーーー…。ま、仕方ない、か…。こうなることは予想ついてたしなー…)
がっかりしたが、春日部さんらしいなと思って笑う。

斑目はそのまま大学をあとにした。もうすぐ昼休みも終わる。

P7.
ギイィ………

ゆっくりと扉があき、中から恨めしそうな目がのぞく。

大「お疲れ様でしたーーー!終わりましたよ!!」
ツヤツヤになって赤い笑顔の大野さんとは対象的に、げっそりと疲れきって青い顔の春日部さん。

P8.
大「もう咲さんが!あんなコスやこんなコス!!とっても素敵でしたよ咲さん!!」
咲「お、荻上~~~…」
荻上さんの手をとり、すがる咲。疲れて一人じゃ立てね~という感じだ。
荻上さんはスキンシップに慣れてないせいか、赤くなる。
荻「………」
笹「お疲れさまー」
朽「な、何ですとーーー!?『あんなコスやこんなコス』!!!???」

大「咲さん、今日は無理を聞いていただいてありがとうございました!!」
咲「いや、ねえ…約束だったし………」
げっそりしながらも大野さんのほうを見上げて笑う春日部さん。

大「本当に…ワガママを聞いていただいて………」
喋りながら、大野さんの目に涙が盛り上がる。

咲「……………」
それを見て少しびっくりする春日部さん。

P9.
大野さんは春日部さんに抱きついた。
春日部さんも抱きしめ返す。

大「~~~~~~っ、うう………っ」
その様子をみんな照れながら見ていた。
朽木でさえ、何か言いたそうにしながらも、茶々を入れずにそれを黙って見守っていた。

P10.
その夜。

荻上さんは笹原の家に泊まりにきていた。
荻「私もやらされそうになったんですよ、コスプレ!」
笹「はは。やったらよかったのに。」

荻「やりません!…それにあれは、『大野先輩と春日部先輩の約束』ですから!」
だから、荻上さんは遠慮したのだった。

笹「ところでさ、どっちのネクタイのが合うと思う?」
笹原が両手にそれぞれネクタイを持ち、荻上さんに聞く。

荻「………………」
(ネクタイ…)
つい801ワープしそうになる荻上さん。
(強攻めの笹原さんが斑目さんに………)

それを振り切って言う。
荻「さ、…笹原さんならどっちも似合うと思いますケド…」

笹「え?声が小さくて聞こえなかったよ、もう一回~♪」
荻「もう言いません!!」

P11.
同じ頃。
斑「………………」

家で『最後の砦』を眺める斑目。
春日部さんが初めてコスプレしたときの写真。


(…『会長』だからじゃない。春日部さんだから………)


P12.
朽「どーしてデスカーーーーーーーー!!!!!」

咲「絶っっっ………対、駄目っ!」

部室で朽木と春日部さんが言い争っている。
荻上さんは絵を描き、笹原はゲーム雑誌を読んでいる。
斑目は今日も昼休みに来て、弁当を食べ終わりお茶を飲んでいる。


P13.
咲「あんたになんか渡したら、きっとろくでもないことに『使う』んでしょーーが!!」
朽「うにょっ!!!???」
斑「…ハハ」
笹「………」
(おいおい…)

朽「にょ~~~!!それは誤解ですにょ!!ワタクシは純粋にコスプレに興味があるんですにょ!!ヒドイです~~~…」
咲「信用できるか!!」
そんな2人のやりとりを黙って見守るあとのメンバー。

斑「………」
こんな日々もあと少しか…、と思いながら部室を出る斑目。

P14.
ふと向こうの角にあやしいサングラスとマスクの人影が…。
…黒大野さんだった。斑目を手招きしている。

斑「………(汗)」
大「……………」

斑「…な、何やってんの?大野さん…」
大野さんはマスクをはずして言う。
大「…ぶはー!ちょーっとこっちへ来てください!!」

2人で廊下の隅に移動する。大野さんはやけにコソコソしている。


P15.
大「………咲さんのコスプレ写真、見たくないですか!?」

斑「!!!!!?????」

斑「え!?何…」
大「この封筒に全部入ってます!あの日の咲さんの姿が、全部!!!
どーですか!?見たくないですか!?」
斑「いやいやいや!!ちょっとそれはマズイでしょーーー!!そんな…本人の許可もなく…」

大「なんなら差し上げますよーー!」
斑「いやいや、いいって!春日部さんに悪いって!!」

大「…本当にいいんですか?斑目さんだから、渡すんですよ?」
大野さんは声を潜め真剣な目で、意味深なことを言う。

大「いいんですか!?後悔しますよ!?」

P16.

咲「…何を後悔するって?」


大・斑「!!!!!!!!!!!!!!」


P17.
咲「ったく、勝手に…それをこっちに渡しなさい」
大「ええ、えーとえーと、その………」
大野さんは慌てて封筒を後ろに隠す。

その時。
後ろに回した封筒が手からすべり落ち…
「!?」

バサバサッ!!!
大量の写真と、CD-Rが廊下にぶちまけられた。


…スクール水着を着てヘルメットをかぶった会長春日部さんの写真と、目があった。


P18.

「……………!!!!!!!!!!!」

大野さん、春日部さん、斑目。
あまりのことに声が出ない。


P19.
一瞬後。
咲・大「わあああーーーーーーーーー!!!」
慌てて写真を拾いにかかる二人。

(……見た!?)

見上げた春日部さんと目が合う。
目をそらす暇もなかった。

咲「~~~~~~~~~っつ!!!」
春日部さんは思わず涙ぐんだ。

P20.
咲「っこの…バカタレがーーーーーーー!!!!!」
急にキレて大野さんの頭をはたく。

朽「にょーーーーーーー!!コスプレ写真!!!」
朽木がかけよろうとするが笹原と荻上さんに服をつかまれる。
笹「まーまーここは、ね?」
荻「行っちゃ駄目です」

(………………………………………………(汗))
もう顔を上にそむけていたが、今見た写真が目に焼きついて離れない。


P21.
その頃。
久我山は車で商品の納品先をまわっている所だった。

田中は専門学校で被服の実習中だった。

高坂はゲーム会社でプログラムを組んでいた。



(…何か……)
この状況が急に可笑しくなって、思わず笑いがこみあげる。


P22.
春日部さんは「大野のアホ!!」と毒づきながら、恥ずかしさに顔を真っ赤にして、ばらまかれた写真を必死に拾う。

大野さんは「す、すいませんでした…」と言いながらも笑ってしまう。

朽木は変わらず「ボクチンを行かせてくだサーーイ!!この目で一目!!」と騒いでいるし、

笹原と荻上さんは笑いながらも、朽木をつかんでいる手を離さないでいた。


P23.


『ははっ』




今日は空がとても青く透き通っていた。



P24.
…そして、卒業式の日がやってくる。

次号、表紙&巻頭カラーにて「げんしけん」卒業式!!
 そっか、卒業しても、みんな一緒だ。

                           END

次回予告
『次回、感涙の最終回!!絶対運命黙示録---。』