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君という花 【投稿日 2006/02/21】

カテゴリー-現視研の日常


「荻上さんも、珍しくスカートですなぁ……」
今日は斑目たちの卒業式、打ち上げ。
斑目と笹原がテレパシーで会話しつつ、二人して
咲と荻上を見ていたのではない。
斑目は咲を見て悶々とし、笹原は荻上を見てたかぶっていた。

大野の「天罰ですね!」のあとも、今宵の宴は長丁場だ。
ガックリくるものの、大野の喜びに気圧されて落ち込み切れない
田中を巻き込んでクッチーがテンションを上げていく。
「さあ!くじびきアンバランスでも皆すぁんで合唱しましょうッ!」
「ばか、よせ!!」
「現視研、春から大丈夫かな~(汗)」
「焼酎ロック…いえ、ボトルでくださーい」

斑目がトイレに立って、笹原からは座布団の向こうに荻上が見える。
『今日はなんだか、女の子として意識しちゃうな…どうしたんだろ、酔ってるのかな』
笹原がドキドキしているのは酒のせいか、恋心か、欲情か。
スカート履いただけでこんなに効果があるとしたら、これ以上のものを
見たとしたら笹原は死ぬんじゃないだろうか。
「ん…ちょっとラフレシアを摘みに」
その時、荻上がテーブルに手を着いて、膝をこちらに捻って
片膝立ちになり、立ち上がった。
パンストは履いていないので、膝の白い肌が笹原の目に痛い。
視界の端でだが、意識を集中してしまう。
女の子としての動作はもちろん身についているが、
普段ズボンしか履かないということもあってか、なんと一瞬だが
笹原には、荻上の東北美人らしい色白な太ももの広がりの、さらに奥に
小さな黒い布地を見てしまった。

『えっ!?うわっ………!!!!!』
パニック。思考停止。
みるみるうちに顔が真っ赤になる。
荻上は正面を向いていたので笹原の変化には気付かなかった。
笹原はジョッキを持ったまま固まっている。
そこへ戻ってきた斑目が声を掛ける。
「おまっとさん。ん?笹原、大丈夫かおめー?」
「え…?? な、何がデスカ?」
「なんかお前、顔がすごい赤いぞ」
「マジですか? えーと、えーと、飲み過ぎましたかね?ハハハハ」
なんとか誤魔化す笹原だった。
そこへ向こう側の咲が声を掛けてくる。
「斑目ー、とりあえずおめでとさん。こっち座りなよ。乾杯しよ」
「いっ?あ、俺、卒業だった」
「何言ってんのよ~。酔っ払い過ぎじゃないの?」
そして荻上が座っていた座布団に斑目が座る。
斑目と荻上の取り皿や箸、グラスは場所を交換になった。
そこへ戻ってくる荻上。
「あ。こっちになったんですね」
「うん、お皿とかグラスは移してるからね」
荻上の顔は見ずに話しかける笹原。
料理を取り分けながらなので余り不自然ではないが…。
『荻上さん…今日の下着は黒いのか……いや、考えるな俺!』
その脳内は大変な葛藤だった。
とりあえず笹原は手にしたジョッキを一気に空けた。
荻上としても、この時点では現視研内でまともに話をするのは
咲と笹原ぐらいで、移動は問題なかったので素直に横に座った。

「なんか今日で四年生の人達が去っちゃうなんて実感わきませんね」
「んー、そうだね」
などと会話をしながらも、意外としっかりした荻上のふくらはぎが
笹原の精神を侵食してくる。
「あ、次の飲み物、何か頼みますか?」
「生中で頼むよ。あ、いやもう、生大でいいや」
「え?良いんですか?」
「うん、今日は飲みたい気分でね」
「笹原さんにとっては特に思い出深い先輩方ですもんね」
再び、オーダーを頼みにちょっと立つ荻上。
笹原は本能的に荻上の足に目が行くのを強固な克己心で抑えた。

笹原はその晩、今までの人生で最大量のビールを呑んだ。
居酒屋の帰り道、千鳥足の笹原に斑目が肩を貸す。
「おいおい、卒業生と在校生が逆じゃねーの、これって(苦笑)」
「やー、斑目さんが近くで、俺、嬉しいっすよー」
そんな様子を見ながら少し後ろを歩く女性陣。
咲は少し身震いをした。
「うー、まだまだ夜風が寒いねぇ。オギーもスカート大丈夫?」
「……えっ?あ、はい」
「どうしたの?オギーも酔った?」
「いえいえ、大丈夫です!」
「寒いネェってさ。東北育ちだから大丈夫?スカート珍しいから」
「あー、これはですね……下に、中学の時のブルマ、履いてるんですよ」
小声で答えた荻上だが、その言葉は笹原のハンター化した耳に
しっかりと届いた。

『あの黒いのはブルマだったのか……でも中学の時のって……』
ドキドキドキドキ
『それはそれで、ありだな!!』
中学生の荻上の体操服姿を思い浮かべる笹原。
「おいおい、笹原。もうちょっとしっかり歩けよ」
「ああっ、すみません」
斑目に注意を受けて我に返る。

その頃、荻上は笹×斑の妄想がフル稼働中だった。
『うわー、弱った攻めを介抱する受けってのも、アリだなぁ』
今夜の様子でまたイラストが増産されることだろう。
こんな笹荻二人の物語が、春から始まるのだった―――。
お似合いの二人なのだが、本当の春はまだまだ遠い。


真のタイトル:ぶるまつり