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月と太陽 【投稿日 2006/03/17】

MとSの距離


MとSの距離  その2 「月と太陽」

 笹原との会話から、三日が過ぎた。
(もうそろそろ大学も夏休みが終わって後期日程に入るな…。
そしたら、また部室に皆が集まるだろうな。
…きっと、春日部さんも来るだろう。まだ合宿から一度も会えてないけど。)
そう考えると、少し気が楽になる。
その時を楽しみに思いながら、今日も弁当持参で部室のドアを開ける。


咲「よ、斑目」
斑「!?」
そこには春日部さんがいた。
咲「どしたの?そんなとこつっ立って。部屋入らないの?」
斑「あ、ああ!いや、入るよ、うん」
斑目は急いで部室に入り、後ろ手でドアを閉める。
(うわ、びびったー…休みの間は来ないと思ってたから…。)
春日部さんは左手前の席に座っている。
斑目は出口側の席に座り、春日部さんの横顔に話しかけた。
斑「ひ、久しぶり」
春日部さんは、ノートパソコンでなにやら文章を打ちこんでいる。
咲「んー?そんな久しぶりだっけ?合宿のとき会ったじゃん」
斑「…合宿って、あれからもう三週間以上は経ってるんですが」
咲「そっか。もうそんなになるんだ」

 春日部さんは、ずっとノートパソコンの画面を見ながらキーボードを叩き続ける。
おかげで春日部さんの顔を見ていることができた。
(ホント久しぶりだよなあ…)
斑目は弁当を取り出しかけ、ふと気づいて携帯を出して時間を見る。
(あと30分はここにいれるな)
そう確認して、すぐ時間を見られるように携帯を机の上に置いた。

斑「…今日はなんか大学来る用事あったの?」
咲「んーなんか、大野に呼び出されてさ。今日部室に来て欲しいって」
斑「あ、じゃあ、もうすぐ来るんか……」
咲「それがさ、さっき連絡あって、遅れるって言ってた。あと一時間は来れないってさ。
まーいいけどね。私も、他に来る用事あったし」
斑「ふーん…」
(大野さんGJ!!)
咲「さて…」
春日部さんはひと段落ついたらしく、ノートパソコンをパタンと閉じる。
咲「あと一時間かあ……なんか今日は、久々に予定ないんだよね。大野に会う以外」
春日部さんは、その場でうーんと伸びをする。
斑「けっこう忙しいんだ?」
咲「まあね。でも昨日でようやく目途がついたから。もうすぐ後期の授業始まるし。
とはいっても、もうあんまり授業ないけどさ。単位もあと少し取るだけだし。」


斑「あーそだね。もう4年の後期だからね…。」
(そうか…じゃあもうここに来ることも少なくなるのかな……)
少し心が沈んだ。
咲「そういや知ってる?笹原と荻上」
斑「ん?ああ。うまくいったんだってな、あの二人」
咲「まあそこまではいいけどさ。あの二人、もうやっちゃったらしいよ。つき合ってすぐ」
斑「……ハ?」
咲「大野が言ってたんだよ、カマかけてみたら、荻上がぽろっとそんなようなことを言ったんだとさ。
『私のときより早いなんて…』って、大野ショック受けてたよ。」
斑「………………」(////////汗)
咲「まーでも、笹原ああ見えて押しが強そうだもんね!特に最近は、男らしくなったっていうかさ。その勢いで押し倒したんだろうねー。
あ!これ大野に口止めされてたんだった。私が言ったってことは内緒にしといてな。
でもいいじゃんねえ?別に悪いことじゃないんだしさー」
斑「……あーソウネ…あははは……」
斑目はもう苦笑するしかなかった。
(笹原、スゲー……あの荻上さんと……)
荻上さんはガードが硬そうなイメージがあるので、余計に尊敬する。

咲「んで、あんたは?」
斑「へ?何が」
咲「彼女作らないの?」
斑「!!!???」


 話の矛先が自分にも向けられ、慌てる斑目。
咲「あんたってあんまりそのテの話ないけど、興味ないの?」
斑「え、いや、え、そんなことはねーけど……」
咲「好きな人とかいないの?」
斑「い、今は別に……」
必死にはぐらかす斑目。
咲「ふーん、つまんない奴だねエ」
咲は興味を失ったようで、それ以上は聞いてこない。
(よ、良かった……)
ほっと息をつく。


その時、笹原が言っていた言葉が頭をかすめた。
『急にチャンスがあったんですよ。
今告白できるタイミングだ、っていう瞬間があって…だからそのまま言った、という感じで…。』
(……え?)

(え?いや、ちょっと待て。いや、言わないって決めただろ!)
『言わずにいるのがしんどかったんですよ。自分の気持ちに嘘ついてるようで…。』
(……嘘を)
ドクン、と心臓の音が大きく響いた。
(今は好きな人いない、なんて嘘を)
急に胸の辺りがきりきりと痛み出した。


咲「そういや、荻上………」
斑「好きな人はいる、ホントは」
咲「へ?」
思わず口をついて出た。
喉が鉛を飲み込んだように苦しい。

咲「…へー!誰?誰?」
斑「……春日部さん」
咲「ん?何?」
ただの呼びかけだと思った春日部さんは、聞き返す。
斑「…え?いや……その………、
春日部さん、なんだけど………………」

咲「………へっ!?」
斑「………………」
春日部さんは、笑った顔のまま、目を見開いた。
咲「へ?は?え?」
動揺して横を向く。
咲「え?何…冗談?」

(うわ……、駄目だ!!やっぱ駄目だ!!
冗談にしないと!ここで『なーんてな!冗談に決まってるだろ』とか言わねーと!!
ほら早く言え、俺!!!)


………………言えなかった。
はぐらかすなら早く言わなきゃいけないのに、言葉が出てこない。

斑「…………俺」
代わりに別の言葉が口をついて出る。

斑「春日部さんが好きで……」
顔をあげていられなかった。思わず下を向く。
春日部さんの反応が怖くて、そっちを見ることができない。

「…………………………」
沈黙。空気が痛い。

(しまった…。やっちまった……。こんな空気になるんなら言わなきゃ良かった……!!)
後悔の波が、体中を震えさせるのを感じる。どっと冷や汗が出る。

咲「……そ、そうなんだ」
ようやく春日部さんが声を出す。
斑「…………………………」(汗)
咲「………………で?」
斑「はい?」


咲「いや、続きは?」
斑「……続きって?」
斑目は呆けた顔で聞き返す。
その顔に、咲も呆けた顔をする。
再び沈黙。
(え、何だ?言ってる意味がわからん…)
緊張しすぎて頭が回らない。

咲「その……、だから、こういう時は普通、口説いたりするもんじゃないの?私が言うのも何だけど」
斑「そうなの?」
咲「そうなのって……じゃあ何のために告白したんだよ?」
春日部さんの眉間にしわが寄る。
斑「え、いや、思わず言ったって感じで」
咲「はぁ!?」
春日部さんはだんだんイライラしてきたようで、語気が荒くなる。
何で怒り始めたのか、さっぱり分からない。
慌てて言葉を続ける。
斑「いや、だってよ!春日部さんには高坂がいるし!春日部さんが高坂にベタ惚れなのわかってるし!!
間違っても俺なんか付き合えないって、分かってるよ!だから口説く気なんてないし!!」

一気に言うと、斑目はうなだれ、再び下を向く。ぽつりと一言付け加える。
斑「口説いたり出来る訳ねーじゃん…………」


(そうだ。そんなこと、出来る訳ない)
 この4年間、痛いほど感じてきた。
一緒に寿司を食べに行ったとき、春日部さんと高坂が一緒にゲームをやったと聞かされた。
花火のゲームをやったくらいでは、オタクとはいえない。
春日部さんがオタクになれた訳じゃないし、高坂が特にハマっていたゲームって訳でもないだろう。
でも。
二人が、お互いの距離を埋めるために、お互いに努力しているのだと痛感した。
二人の強い絆を見せつけられた、と感じた。

同時に、自分が恥ずかしかった。
(俺は距離を埋めるための努力をしたことがあるか?)
寿司屋に行く前にとった自分の行動を思い出す。
春日部さんがせっかく挨拶してくれようとしたのに、一般人の友達と一緒だからと、無視した。
春日部さんとは価値観が違う。住む世界が違う。
そう思うことで、気持ちを押さえつけようとした。
「別の星の人」だと思いたかった。
でも、春日部さんはいつのまにか「こちら側」のことを理解している。
初めのころはあんなに嫌がっていたのに。
こちら側の人間ではないのに、こちら側のことを理解しようとして、努力してきたのだ。高坂のために。


春日部さんがずっと「別の星の人」でいてくれてたら。
そしたらすぐ、諦めもついたのに。
オタクのことなんか理解しないでいてくれたら、
「別の星の人」の存在を、自分自身の弱さを、許すことができたのに。

そして、気づいてしまった。

(オタクとか、そうでないとか関係ないんじゃないか。
一人の人間として向き合ったとき、今の俺は堂々としていられるだろうか。
春日部さんを好きだって胸を張っていられるだろうか。
見込みがない、とかそういう問題じゃない。俺は今のままでいていいのか?)

結局は自分の問題なのだった。距離を縮めようとする努力。
それがどんなに、気の遠くなるような距離であったとしても。何もしない限りは縮まるわけがない。

だからこそちゃんと就職することを決めたし、同時に、これだけ春日部さんと高坂の絆の強さを見ても、なお好きだと思ってしまう自分に対しても覚悟を決めなければいけないと思った。
(いや、そんな春日部さんだからこそ、好きなのかも知れない)
好きでい続ける覚悟。それがどんなに茨の道であっても。


そして今。
就職もした。覚悟も決めた。でもまだ足りない。まだ届かない。
それなのに言ってしまった。

斑「…………………………」
うなだれたまま、後悔だけが頭を巡り続ける。
(俺は馬鹿だ……)
初めて部室で二人きりになったときのように、何も言えない。
俺はあのころと何も変わってない。
ただなんとなく告白してしまった。


(…いや、そうじゃない)
自分の心の声が反論する。
(なんとなくじゃない、俺はずっと言いたかったんだ。
言えないことが、自分の気持ちに嘘つくのが、辛かったんだ。
……まだそれを言ってない。言わないと)

斑「……俺は」
かすれた声で、ようやく話し始める。
顔を上げようとしたが、上げることができないまま。


斑「けっこう前から、春日部さんが好きだったんだけど………高坂がいるからと思って、言えんかった。
高坂がいい男だからとか、そういう以前に、春日部さんが高坂のこと本気で好きで努力してんのが分かってたから。
そういう春日部さんが好きだったからさ……。」
抑えていた気持ちが溢れ出すように、言葉が溢れ出す。
斑「本当に、口説こうとかそんなんじゃなくて…ただ、言いたかったんだ。好きだって。
言って楽になりたかった。春日部さんが困るだろうって、分かってたけど……。
好きな人いないって、春日部さんに嘘をつくことになるのが辛くて…………。」

(情けね~~、俺……)
出てくるのは弱音ばかりだ。
弱い自分。認めるのは辛いが、それが本当の自分の姿なのだった。

斑「…………………………」
沈黙。

(春日部さんが何も言わない……。呆れてるんだろうか。…呆れられても仕方ないよな。)
さっきは春日部さんの反応を見るのが怖かったくせに、今はどんな顔してるのか気になって仕方ない。
(言いたいことは全部言った。もう何もない……。
あとは、さっさと断られよう。フラれるイメージなんて、今まで何度も何度も想像してきた。
それで終わりだ………この長かった恋も。)

そう覚悟を決めて、顔を上げる。


 春日部さんの横顔が視界に入る。
春日部さんの顔は、今までにみたこともないほど真っ赤になっていた。
斑「……へ?」
予想外の反応に、思わず驚きの声が漏れる。
咲「……………………」
春日部さんは、うつむいて顔を真っ赤にしたまま動かない。
斑「……春日部さん?」
咲「…………うん」
春日部さんはようやく返事だけすると、意を決したように斑目のほうに向き直った。
真っ赤だが、真剣な顔で。驚いたことに目が少し潤んでいる。
咲「ありがと」
一言そう言った。

斑「………?」
(……………何で「ありがと」なんだ……?)
分からないので、そのまま聞いてみた。
斑「『ありがと』って………?」
春日部さんは、小声で答える。
咲「高坂のこと…努力してるって……それが好きだって言ってくれて…………」
斑「………………」
咲「嬉しかった」

(そんな風に言ってもらえるのか……)
じわじわと体じゅうに感動が広がっていくのが分かる。


斑「……い、いや!お礼なんか別に…自分の言いたいこと言っただけだからさ………」
傷つくのを覚悟していたのに、この体中に広がる暖かさはなんだろう。
頭がボーッとして、自分が何を言っているかもよく分からない。

斑「俺は…………」
(いま、縮まったか………?少しでも…………距離が…………)
もしかしたら、「口説く」というのをできるのは今ぐらいしかないかも知れない。
今を逃したら、もう一生チャンスがないかもしれない。たとえ結果が見えていたとしても。

斑目は思い切って春日部さんの両肩をつかみ、勢いで言った。
斑「か、春日部さん!!俺は………!!」
咲「うわ!!」

春日部さんは驚いてその手を振り払った。
バシッ

……そんなに強くではなかったが、はっと気づいた春日部さんが顔をあげると、斑目は呆然とした顔でこっちを見ていた。
一瞬、すごく傷ついた目をしたのを、春日部さんは見た。


咲「あ、ご、ごめ」
言葉をかけようとする春日部さんから、斑目は横を向いて目をそらす。
斑「……いや、俺こそ、ゴメン」
さっきまでしどろもどろだったのに、今の言葉は何故かひどく落ち着いて聞こえた。

咲(……あ!「ごめん」じゃ駄目だ。もっと別の言葉で…)
慌ててなにか言葉を続けようとする春日部さんだったが、斑目の声に遮られた。
斑「俺そろそろ、会社戻んねーと……」
そういいながら席を立ち、部室のドアに手をかける。
咲「あ、ちょっ……!!」
斑「あー気にすんな。分かってたから。」
その言葉に硬まる春日部さん。
春日部さんがそれ以上何か言う前に、ドアは静かに閉まった。



……………………


 斑目は早足で会社に戻りながら、自分の感情を必死で押さえ込もうとしていた。

(分かってたじゃねーか。最初からこうなることは分かってただろ!
何で今さら傷ついたりしてんだ。予想はついてただろうが。
全く見込みないって分かってただろ。むしろ良かったじゃねーか!!
完璧に振られることができて!
もうあの暴力女のことは今日で忘れる。きっぱり忘れる。すっきりしただろ!!)

さっき、手を振り払われたことが、ショックでたまらない。
いつものツッコミに比べれば、全然痛くなかった。
でも、心が、今までの何十倍も痛かった。

拒絶された、という思いが、信じられないほど体中の力を奪ってゆく。

(もう………)
(もう、会えないな……。会っても平気でいられる自信がねー…。
つくり笑いをすることもできん、きっと…………。)

(もう会えないのか…………)
拒絶されたのに、まだ会いたいと思っている。
「会えない」未来が、これからのことが怖くて仕方ない。


臆病な自分に腹が立つ。
(そんなだから振られるんだ)
(そんなだから駄目なんだ)
自分を非難する言葉が、心の奥底から渦を巻いて止まらなくなる。
(くそっ…………)
歩く速度がどんどん早くなる。
会社に戻りたくなかった。だが、サボったところで他のどこかへ行きたいわけでもなかった。
会社に着くまでに、自分を取り戻そうと必死で感情を抑えこみながら、ひたすら歩き続けた。


………………

コン、コン。
部室のドアが叩かれる。
大「咲さーん、いますかーー?」
大野さんは開ける前に、中に声をかけてみた。
返事がない。
(あら?いないのかしら。まさか帰っちゃったとか?いやいや、トイレかもしれないし……。)
そう思いながら部室のドアを開ける。

そこには咲がいた。
椅子に座って、窓のほうを眺めている。


(返事しないなんて珍しいな…。来るのが遅れたこと、怒ってるんですかね?)
大「咲さーん!すいません、今日は……」
話しかけようとして、咲の様子がいつもと違うのに気づいた。
大「……咲さん?」
咲は疲れきった顔で、一言だけ、
「よ」
と言った。
大「……どうしちゃったんですか?」
咲「………ちょっと今、説明しにくい」
大「ええ?」
咲「落ち着いたら、話すから…………今はゴメン…」
(咲さん…………なにか落ち込んでる?)

見ると、机の上には手をつけられていない弁当と、どこかで見た覚えのある携帯が載っている。
大「あれ?この携帯……」
携帯を手にとる。
(これ、だれの携帯だったかしら…………。)
咲「え…携帯?」
大「ここにあったんですけど、これ、誰のでしたっけ?」


 家に帰る間、斑目は今日のことを振り返っていた。
会社に戻ってから、さすがに様子がおかしいのは同僚に気づかれた。
「昼からなんか腹痛くて…弁当にあたったんですかね」
そう言って、つくり笑いをした。同僚の前では、まだ笑うことができた。
「いや、大丈夫です、大したことないんで」
早退するのは嫌だった。もし早く会社を出て、大学の前なんかでまた偶然にでも会ってしまったら。
その可能性を考えただけで、肋骨のあたりがキリキリと痛む。

いつものように定時にあがり、ゆっくりと家までの道のりを歩く。
今日は疲れた。でも早く家に帰りたいと思わない。
もう何も考えたくない。

ただひたすらに歩く。自分の家がようやく見えてきた。
(今日はもう寝てしまおう……)
そう思いながら、玄関までたどり着き、スーツのポケットから鍵を取り出す。


「斑目」
後ろから名前を呼ばれた。聞き覚えのある声。
斑「!?」
あわてて振り向くと、そこには春日部さんの姿があった。


(な、なんでここに春日部さんが!?)
あまりにびっくりして声が出ない。
咲「これ、忘れてたよ。」
そう言って春日部さんは携帯を差し出す。
斑「えっ!?あ、あれ?何で春日部さんが…………?」
咲「それ、部室に忘れてたから。…というか、携帯忘れてたこと、気づいてなかった?」
春日部さんは、あはは、と少し呆れた顔で笑う。

(ああ……、いつもの春日部さんだ………………。)
さっきまでの重苦しい気持ちが、少しだけ和らぐ。

斑「あ、ありがとう…………。そんじゃ……」
咲「…………」
斑「……?ど、どしたの?」
咲「ちょっと話、いいかな」
斑「え?」
咲「ここではちょっと何だからさ、あがらせてもらっていい?」
斑「……………………」
咲「何よ。駄目なの?」
斑「い、いや!!そんな!どうぞどうぞ!!!」

斑目は慌てて自宅のドアを開けた。
春日部さんが部屋に入ると、ドアはゆっくりと閉まっていった。

             「月と太陽」 END    続く。