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*笹原 10:00  【投稿日 2005/12/12】 **[[げんしけん24>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/63.html]] 「・・・・。」 しかめっ面で就職情報を見つめる笹原。 かれこれすでに一時間が経過していた。 (だいぶ減ってきてるな・・・。そりゃそうか・・・。) 出版業は人気の職種だ。大手なら募集も早い。 規模の小さいものでも早々決まってしまうものだ。 (大手も大半は受けたけど・・・。はぁ・・・。) 結果は、今も活動をしている様子を見ての通り。 「ん・・・?」 ふと窓の外から見える道を見ると。 「荻上さん・・・?」 なぜか不機嫌な表情で構内を突き進む荻上。 声をかけようと立ち上がったが、片づけをしてる間に見失ってしまった。 「あちゃー・・・。ま、後で部室で会えるかな。」 少し気分を変えようと、学食の方へと笹原は向かった。
*笹原 11:00  【投稿日 2005/12/19】 **[[げんしけん24>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/63.html]] 笹原が学食に向かうと、まだ昼には早いので、学食の中は閑散としていた。 だから荻上の姿を見つけるのにそう時間はかからなかった。 笹「荻上さん!ずいぶん早いね!どうしたの?」 荻「あら、笹原さんこそどうしたんです?わたしは午前の予定の講義が休講 になったんで、遅めの朝食と早めの昼食を取りにきたんです。」 笹「俺も同じだよ。俺の場合は就職活動だけどね」 荻「大変ですね」 そう言いながら二人は同じテーブルで食事を取り始めた。 荻「いつもあの教授は勝手なんです!」 荻上は憤慨していた。 笹「まあ、俺の時からそういう人だったからねえ・・・」 あいかわらず、怒りや軽蔑、敵意を隠そうとしない。それで漫研でトラブル になったのに・・・難しい子だよな・・・と笹原は思っていた。 笹「午後からは部室に顔出すの?俺もヤボ用片付けてから、顔出すつもりだ けど・・・」 荻「ええ、そうですね、あいかわらず、大野先輩はコスプレの事しか頭にあ りませんけどね!そう、わたし・・・」 と言いかけて荻上は口をつぐんだ。 笹「どうしたの?何か相談したいことでも?大野さんの件は俺からも少し釘 をさしとくけど・・・」 荻「いえ、別に・・・」 時々、この子は不可解な行動や言動を取るな・・・。無意識の行動にも見え る。でも礼儀正しく素直なところも見せる。惠子もこんなだったら、妹萌え もできたかな?と笹原は内心で苦笑していた。 突然、荻上はそわそわし始めた。見ると向こうのテーブルに例の漫研女子が 数人固まって、こっちを見てクスクス笑っている。 荻「わたしこれで失礼します!」 笹「じゃあ、また後で・・・」 荻上は立ち去った。 (荻上さんは何を過剰に意識しているのだろう。不可解だ。サークルの先輩 と後輩が飯を一緒に食っても別に変じゃあるまい。漫研女子の下世話なかん ぐりでも気にしているのだろうか・・・。女子のそういう噂話などよくある ことではないか・・・。でも漫研の女子に一般教養で一緒になった子もいる。 無視はできない。声をかけるか・・・) 笹「やあ、久しぶり」 漫「ひさしぶり!仲いいわね!変わってるでしょ、あの子」 笹原は内心むっとした。そんなことは分かっている。だが彼女を何も知らな い他人からそんな事を言われると何故か腹が立った。 笹「おかげさまでうちじゃ仲良くやってるよ!」 とにっこりして答えた。表情と裏腹の強い皮肉の言葉に漫研女子も黙りこく った。 さて・・・見栄でヤボ用とは言ったものの時間がぽっかり空いてしまった。どうしたものか・・・と笹原は思いながら学食を後にした。

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