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おひっこし 【投稿日 2006/03/17】

カテゴリー-他漫画・アニメパロ


酔った勢いで「咲が好き!」とカミングアウトしてしまった斑目!
その時は笑って相手にされなかったが、一度封を切られた思いは止まらない!
斑目の思いは届くのか!そして咲の選択は!!

とある居酒屋にて…
「俺は春日部さんが好きだ!」
「それはもう聞き飽きたから違う事言ってください」
斑目の魂の叫びに、投げやりに荻上が答える。しかし酔っ払いには聞こえない。
「春日部さんのいいトコロ、それは…名前がオタ臭い事だ!」
「本人聞いたら怒りますよ」
大野の忠告も聞こえない。
「そんな女(ヒト)に憧れていましたッ!」
「そうか、わかるわかる、わかるぞ斑目!」
「全然わからない上にそれは俺のビールです!」
出来上がった斑目。出来上がった田中。一人苦労する笹原。
いつの時代も「酔ったもの勝ち」なのは間違いない。
「ごめんごめん。遅くなっちゃった」
「春日部さーん!!」
咲登場。斑目の目が光る。勢い良くダイブ。
右ストレート一閃!カウンターぎみに決まってノックアウト。カウントの必要も無し。

「高坂さんは今ごろは飛行機の中ですか…」
「海外研修ねえ…エロゲメーカーが何を研修するんでしょうね?」
「こっちが聞きたいよ」
荻上・大野・咲の会話が続く。不意に大野が真顔になると、咲に詰め寄った。
「ところで、ちゃんと反対しましたよね?」
「あー…いや。なんかエゴを押し通しているようで嫌だったし」
「平気そうな顔をしているからですよ。たまには咲さんのエゴを通したって構わないじゃないですか」
「アハハハハ。やっぱ惚れた弱みかもね」

夢うつつのなかで彼女の声が聞こえる。

出会った時から彼女の傍には 常に高坂の影がつきまとっていた
それは今も…あの男は どんな遠方にいても
見えない糸で この女(ヒト)を 縛り続けるだろう
ああ神よ! 今この
そこにあるのに 手が届かない
蜃気楼と 旅人のような関係は
いつか終わる日が 来るのでしょうか

「まさにツェノンの背理!!」
「なにがツェノンですか」
斑目の叫びに荻上の冷静なツッコミが入って、宴はお開きになった。

翌月、部室にて…
「1,2…1,2…イチ、ニイ…。だめだ、何度数えても二万は二万だ…先週までは確か五万あったはず…残りはどこに…」
財布の中身を数えつづける斑目。かなり鬱陶しい。
「いや、そんなことはいい!今現在寂しくて苦しんでいる彼女に対して、自分ができることは何なのか…そういうメタ認知が大事なんじゃないのか!?メタ認知が!」
三万円を限定版ソフトに使い込んだことを思い出した後ろめたさか、声を上げて演説をぶつ。
「うるせえよ。何がメタ認知だ」
「恵子クン…君がされると嬉しい事って何だ?」
「物をもらう。あとチュー。高坂さんなら『みかん』!」
(やはりプレゼントか…)
決意を胸に部室を出る。とはいえ、彼女の好きそうな物など見当もつかないので、とりあえず田中あたりに聞いてみる事にした。
「プレゼント?やめといたほうがいいよ。大して親しくも無い人間から、いきなり物を送りつけられたら向こうはどう思う?十中八九引かれるよ。」
「そ、そういうものなのか?」
かつての思い出が胸を過ぎる。
「大体そう言うのが有効なのは、元々モテる奴だけだよ。だから変に小手先に走らないで、地道に合う時間を増やしていけばいいんだ」
「つまり、具体的には?」
「連れ出せ!」

「…デートか」「そうだ」

その後のとある日。珍しい事に全員揃っての昼食後。
「春日部さん!実は今度実家の方で『珍獣』を飼ってみよう、ということになったのデスガ、でも『珍獣』といっても色々あるノデ、今度第三者の判断も考慮に入れて決めてみたいとオモウノデスガ…
ヒマだったらでいいですから、一緒に動物園で『珍獣選びの旅』に付き合ってもらえまセンカ?」


二分経過。
「…え、それって…動物公園とか?」
「いや、場所はどこでもいいんだけど…そうだな、あそこならコアラもいるし…」
「斑目、コアラ飼うの!?」

「わたし今まで生きてきて、こんなデートの誘い方初めて見ました…」と大野。
「俺もだ…」と田中。
「初デートが『動物園』…」と恵子。
「みんな聞いてるのに場所をバラすとは…」と朽木。
ある意味盛り上がっている斑目と咲を除いた面子が、顔を会わせて囁きあう。
その影でデートの誘いをかける笹原。頬を染めてうなずく荻上。
斑目の下手な誘いを聞きながら、そんな二人を視界の隅に捕らえて、咲は答える。
「いいよ。ただし、割り勘ね」

当日、斑目は咲との物価の違いに愕然とすることになる…

また時はながれ…
「「「高坂(くん)が帰って来るって、本当(です)か!?」」」
大野の持ってきた情報に、斑目・田中・笹原が驚愕する。
「海外研修って半年じゃなかった?まだ三ヶ月だぞ?」
「ですから、一時帰国らしいですよ。実家に顔を出したら、また戻るんじゃないですか?」
「…」
斑目は沈黙している。
大野はどこからか取り出したマスクをつけると、斑目に話し掛ける。
「そういうわけで、残念ながら斑目さんの蜜月はおしまいです。なにか進展ありました?」
「…そんな…残念なんて…。嬉しいニュースじゃないか。春日部さんの喜ぶ顔が見れるのが…俺には一番…」
斑目はそこまで言うと、後は言葉も無く、よろめきながら部室を出て行った。

一方空港では…
向かい合う『三人』の男女。
「…まあね。そんな事もあるかも、っては思ってた」
「きついスケジュールの中で泊り込んで作業してりゃあ、傍にいる人間に情が移ることもあるさ」
「…誰が説明を聞きたいなんて言ったよ」

数日後…
「えー、『国際派プログラマーを囲む会』は諸事情により予定を変更して、『カツオの海に漕ぎ出す女』で乾杯したいと思います」
「「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」」
「…」
笹原の言葉でそれぞれに乾杯する。
「ありがとね。こんな盛大に送別会してもらって」
咲が笑い飛ばす。そんな姿に大野が食って掛かった。
「咲さん!そんな笑ってないで、もっと怒ってください!大体悪いのは高坂…」
「あははは、大野、もう良いってその事は!」
「春日部さん、この男にもなんか言ってやってくれる?いまだ現実が把握できていないみたいだから」
田中の指す方向にはうなだれる斑目。
「斑目には悪いと思ってる。…だから、斑目の童貞は大野に任せたから!」
「ええ!?」
「大野さん実はワタクシも童貞で…」
朽木が衝撃の告白をする。そして田中の鉄拳制裁をくらって沈没した。
「お前ら何でそんないつもどおり飲んでられるんだよ!童貞とかそんな事どうだっていいんだよ!春日部さんと会えなくなるかもしれないって時に!!」
斑目の叫びには全くかかわらず、全く普段どおりに宴は煮詰まっていったという…

宴のあと…
斑目と田中はそろって酔いを冷ましていた。
「飲み会までやっといて何だけど、まだ納得できないよ、俺は…。そんなに…そんなに遠くに行かないと…癒せないモノなのか…」
「お前は…毎日毎日そんな話ばっかりしてるけど、大事な問題から目を反らしてるってわかってるか?」
「何が!」
「引っ越そうがしまいが、卒業したら赤の他人だろ?その後も個人的に会いたいなら先輩後輩以上の関係を作っておかなきゃだめだろうが。目当ての女性の彼氏が単身外国行き、というチャンスを見送って棒に振った男にショック受ける資格なんてないよ」
「…ああそうだよ…俺が全部悪いんだ…でも、お前には弱者をいたわる気持ちが無いのか?」
「実は俺、癒し系とか嫌いなんだ」
「…」
斑目は地の底に沈む。それを横目に田中は言葉を続ける。
「それよりかわいそうなのは笹原だよ。実は荻上に親の決めた婚約者がいて、しかもそいつが元華族の官僚予備軍というんだから…」

そして引っ越しの日。
皆が気を回したのか、実際に手伝いにきたのは斑目ひとりだった。
荷物を全てトラックに積み込み、最後の別れの時が来る。
「春日部さん…」
「…今、何か…一言言ってくれれば心が変わるかも…」
咲の顔にかすかに寂しさがのぞく。
「す、好きです!」
「いや、さすがにそれは何度も聞いたから」
「あ、ええと、ちょっ、ちょっと待って下さい!」
斑目は必死に考える。しかし考えれば考えるほど何も思いつかず、頭の中は真っ白。ついでに視界まで真っ白。
エンジン音に気がつけば、トラックはすでに動き出し、助手席から顔を出した咲が斑目に叫ぶ。
「ごめんごめん!うそだよー!」「愛してるよ斑目ー!じゃあねー!」

「…『結婚しよう』だったのかな…」
もう影も見えない彼方へ向けて斑目は呟いた。

そして…
朝の光の中、咲はトラックから新たな自宅へと荷物を運んでいた。
そして見た。そこにはありえない姿を。
「な、なにしてんの?斑目」
「いや、ちょっと通りかかったので、手伝える事でもあれば、と…」
「…通りかかったって…ここ四国…」
斑目は顔を赤くして、頭を掻いている。
「…あー、じゃあせっかくだから…」
「ハイッ!」
威勢のいい返事をして仕事に取り掛かる。

咲は引っ越し前に大野とした会話を思い出す。
「自分を知ってる人間が誰もいない土地での生活ってどういうのかねえ。楽しみで仕方ないよ」
「馬鹿ですねぇ。しがらみっていうのは、捨てたつもりでもついてくるものなんですよ」
「アハハ、じゃあついてきたものだけは、せいぜい大事にするか」

(大野に予言の力があるとはね…)
懸命に働く斑目を見て思う。なぜか笑いがこみ上げてくる。
堪えきれずに吹き出す。笑う。だんだん声が大きくなる。
「な、何をわらってるんだよ。これでも一生懸命やってるのに!」
ふてくされる斑目を見てさらに笑う。

こんなに笑ったのは久しぶりかもしれない。

咲の笑い声が空に消えていった。

外伝

荻上のコミフェス参加前の木尾神と編集との会話。

編「言わせてもらいますよ!今時外人つるぺたロリ、無愛想キャラなんてどっかのパクリのようなキャラクターを出すというのは、シリーズを重ねるたびに新キャラを出して話題を繋ごうとした某アニメと同じくらいかっこ悪いと思うんスケドね!!」
神「たわけ者ッ!」(劇画調に)
神「わかったよ…じゃあオメーはどーゆー風にしたいわけ?『げんしけん』を」
編「どうせ外人なら巨乳でしょう!巨乳でコスプレでエロス爆発!」
神「…お前くらい言いたい放題言えたら日本人はハゲずにすむのにな」
編「じゃあ、エロはなくても構いませんから…とにかく、巨乳でコスプレ、これは譲れません!」
神「馬鹿野郎、巨乳コスなんてな、大野がいればそれでいいんだよ!」

これはフィクションであり、妄想であって、現実のいかなる人物・作品とも無関係です。