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現聴研・第六話 【投稿日 2006/04/20】

現聴研


笹原「何人編成にしましょうねぇ。」
斑目「スコアの無い曲ばっかりだと、バンドの負担でかくないか?」
笹原「しかしメジャーな曲にすると存在意義が無くなりますよ。」
現聴研の部室では、夏のフェスティバルに向けて会議の真っ只中。
田中「そもそもウチの割り当て時間は?」
笹原「まあ…入れ替えも含めて30分ぐらいって事です。」
朽木「準備と片づけで5分ずつだとして、残り20分。
    1曲4分でMC無しで5曲が限界ですな!」
笹原「うーん、余裕が無いと本番でパニック起こしそうだなぁ。」
大野「キーボード弾けますけど、ステージ衣装に凝りたいですね!田中さん!」
そう、田中と大野は普段はコスプレでライブに出かけて振り付けも
バッチリな傍目にちょっと痛い、いや深いファンだったりする。
そしてコスプレ衣装は田中の自作という脅威の特技。
大野「咲さんはドレスでヴァイオリン出演ですよね!」
咲 「勝手に決め付けるな!」
話は無軌道に盛り上がっている。
咲 「むしろオギッペ着ろよ。」
荻上「やですよ!普通の服でいいじゃないですか―――。」
そこへ
原口「よう~~~~ 夏のフェスティバル受かったって?」
満面の笑みで原口が登場した。
全員『うわっ・・・・・・。』
冷や汗をかいてうつむいてしまう、現聴研の面々だった。
斑目「あれ、原口さん卒業してましたよね?」
原口「あぁ、今でもちょくちょく顔出しててね。
    いや、ちょっと良い話があるんだよ。」

そこで椅子を譲る高坂と、机に就いてしまう原口。
原口「有名インディーズバンドのメンバーいっぱい紹介してあげるから
    その人たちのコラボでバンド組まない?」
笹原「は?………。それってどういう意味ですか?」
原口「いや、1曲ごとにボーカルと面子も換えて10人以上参加でね。
     例えば老舗コピバンのウッドメモリーとか、シュリックとか知ってる?
     オリジナルの所ではポリネシアWARとかさ。あとはね―――。」
原口「まあ詰めれば7,8曲はいけるでしょ。久我山とかもボンゴか
     タンバリンで参加してりゃいいじゃない。」
少し神妙な面持ちで原口が続ける。
原口「まあ会場で各バンドのCD売れるからマージン貰えるし、
     スタジオ録音と本番の録音の音源をあとからネット販売すれば
     このネームバリューなら宣伝うまくやりゃ、1,000円のが3000枚は売れる。
     単純計算で、売り上げ300万!」
一同、沈黙・・・・・・・・・。
だが、笹原が口を開く
笹原「あの、原口さん、俺たち初めてだし自分らでやりたいんですけど…。」
原口「マイナー曲だし素人って、それじゃ受けないよ~~~。
     受けないのは悲しいよぉ。静まり返って冷える会場。司会の人のフォローが
     また逆に痛いのね!一般のイベントだし子供が泣き出したりすんのね―――。」
笹原「あの、原口さん。はっきり言ってやりたい曲を演奏出来りゃ良いんですよ。」
原口「それは オ ナ ニ ー だよ。観客論の否定かい?それじゃ脳内で
     やってりゃいいじゃん。もう童貞捨てなきゃ!捨てていこうよ!」
笹原「…や、もう童貞ですから!いいじゃないですか!」
原口「おや逆ギレかい?アハハ。」

笹原「やー、もうマジ俺らだけでやらしてください!童貞ぐらい自力で
     捨てさせてくださいよ、お願いします―――。」
原口「んーーー、そう?でもさっきのメンバー、もう了承得てるんだよな。」
一同『なんてことしやがるっ!!』
笹原「じゃあ、俺が断りますから連絡先教えてください。」
へこへこしていた笹原が、真剣に申し出た。静まり返る部室。
原口「―――斑目、それでいいんだな?」
斑目「ま、現会長がそう言ってるんで、勘弁してやってください。」
原口「………わかった、じゃあ連絡先はあとで教えるから。ほんじゃバイバイ。」
バタン。
そいうって、あっさりと帰っていく原口だった。

溜息をつく、現聴研の面々だった。
咲 「笹やん、頑張ったんじゃない?さすが会長ってとこだね。」
笹原「やー、もういっぱいいっぱいだよ。全くあの人はさぁ――。」
荻上「ああいうタイプの人、ほんとに居るんですね。初めて見ましたけど嫌いです。」
咲 「じゃ、笹やんの今日の活躍に愛の歌でも捧げない?」
荻上「は?なんでそうなるんですか?そんなの歌いませんし恋愛否定派の硬派ですって。」
咲 「えー面白くないなぁ。」
荻上「何を言ってるんですか!?もう!」
咲 「まぁしょうがないか、笹やんやっぱり経験無かったし~。」
荻上「そういう冗談はもっと嫌いです!」
そして赤面する笹原と、慰める田中だった。
笹原『く~~~ッ!田中さん嫌味ですか!』

しかしその後、無事に他バンドの方々に断りの連絡を取り、感謝される笹原だった。