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*碧目のすう 【投稿日 2007/01/15】 **[[カテゴリー-その他>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/52.html]] それは、昔の何処かでの話。 昔々、あるところに小さな村がありました。 村人は貧しいながらも何とか生活をしていました。 そんな村の中、一軒の家に目の色が皆と違う、碧い色をした少女がいました。 名前を「すう」といいました。 目玉の柄の綺麗な着物をいつも羽織っていました。 「やーいやーい。青目の鬼子~。お前なんか出て行け~。」 村のほかの子供たちから、いつもそんな風に言われていました。 でも、すうは、何もいわずにせっせと野良仕事に打ち込んでいました。 そんなすうを見て、村の心優しい青年「晴信」は、どうにかならんものかと思っていました。 「あの子は普通の頑張り屋さんだ。」 「しかし、あの目は鬼の目だ。」 「鬼なんているわけないだろ?迷信を信じて・・・。」 「馬鹿!そんな事いうな、村長の耳に入ったら・・・。」 村長は非常に迷信を信じており、すうに対して一番厳しく当たっている人の一人でした。 「・・・彼女はいつから村にいたんだっけか・・・。」 「・・・確か、前の村長が連れてきたんじゃなかったか?」 「あ、そういえば・・・。彼がいなくなってから彼女は・・・。」 「・・・そうだな・・・。」 晴信はやりきれない思いで一杯でした。 しかし、彼は臆病な性格もあってか、助けに出ることもままなりませんでした。 他の人に相談しても、同情はするが無理だの一点張り。 一人、彼が憧れる商人の娘、咲だけは、彼の話に耳を傾けてくれました。 「でも、私の力だけじゃどうしようもないよ・・・。」 「うん・・・。わかってる。すまなかったな。」 「・・・きっと、いつかなんとかなるよ。気を落とさないでね。」 「ああ・・・。」 そうは言うものの、無為に時間は過ぎていきました。 ある年のこと。 村が災厄に見舞われるという占いが出ました。 通りすがりの占い師によるその言葉を、村長はすっかり信じてしまいました。 「どうしたらいいんでしょうか?」 「ひとり、生贄を山に捧げなさい。そうすれば・・・。」 「なるほど・・・。んー、いいのがいますな。」 村人達の前で、大きな体を震わせ、憎らしい声で村長はこういいました。 「すうを生贄にするのだ。そうすれば村は助かる。」 「な・・・!」 村人達は一斉に騒ぎました。 すうを生贄にするのは忍びない。しかし、彼のいうことに逆らうわけにもいかない。 「・・・だれか、すうを連れて山までいくのだ。」 「・・・僭越ながら私が。」 そういって名乗り出たのは晴信でした。 「晴信・・・?」 その言葉に、咲は不審に思いました。いつも彼女を気にかけてる彼が何故? 「・・・そうか。よろしく頼むぞ。これをな。」 「はい。」 晴信は、村長から薬を受け取りました。 村人達がざわつく中、晴信はすうの家に向いました。 「よう、元気か?」 「・・・。」 黙って頷くすう。 「まぁ、一緒に食事でもしようじゃないか。」 そういって、彼は食事の準備を始めました。 彼は、彼女が食べる食事に、先ほどもらった睡眠薬を入れました。 食事が終わり、よく眠ったすうを背負い、山へと向いました。 「不憫な娘だ・・・。なぁ、すう。こんな村嫌だろう?  何処か逃げなさい。荷物は、あとから持っていくから・・・。」 そういう晴信の言葉を聞いているのか、すうは安らかな寝顔でした。 山まで行くと、すっかり暗くなっていました。 「よし、ほら、起きなさい。」 すうを優しく起こす晴信。すうは目を覚ますと、日頃見せないように戸惑っていました。 「あ・・・。」 「よし、ちょっとここで待っていなさい。後で荷物持ってくるから。」 「・・・村!」 「ああ、村にいるのは嫌だろう?」 「違う!村があぶない!」 「な・・・?」 丁度その頃、村では地震が起きていました。 「なんなんだ、この振動・・・。」 咲は、不振に感じていましたが、今は晴信とすうのことが気がかりでした。 思い立って山へ行こうと外へ出たそのとき、 村の真ん中から、何かが生まれ出たのを見ました。 「な、なんだ・・・、あれ・・・。」 村の人の多くがそれに気付き、村の中は混乱に包まれました。 見た目は大きな蛇・・・それが八つの頭を携えて。 「おろちだ!伝説のおろちだ!」 「こ、これが災厄なのか・・・。」 村長が呆然としていると、おろちは、彼に目をつけ一口。 「ああ、村長が!」 「ど、そうすればいいんだ・・・。」 そこに丁度、すうに引っ張られ村に戻ってきた晴信が現れたのです。 「・・・おい、あれはなんだよ!」 「・・・おさまれ・・・おさまれ・・・。」 すうが念じると、おろちは少しずつ動きを弱め、元の場所に戻っていきました。 「なんだったんだ・・・。」 「わたしは、ここにいる必要があるの。」 「・・・よくわからんが、そういう事だったのか・・・。」 何とか騒動の収まった村で、晴信は事情を説明して回りました。 平和が訪れた村。結果として、予言は的中したのです。 すうは、村に残ることになりました。 そして村長のいなくなった村で、次の村長を決めることになりました。 「晴信でいいんじゃないか?」 「ああ。」 「え、おれ?まじで?」 晴信は、村長になりました。すうも、それを喜んでくれたみたいでした。 晴信はすうを村の守り神とし、末永く村は幸せになりました。 ちなみに憧れの商人の娘、咲は、隣村の高坂家に嫁入りしたそうです。 晴信は、すうを見守りつつ、のんびりと暮らしたそうです。 めでたし めでたし

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