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*BLUE MONDAY 【投稿日 2006/05/06】 **[[カテゴリー-現視研の日常>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/49.html]] 笹原たちが卒業して数ヶ月がたった。 今日は久々に皆が集まる日だ。 前に追い出しコンパをやった居酒屋に、OBと現部員が集まった。 大「でもホント久しぶりですね~~~!」 田「こうして集まれる機会がなかなかないからなぁ」 久「み、皆が予定合わせるとなると、難しいよね」 笹「あ、でも高坂君はどうしても来れないんですよね、残念だなぁ」 田「1ヶ月缶詰め中だったっけ?ゲーム会社も大変だな」 座敷で話に花を咲かせていると、急にパシャッ!とまぶしい光が射した。 皆驚いて、光の出所を見る。 笹「あ~びっくりした、朽木君か」 荻「…朽木先輩、ちょっと落ち着いて座ってたらどうですか」 朽「にょ~!せっかくなのでカメラ!カメラ!」 大「朽木君、はしゃぎたい気持ちはわかります。だからせめて一言かけてから写真撮ってください!」 朽「にょ~、ノリが悪いですぅ!」 荻「場の空気読んでください」 朽「…わかりましたにょ~」 笹「へえ、朽木君も丸くなったね」 朽「毎日大野先輩と荻上さんに怒られまくって、さすがに懲りたです……」 笹「…ところで、斑目さんはまだ来てないんですね」 笹原はさっきからずっと気になっていたことを口にした。 田「ああ、さっきメールきて、『少し遅れる』ってさ」 笹「そうなんですか」 大「咲さんも遅いですねぇ…電話で、遅れるっていってましたけど」 荻「春日部先輩は卒業以来ですね、楽しみです。」 そのとき、「や~遅れてゴメン!」と言いながら、2人が同時に到着した。 笹「あ、ども……………」 挨拶しかけて、固まる。その場にいた全員が固まってしまった。 春日部さんが、斑目と腕を組んで入ってきたのだ。 ありえない光景に、皆声も出せずに思考停止していた。 大「…さ、咲さん?あのぅ…………」 ようやく大野さんが口をひらく。 咲「よ、大野、久しぶり!!」 大「…えーと………斑目さん?」 斑「久しぶり、大野さん」 大「………………………………(汗)」 駄目です笹原さん!私には無理です!という顔で、大野さんは笹原にアイコンタクトで訴えた。 笹「…ええーと…、何で腕組んでるんですか?」 笹原が単刀直入に聞く。 皆が冷や汗ダラダラで見守る中、春日部さんはこともなげに言う。 咲「ああ、付き合ってるから、コイツと」 笹「は?え?…えええええ~~~?」 大「えっ、つつつ付き合ってるって…聞いてませんよ!!」 笹「え、こ、高坂君とは…?」 咲「コーサカとも付き合ってるよ」 笹「…えーそれってつまり…」 朽「うう、浮気デスカーーーーー!!??こんな堂々と!!」 とりあえず食いついてきたのは朽木君だった。 咲「浮気じゃないよ、本気半分」 大「は、半分って…」 笹「…斑目さん、どういうことなんですか?」 さっきから妙におとなしい斑目に振った。 斑「いやまぁ、ねえ…こういうことなんだよ」 笹「ああ、そういうことなんですか………って全然分かりませんよ!!」 斑「笹原、しばらく見ない間にノリ突っ込みまで覚えたんだな。成長しちゃって…」 笹「何をもって成長というんですか」 荻「笹原さん、話ずれてますよ(汗)」 笹「荻上さん、軌道修正ありがとう!で、何で春日部さんと付き合ってるんですか!?」 斑「………」 斑目は遠い目をする。 斑「あれは俺が三年生のときだった…」 笹「…あの~その話、長くなります?」 斑「うん。全部語るとざっと100レスくらい」 笹「はしょって下さい」 斑「ひでぇ!!」 笹「で?何でこんなことになってるんですか?3行くらいで説明してください」 斑「…高坂、仕事が忙しすぎるんだよ」 笹「え?」 斑「スケジュール見ると一年で半分くらい仕事。ほとんど缶詰め」 笹「…あの~労働基準法いは(ry…」 斑「そこは流せ。長くなる」 笹「はぁ」 斑「…だから、高坂が仕事でいなくなる間、春日部さんは俺と付き合っている。高坂が長期休暇になると、春日部さんは高坂と付き合う。そういう風に3人で同意したわけよ」 笹「………え、高坂君も知ってるんですか?」 斑「うん」 笹「高坂君は何て?」 斑「『別にいいよーそれで皆が納得できるならー』…って」 笹「………えええええ~~~?…ていうか、斑目さんはそれでいーんですか!?」 斑「笹原…俺最近考えたんだけどさ…。一夫一妻制、ってなんなんだろうな…?」 笹「はい?」 斑「色々考えすぎて吹っ切れたんよ。そんな常識、俺達のような若者が覆してやるのだ!!」 笹「…はあ??」 握りこぶしを作り力説する斑目。 咲「まーそんなわけでさ」 笹「いやいや全然分かりませんよ」 咲「自分達が納得してるんだからいいんだよ。ねー斑目!」 斑「なー!」 笑顔で息ピッタリの2人。 笹「…はぁ………」 疲れて言葉が続かない笹原。固まったままの一同。 咲「まぁ、2またかけてるからにはあっちで受けたりこっちで攻めたり、大変だけど。でも楽しいからいいんだ!」 ヤケクソに見えるほど元気に言う春日部さん。 (斑目さん受けなんだ………) 別に知りたくないことを知ってしまいがっくりと肩を落とす一同。 …いや、人知れずエキサイトしている女子が2人。 大(そ、そうだったんですか……!) 荻(…やっぱりそうだったべさ………!(ニヤリ)) 特に荻上さんの頭の中は、妄想が暴走してはちきれんばかりになっていた。 (高×斑!高×斑!!高×咲、咲×斑前提の   高×斑!!!) (うわコレヤベーーー総攻め×総受けの夢の競演だべ! 春日部先輩はカモフラージュで!放置プレイで!!(笑) 高「咲ちゃんに近づいたのは…僕に近づくためなんでしょ?」 斑「…そ、そんなこと…………」 高「ふふ、口ではそんなこと言ってても………」 首筋をつーっと撫でる。 斑「くっ…」 高「ほら相変わらず敏感ですよね、こんなだからどこにも行かせられないんですよ………」 おーーー  いーいーいー!さすが帝王…いやいや魔王!! 斑「お、俺は本当に春日部さんを………!」 高「いいんですよ、僕はどっちでも…。僕から逃げられると…いや僕を忘れられると思ってるんですか?」 斑「くっ…!」 そんであーなってこーなって………………………) 荻「…はっ!!」 目が覚めると、自分の部屋の天井が見えた。 荻「………………」 (アレ?夢だったべか、さっきの………。) ふと見ると、隣の部屋から笹原が顔を出した。 笹「荻上さん、大丈夫?ずいぶんうなされてたけど」 荻「ひへっ!?え、う~~~、その…」 実はうなされてたのではなく、「高坂さんと斑目さんでホモネタを想像する夢を見て萌えてました」…なのだが、言えない。 笹「どうしたの?具合悪い?」 荻「いえっ、大丈夫です!すぐ起きます!!」 ベッドから出て服を着替えながら、 (…とりあえず、このネタでしばらくいってみるべか…今日の晩からネーム作って…!!) …と考える荻上さんだった。                    OWARI
*僕ハココニイル 【投稿日 2006/05/20】 **[[カテゴリー-現視研の日常>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/49.html]] 「会長、お願いします!!」 大野さんは大きな声でそう言った。 朽木君は自分の耳を疑った。 「………え!?ボクチンですか!!!???」 それは新学期の始まる数日前。 大野さん、荻上さん、朽木君は新入生歓迎会の打ち合わせのため部室に来ていた。 大「…今日は大事な話があります。」 大野さんは妙に真剣な面持ちで言った。 荻上さんは黙っている。朽木君はにょ~としている。 朽(次期会長のことなんダローなーーー。去年は盗塁のフリしてみたけど、今年は何のフリしてミヨーカナーーー?) 誰も朽木君のリアクションなど見ていなかったのだが、朽木君はそんなことおかまいなしだった。 荻上さんに会長をゆずるところを見て、『俺じゃねーのかよ!』とコケる気マンマンでいた。 ところが、『会長』に選ばれたのは自分自身である。 朽木君は驚きすぎて言葉が出なかった。あまりに驚いたのでいつものナイスなアドリブ(と自分では思っている)が出なかった。 朽「え、マジデスカ?僕が会長に???」 大「大マジですよ!」 朽「え、でも荻上さんは嫌じゃナインデスカーーー?」 荻「朽木先輩、お願いします。」 荻上さんは何かを決断したような真剣な面持ちで、朽木君に頭を下げた。 朽「エエエエーーー???でもボクチン、そんな大役務まるかどーか………」 大「ええ、本当は私もそう思ってます。」 大野さんは少し機嫌が悪い。マスクつけてないのに。 朽「え?では何で??」 大「…実は、笹原さんに言われたんです。」 朽「笹原先輩に?」 思わず荻上さんを見る。荻上さんは、頷いた。あらかじめ知っていたらしい。 笹「朽木君を会長にしてみたらどうかな?」 その言葉に、大野さんは度肝を抜かれた。 大「な、何がどーなったらそーなるんですか!!!」 大野さんは春休みに入ったある日、笹原に相談していた。 これから三人きりで活動していく不安、朽木君をどー扱えばいいのかという悩み。自身の就職活動のこともある。 …そうしたら、笹原の口からこんなとんでもない言葉が出てきたのだ。 笹「駄目かな?」 大「ダメに決まってるじゃないですか!あんな人に会長なんて任せたらメチャクチャになりますよ!問題起こして即廃部ですよ!」 笹「でも、順番としては朽木君から………」 大「荻上さんも何か言ってください!朽木君なんかに任せられないですよね!?」 大野さんはそういって荻上さんを見る。 同意してくれるものと思っていたが、荻上さんは体を固くして前かがみに座り、何か考え込んでいた。荻上さんは人の話を聴くときいつもこの姿勢で聴いている。 荻「…昨日、笹原さんから話聞いてたんです。私も無理だと思いましたけど、笹原さんがこう言ったから。」 そう言いながら顔を上げ、大野さんの顔を見た。 荻「現視研の会長になった人は、みんな、会長になる前より成長するらしいんです。斑目さんも笹原さんも、そして大野先輩も…。」 大野さんは自分の名前がでて、ぴくっと反応する。 笹「えーと。これは俺の実感としてあるんだけど、自分自身、会長になって部の責任をもつこととか、あと自分のしたいこと、サークル参加とかやってみて、すごく成長できたと思う。もちろん失敗もしたし、へコんだり、キツいと思ったこともあったけどさ。 …でもそのおかげで、今まで見えなかったことが見えてきたんだ。自分の短所とか、そして自分を生かせる長所とか。大野さんも、実感ないかな?会長になってから、すごく積極的になったよね」 大「え、…そうですか?」 笹「うん。前よりずっと自分を出せるようになったじゃない」 大「う~ん、そう言われると…そうかも…」 笹「だからさ。朽木君も、一度会長をやってみて、会長の責任とか苦労を知って欲しい、と思ったんだよ。朽木君、責任とかあると逃げ腰になるから…」 大「…逃げ腰な人に、会長が務まるとは…」 笹「大野さん。とりあえず、一度朽木君に話してみたら?それでどうしても嫌、ってなったら仕方ないけどさ」 大「笹原さんがそういうのなら…」 大「…というわけです。朽木君!」 朽「は、はい!何でショウ!?」 大「断ってもいいんですよ?」 朽「………………」 大「笹原さんがこんなに推してくれても、自分には自信ない、というのであれば、別にいいです。荻上さんに頼みます。」 朽「………………」 大「…脅してるわけじゃないんですよ、朽木君。」 朽「へ!?」 大野さんはさっきの厳しい口調とは打って変わって、急に口調が柔らかくなった。 別の脅し方かと思ったが、そうではないようだ。 大野さんは真剣な目で朽木君を見る。朽木君はビビった。 大「私自身も最初、無理だと思ったんです。笹原さんに『会長』になるよう言われたとき。 …今まで人をまとめるポジションについたことないし、自信がなかったからです。 でも。会長になって、良かったことがありました。周りの人のことを考えて、会長として皆をまとめなきゃ、仲良くしなきゃ、って思って自分なりに頑張ったら、周りの人のことが今までよりも、よく見えるようになってきたんです。 …荻上さんとも、仲良くできるようになりましたし。」 下を向いて聞き入っていた荻上さんが、大野さんの顔を見上げた。 大「…ま、職権乱用したこともありましたけどね~。」 大野さんが照れ笑いをすると、荻上さんは、 荻「ああ、しょっちゅう乱用してましたね。」 と呆れ顔で言った。大野さんがムウッとむくれた顔をする。 荻上さんはまた下を向いたが、少し口元が笑っていた。 大「…だから何より、自分のためになったんです。その分責任とか、重いと感じることもあったけど。 だから、会長にならないのは、もったいないと思うんです。」 大野さんはゆっくりと、自分の言葉で語った。 大「…でも、判断するのは朽木君です。会長になったからには責任持ってもらわないといけないし、辞退するのが一番と判断したら、それはそれで『負いきれない』との判断、責任の取り方かもしれません。 だからそれでもかまいません。」 ……………………… 朽木君は大学からの帰り道、ずっと考えていた。 こんなに「会長」のことについて考えたのは初めてだった。 まず、自分には無理、という結論がずっと頭にある。 自分のことは良く分かってるつもりだった。 どーしても自分は余計なことをしてしまう。わかっちゃいるけど、いつのまにかやってしまう。 それに「責任」を果たすのが大の苦手だ。 自分ではちゃんとやってるつもりで間違えてたり、うっかり忘れてたり。ちゃんとやりたい気持ちがあるにはあるのだが、興味が失せるとつい忘れてしまう。 仕方ないと思っていたし、今まで周りにも要求されなかった。 あんまり人にアテにされたことがないけど、それも個性!と思っていた。 でも。さっきの大野さんの真剣な目を思い出した。真剣な言葉を思い出した。 笹原先輩が自分を推してくれたことを思い出した。 こんなに人に期待されたことがいままであったろうか。いやない。忘れてるだけかも知れんけど。 (むうぅ~~~…不肖朽木、通称クッチー、ここで断ったら漢がすたるのではナイデスカ? 大野先輩のあの目を見て、「自分には自信がないデス…」なんて言うのデスカ!? 「自分の辞書には『会長』の2文字はアリマセン!!」なーんて堂々と言えるのデスカ!?) (そう!ここで引いたら漢がすたるにょ~~~!!!) 朽木君は鼻息も荒く早足で道をどんどん歩いていった。歩く速度が見る間に早くなった。 ……………………… 朽「…と、ゆーワケで、会長、就任イタシマス!!!」 次の日、部室で3人が集まったとき、朽木君はそう宣言した。 姿勢を正してビシッと敬礼し、(クッチー的には)決まった!と思える挨拶をした。 さて、大野さんと荻上さんの反応は。 大・荻「………………はぁ………」 朽「む、何デスカそのやる気をそぐよーな反応は!!」 大「…何でって、ねえ荻上さん…」 荻「…今後の私たちの苦労を思うと………」 大野さんと荻上さん、2人顔を見合わせ、再び深くため息をついた。 それからというもの。こんな日常が繰り広げられた。 荻「…だーかーらー!もう何回言わせるんですか!」 朽「にょ?」 荻「どーしてこんな大事な書類、ギリギリまで放っといたんですか!」 朽「(忘れてたからにょ~~…)むう、何かそのー色々、活動内容とかってどー書いたら良いものか…と考えてまして…、 ぶっちゃけ忘れてたにょ~!アハハ!!」 荻「………(怒)」 朽「ス、スミマセン!!」 荻「…もういいです。」 朽「…ううう、そー言われちゃうと………」 荻「もーいいって言うのは、小言は後にするって意味です。今できることをまずやってから!時間ないんです、この書類、自治会のはんこもらってきてください。じきに自治会室閉まっちゃうから!」 朽「はっ、ハイ!!」 朽木君はそう言って、慌てて飛び出した。 後ろから大声が聞こえる。 荻「朽木先輩!書類持って行かないでどーすんですか!」 朽「ああ!!忘れてたにょ!!」 慌てて引き返す朽木君。 荻「ハイ、じゃあ頼みましたよ!」 足だけはやたら速い朽木君の後姿を見送りながら、荻上さんはげっそりしていた。 さて。朽木君は4年になってから、授業がかなり詰まっていた。 1、2年の頃、遊びすぎたのと、色々落とした授業があったからである。 朽木君は別に頭が悪いわけではないが、ただテストの日を忘れてたり、追試の日を忘れてたり、大事な提出物を忘れていたりしただけの事である。 その上『会長』になってしまったので、今まで考えられないほど忙しい日が続いていた。 …だが、こんなに充実した日々を過ごすのは初めてだった。 今までなにしてたのやら。フラフラして、ゲーセンいったり秋葉原いったり…。 朽木君は今日も部室で、溜まっていた(ぶっちゃけ忘れていた)書類と格闘していた。 (…思えば今まで、「ここが駄目なら次いけ次!」と、フロンティアスピリットでやってきたケド………。 ポジティブ過ぎたんデスカネ~~~?) アニ研を辞めて(正確には追い出されて)現視研に来たときのことを思い出す。 (そーやって突き進んでても、なーんにも残らなかったよーな………。 いやー、周りの冷たい視線ばっかり、やたら増えていったよーな………。) …ようやくそのことに気づいたらしい。 (もしかして今までのは、ポジティブなんかじゃなくて、逃げてたダケなんですかのう? じゃあ今、逃げたくないのは………………?) (そうか………。 ここにいたいのか、ボクチンは…。 あれ、こんな風に思ったの初めてですの~~~~~。) (いや…。本当はずっと思ってたヨ、どの場所でも。「ここにいたい」って~。 ダカラ、みんなと「溶け込もう」として色々話しかけたり自己主張してきたんだケド…。 うまくいかなかった………。) (ここにいると、「責任」取ったり、悩んだり、考えたり、我慢したり、空気読んだり、誰かを助けたり助けられたり、色々しないといけないんだろーなーーー。全部ボクチンの苦手分野………。 いや、今までしよーとしてなかったから苦手分野に…。ぐぬう………。) 朽木君は頭が痛くなってきた。元々深刻に考えるのは苦手だ。 (…いや待てよ?「考える」ことないんじゃないデスカ???だってもう、「ここにいたい」って決まってるんだし。 そのために「苦手とか言ってられない」って、結論出てるし。 ………なぁーーーんだ、ソウカ!!ならもう、次は行動あるのみデスヨ!!!) 朽木君の中で、これからの根幹となる重大な結論が、今まさにはじき出されたとき! コンコン、と部室の扉がノックされ、荻上さんが部室に入ってきた。 荻「あ、どうも」 朽木君は荻上さんの顔を見て、急に思った。 (そうデス!!「新生」朽木学、通称クッチー、今荻上さんに自分の決意を伝えておくのデス!! なぜなら自分の記憶装置に入れたままだったら、そのうち綺麗に忘れてしまうカラ!!!) 朽「オギチン!大事なお話が!!」 荻「え…な、何ですか?」 荻上さんはいつものように、朽木君と話すときのクセで身構える。 朽「えーボクチンは………………………………………!!!」 荻「………………………………?」 (…あ、アレ?何だったっけ?) ………どうもひと足遅かったようである。 (えーと、そうだ!「ここにいる」決意をば………!!) 朽「荻上さん!!」 荻「…はい?」 朽「僕はここにいるにょ!!」 荻「…そうですね、そこにいますね。」 朽「ずーーーっと、ここにいるにょ~~~~~!!!」 荻「…ええ、ずっとここの部員ですよね。」 朽「以上!!!」 荻「………………………何が言いたいんですか(怒)」 朽「さて、宣言はこのくらいにして、と。 オギチン!実はここに、今日締切なのに例によって完全に忘れてた書類がアリマス!!」 荻「はぁ!?またですか!!」 荻上さんはいつものように、怒りながら書類の必要事項を読んで、朽木君にアドバイスしてゆく。 荻「だ~か~ら~!略称じゃなくって正式名で書けと、何度言ったら分かるんですか!!」 朽「えーだって正式名長いにょ~。現代視聴覚?現代文化視覚??わかんなくなるし。あ、現聴研でしたっけ?」 荻「全然違います。今まで何度書類に書いたと思ってんですか!ていうか何のサークルだと思ってんですか!」 朽「じょ、冗談ですにょ~(汗)」 荻「冗談言ってる間に手を動かしてください!あとコレ、字が汚くて読めません。読めない字書いてどーすんですか!」 朽「あ、でも意外とボクチンは読めるにょ~。」 荻「そんなことはどーでもいいんです。他人が読めなくてどーすんですか!!」 …朽木君が成長する前に、自分の忍耐力のステータスが大幅うp(対朽木君以外にはたいがいムダ) してしまいそうだ、と思った荻上さんであった。                        OWARI

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