浦島太郎 【投稿日 2005/10/29】

カテゴリー-童話パロ


竜宮城で荻上という可憐な竜神族の娘に恋をした笹原浦島。
荻「わたしが人間と付き合うわけないじゃないですか!」
笹原は手ひどく振られ、傷心のまま地上に帰ると乙姫に告げた。
咲「じゃあ、みやげにこの同人誌をさしあげます。絶望したらこれを御覧なさい」と同人誌を手渡した。
地上に帰ると、肉親や友人が誰一人生きていないと知る。地上ではすでに数百年の時が流れていたのだ。
笹「ああ、愛する人が生きていない世界に一人で生きるのは哀しい」と絶望し同人誌を見ようとしました。
すると荻上がゼエゼエ息を切らせながら現れた。
荻「そっそれを見てはいけません!呪われちゃいます!本当に!私に返してください!」
笹「でも乙姫様からいただいた贈り物をお返しするわけにはいきません」
荻「じゃ、じゃあ、それを見ないようわたしがずっと見張ってますから!」

数年後二人はどうしているかというと、荻上は『わたしが人間と付き合うはずが無い』と子供をあやしながらいまだに言い続けている。
そして必ず『絶対見ちゃダメですよ!』と夕食後に笹原にお茶を入れながら念を押している。
笹原はそれにウンウンうなづきながら、お茶をすすってゆるりとした毎日を二人で過ごしているのであった。
最終更新:2005年12月20日 03:28