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ミカンズのテーマ 【投稿日 2006/04/03】

カテゴリー-現視研の日常


荻上さんから笹原との事を聞いて、翌週の9月末のこと。
斑目は今日も昼休みの部室にやってきた。
中には笹原が一人、座っているだけだった。
「うぃっす。笹原、研修終わったか」
「あ、ちわー。お久しぶりです」
笹原は読んでいた雑誌を置く。
斑目も、適当に腰掛けて弁当をガサガサと取り出した。
「そうだなぁ。先週、荻上さんに会ったけどな」
「ああ、そうらしいですね……っと、そうそう、
 上手くいったのお伝えしてなくてスミマセン(苦笑)」
「やー、まぁ、いいって(むぐ)」
弁当を食べ始める斑目を見て、笹原も雑誌を読み始めた。
笹原は一通り読み終わったのを、気になる作品を何度か読み返してるようだ。
それを横目で眺めながら、斑目は無言で弁当を食べ続ける。
「それ、月刊午後の11月号?俺も買って読んだけど」
斑目は弁当ガラをビニール袋に入れながら話し掛けた。
「ん、そーっすね。いやー色々と…斑目さんは最近どれ押しですか?」
「俺は多いなぁ。今月急に<会戦のロヲレラヰ>のパウラ萌えになっちゃったよ」
「斑目さん分かりやすいですよね(苦笑)過去のシーンの入院服ですか?
 じゃあ、<つばめのかぞく>の多恵子ちゃんとか」
「たえぽんは前から良いと言っておるだろうが!今月は神レベルの萌えシーンだよな?」
「最近、なんか萌え方向に強化されてきてませんか?午後って硬派なイメージが…」
「もともとゴッタ煮じゃねーの?俺は歓迎だね。指が黒くなるのは変わらんし」

ぱらぱらと午後の11月号をめくる笹原。
「ほんと、両手の親指が…(苦笑)」
そう言いながら、パタンと閉じると、笹原は斑目に午後11月号を手渡す。
受け取った斑目は11月号を開いて、目を落としたまま笹原に話し続ける。
「笹原ラブコメ好きだろ?<現聴研>の最近の展開は、俺は前のが良かったけど…」
「何言ってんですか斑目さん!萩下さん萌えですよ、萌え!」
「急にスイッチ入りやがって(苦笑)。まあこれ、お前ちょっと状況似てたしな」
「うっ(グサリ)」
ちょっとダメージ食らいリアクションをして机に伏せる笹原。
「あー…あと、今月始まった<宇宙のマニ車>どうよ?」
「学園ドタバタラブコメですか~。チベット仏教研究会が舞台とはマニアック過ぎません?
 1話目だけでは保留っすね。<ラブ浪漫>と入れ替わりっすかね…」
「あー、お前、好きだったもんな、<ラブ浪漫>……来月終わりかぁ」
「なんか急なような、潮時のような…。ちょっと唐突かなぁ。難しいですね、終わるタイミングって」
「まあ〔みかん〕という素晴らしい隠語を創り出してくれた功績は消えないさ」
「ちょっと!しんみりしてるのに、その話題ですか(苦笑)」
「いや、まあコレ、今回で〔みかん〕しちゃったし!」
「……そうっすね」
「まさかこの絵柄で、ここまで描ききるとはなぁ。ある意味、勇気だぜ?」
「やー………意外でしたね……」
「ギャグ漫画だったのにマジだったなぁ…『痛いつってんだろ!』で
 ゴスっと殴るのは、らしい感じで良かったけどな」
「…………そうっすね」
どうも〔みかん〕の話になったとたんに、笹原の顔は赤くなり、
返事がほとんど無くなる。さっきまで饒舌だったのに……。
「……ん?」
斑目も笹原の異変に気づいた。

「おいおい、笹原、そんなにラブ浪漫の展開がショックだったんか?」
そう思って苦笑して話し掛ける斑目だったが、
「いえ、そんなんじゃ無いっすよ(苦笑)」
斑目の目に映った笹原の顔は、落ち込んでいるものでなく、
照れた、ちょっとニヤケたものだった。
その瞬間、斑目はハッと気づいてしまった。
『こ、こいつまさか、もう……??』
「…………そっか、まあ、いいや(苦笑)」
パニックに弱い斑目は、咄嗟にそう言うのが精一杯だった。
そして昼休みの終わりが迫っていた。
立ち上がりながらわざとらしく腕時計を確認すると、
斑目は扉に向かう。
「じゃーまたな。俺は仕事に行くわ」
動揺を隠すようにハイテンションで部室を飛び出すのだった。
「あ、どうも、じゃーまた」
笹原の声を背中に受けて仕事に向かうが、たぶん斑目は、
すぐには仕事にならないのではないだろうか。。。
『くっ、笹原のヤロウ…めでたいんだけど………
 早い、早すぎるよカンジさん!』
その背中は哀愁を帯びて、男の魅力を無駄に増すのだった。