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秘密の夜~失墜の魔法使い 【投稿日 2006/01/05】

カテゴリー-斑目せつねえ


荻上が上がってからまもなく、風呂から最後に上がってきたのは笹原の妹、恵子だった。

さすがに風呂上りではいつものあのケバイ化粧は無い。
笹原似ですっきりとした柔和な顔立ちの、案外馴染み易い顔が部屋を横切る。

斑目「へぇ…化粧を取れば案外普通…」
いつもの、外見からして自分たちを拒絶してるかのような恵子の
意外な側面を見たような気分になった。
化粧の濃い女の場合、すっぴんになると見られたものじゃない女の方が
多いのではないかと思うが(それは偏見か?)、恵子はむしろこっちの方が
ずっとかわいく見える。つーか、やっぱ普段のギャル化粧がありえねーよな。
こうして見れば結構かわいい方なんじゃないのか…?
女だらけの飲み会に向かう元気な笑顔も、この顔でなら実に素直ないい子に見え…
斑目「はっ!! いやいや俺は何を考えているんだ!!」

そのときふと視線を感じた恵子がそっちを見ると、慌てて目をそむける斑目が目の隅に入った。
恵子「ふーん・・・・?」


そして翌日の夜。
夕方のドタバタ騒ぎから無事に笹荻のカップルが成立し、祝福・野次馬に盛り上がる合宿面子。
斑目も最初こそ、その席で一緒に「いやー。あの笹原がねー!」などとわめいていたが、
1度トイレに行って戻ってみると、何だか場違いな空気を感じてしまう。
なんで俺が他人の恋愛を祝福せねばならんのだ?
斑目「…オタクの風上にもおけねーよなぁ」
などと一人ぼやいてみる。
もちろん、それが単なるひがみでしか無いのも分かっている。

何となくすぐに飲み会の席に戻る気になれず、コテージの外に出てその辺をぶらつく。
林の中は思ってた以上に真っ暗で、その闇の中にうるさいほどの虫の音が響く。
暗い森の中でしんみりと佇みたいと思ってたが、これも案外落ち着かないものだ。
あまり雰囲気にも浸れそうにないので、いっそその辺にどかっと座ってしまうことにした。

今日一日、春日部さんは俺らと共にみんなで行動してくれた。
てっきり高坂と2人でどこかへ遊びに行ってしまうのかと思ってたので、これはうれしい誤算だった。
だが、高坂と一緒に遊ぶ春日部さんというのも初めて目の当たりにしたわけで(海のときもほとんど別行動だったしな)
斑目「…あんなに…楽しそうな表情をするもんなんだな」
咲本人は大して意識してるわけではないのかもしれないが、やはり高坂に向かっているときは
ひときわ華やかな笑顔だったように見える。久々に高坂と遊べたことも大きいのかもしれないが。
斑目「ちぇっ。俺らなんかに気を使わず、田中たちみたいに2人で遊びに行っても良かったのによ…」
そう、つぶやいて頭上を見やる。
木の間に光る星の輝きが目に映った。
そして目を閉じる。
暗い、林の闇の中に俺は独り───

恵子「斑目さん」
斑目「う、うわっ!?」
いつの間にか後ろに笹原の妹が立っていた。
恵子「ねぇ斑目さんってさぁー・・・ひょっとして私に興味ある?」
斑目「(びくっ)な…何をイットルのかね。君は!?」
恵子「いや。ねー。オタクってどんな女に興味あるのかな、と思ってさ」
と、笹原の妹は唐突な質問をしながらすぐ後ろの辺りにしゃがみこんできた。
予想外の2ショットに、斑目は思いっきり困惑する。な、なにを答えろと言うんだー!?
恵子「うちの兄貴とアレはさー。…まぁ正直すげー趣味わりーと思うんだけどさ、今まで
   くっついてなかったのが不思議に思えるくらい馴染んでた2人だから、ま、分かるのよ」
斑目「そういうもんですかね。恋愛経験の無いワタシにゃ分かりませんよ」

恵子「でもさ、高坂さんはまー別格として、大野先輩の彼氏もえっれー濃いオタクみたいだし。
   オタクだからって結構ふつーに恋愛してんのね、みんな。絵の女にしか興味ないのかと思ってたよ」
斑目「・・・・・」
恵子「斑目さんは?誰か好きな女っていないの?それってどんな女?ねぇ、教えてよー」
斑目「いや、どんなって言われても…」
恵子「ねぇ…。私って、そんっっなに魅力ないかな。そりゃねーさんに勝てるとは思わないけどさ、でも…」
斑目「"魅力ないかな"って、またベタベタに『お約束な台詞』を…」
ゲシ
恵子「ああもう!ホントにあんたらってムカツクねー!!」
仮にも部活の先輩を足蹴にするか、こいつは!
斑目「俺らみたいのにそんな相談をする方が間違ってるんじゃないのかー!?」
恵子「あんたらに相談しないで誰に相談するってのよ。ぶっちゃけ、オタク好みの女ってのを教えれって言ってんの!」
斑目「ナ、ナニー!?」
恵子「もー。兄貴も今になってサカってるしさー!おせーっつーの!!お預け食ってるこっちの身にもなれっつーの!!」
いや、それはただの八つ当たりじゃないのか・・・!?
恵子「ねぇ、どうなのよ!あたしとじゃ全然そんな気になれない!?」
そういって笹原の妹は胸倉をつかんで引き寄せた。暗くてあまりはっきりとは見えないが、顔と顔が超接近する。
しかも笹原の妹の方がコテージ側になるので逆光となり、今もしてるはずのケバイ化粧もよく見えない。
ふと、昨日のすっぴん顔が脳裏に思い浮かび、ドキリとする…
斑目「い、いやー…そそそんなこと無いんじゃネ、ネーノ?た、た、たぶん…」
やべぇ。なんだか声が震えちまってる。
恵子「ホントに?斑目さん、あたしのこと好き?」
ナナナ、ナニー!?そんな風に言った覚えは無いんだが・・・!?


と思った刹那。


唇に暖かいものが触れていた。


おー・・・やわらけー・・・

・・・っておい!舌入ってきてんぞ舌!!
うをををを!そ、そんなあちこち舌をねじ込むものなのか・・・!
やべー。舌が絡み取られる・・・
熱い吐息が流れてくる・・・
すげー・・・これは気持ちイーかも・・・

ハァ…と大きく息を吐き、2人の唇が離れる。
そのまんま、斑目は地面に押し倒され、恵子に覆い被さられる格好になっていた。
恵子の両の手が、斑目の薄い胸に押し当てられている。
恵子「…すごい心臓がドキドキいってんね。ね、経験ないんでしょ?…全部任せてくれていーからさ…」
そして恵子は2度目のキスをしてきた。今度は軽く、チュッチュと音を立てながら。
その間に恵子の右手が、胸から腹、さらにその下へとゆっくり撫でながら移動していく…
その感触に、ゾクゾクするものを感じた。
カチャ、という音。ジー…、という音。少しヒヤリとしたと冷気を感じ、さらに暖かい感触が包む。

あー・・・要するにこいつも春日部さんと高坂さんのラブラブっぷりに当てられて
欲求不満になってるってことかね。まさかこんな形でピ──を捨てることになるとはな・・・



いやでもスマン。気持ちイカった。



って

ワシは誰に謝ってるんだろう。


・・・・・


恵子「…私、先に戻るね」
斑目「あ、あぁ・・・。えーと・・・・何と言ったらいいのカナ」
恵子「ん?まー気にしない、気にしない!…みんなにはナイショね!」
そう言って、なにやら機嫌が良くなったように見える笹原の妹は、軽やかな足取りでコテージへと帰っていった。
斑目「・・・遠い星どころか異次元の世界だ・・・」
斑目は地面に大の字になって寝転がった。
木々の間にチラホラ見える星が綺麗だ。


そういえば。
避妊って全然してなかった気がするが、そこに突っ込むのは野暮なんだろうか・・・?
ワタクシ、何がなにやらゼーンゼン分かりませんよ!!