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*その四 惠子×斑目 【投稿日 2005/11/05】 **[[カテゴリー-1月号>URL]] 女たちの宴会が続く中、トイレに行く恵子。 用足しが終わり、部屋に戻る途中で外で話す声が聞こえてきた。 そう言えば、先ほどまで部屋のすぐ外にいた笹原と斑目の姿が無い。 (クッチーと高坂は相変わらず寝ている) 恵子は何となく気になって外に出てみる。 外では斑目と笹原がビール片手に話していた。 何気にシリアスな雰囲気を感じ、物陰に隠れる恵子。 斑目「でっ、どうよ?」 笹原「どうよと言われましても、まああの通りですから彼女・・・」 しばし沈黙。 斑目「俺の高校の時のダチがよー・・・」 笹原「?」 斑目「まあこいつも俺とおんなしようなオタでね、別の大学でうちみたいなオタサークルやってたんだけど、そいつが好きになったのが後輩の彼女だったんだ」 笹原「・・・」 斑目「後輩ってのはバリバリのオタなんだけど、何でオタになったのって感じのイケメンでさ、しかも彼女はそいつ目当てでサークルに出入りしてた全くの一般人なんだ」 さすがにこの手のことに奥手な笹原も、それが斑目自身の話であることに気付き始めた。 笹原「(それってもしや・・・)」 物陰に隠れていた恵子も同じことを考えていた。 恵子「(これってひょっとして・・・あいつと姉さんの?)」 斑目「バカだよな。後輩の彼女、それも一般人の女に惚れちまうなんて・・・」 それって斑目さんと春日部さんのことではと言いかけた笹原を止めたのは、池上遼一の漫画のキャラみたいに斑目の頬をすーと伝う涙だった。 ドキンッ! 恵子は斑目の涙を見た瞬間、自分の耳で聞き取れそうなほど自らの鼓動を強く感じた。 恵子「(何、この感じ?)」 斑目「(眼鏡を外して涙をぬぐい)あれっ、俺なんで涙なんか・・・酔ってるのかな?」 苦笑いする斑目。 斑目「まあ何だ笹原、その点お前の場合は相手はフリーだし、お前も相手もオタだ。俺のダチみたいな問題は何もねえ」 笹原「斑目さん・・・」 斑目「(笹原の肩をポンと叩き)まあ後悔の無いようにやれや。上手く行くにしろ、振られるにしろ」 笹原「・・・はいっ」 斑目「(ニカッと笑い)いやー柄にもない説教しちまったなあ。そろそろ寝るかー」 やがて2人は部屋に戻ったが、恵子はそのまま佇んでいた。 恵子「(何であたしが男オタの涙にこんな変な気持ちになるのよ?オタだよ、変な顔だよ。普通キモイだろ?なのに何で・・・)」 恵子の脳裏に、眼鏡を外した斑目がフラッシュバックする。 恵子「(でもあいつ、眼鏡外したら案外きれいな目してて、高坂さんほどじゃないけどけっこうイケメンだったな。背も高坂さんぐらいはあるし、何か最近は前ほどウザクなくなって落ち着いたし・・・って何であたしあいつの良いとこ探ししてんのよ?)」 咲「何してんの?」 背後から咲の声がした。 恵子「わっ!」 オーバーなリアクションで驚いて振り返る恵子。 恵子「(少し慌てて)なっ、何だ姉さんか」 咲「そんなに驚くことないでしょ。どしたの?」 先程の斑目たちの話を思い出して、赤面する恵子。 恵子「なっ、何でもない!」 走り去る恵子。 咲「変なやつだなあ。オギーみたいなリアクションして・・・」
*その四 惠子×斑目 【投稿日 2005/11/05】 **[[カテゴリー-1月号>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/54.html]] 女たちの宴会が続く中、トイレに行く恵子。 用足しが終わり、部屋に戻る途中で外で話す声が聞こえてきた。 そう言えば、先ほどまで部屋のすぐ外にいた笹原と斑目の姿が無い。 (クッチーと高坂は相変わらず寝ている) 恵子は何となく気になって外に出てみる。 外では斑目と笹原がビール片手に話していた。 何気にシリアスな雰囲気を感じ、物陰に隠れる恵子。 斑目「でっ、どうよ?」 笹原「どうよと言われましても、まああの通りですから彼女・・・」 しばし沈黙。 斑目「俺の高校の時のダチがよー・・・」 笹原「?」 斑目「まあこいつも俺とおんなしようなオタでね、別の大学でうちみたいなオタサークルやってたんだけど、そいつが好きになったのが後輩の彼女だったんだ」 笹原「・・・」 斑目「後輩ってのはバリバリのオタなんだけど、何でオタになったのって感じのイケメンでさ、しかも彼女はそいつ目当てでサークルに出入りしてた全くの一般人なんだ」 さすがにこの手のことに奥手な笹原も、それが斑目自身の話であることに気付き始めた。 笹原「(それってもしや・・・)」 物陰に隠れていた恵子も同じことを考えていた。 恵子「(これってひょっとして・・・あいつと姉さんの?)」 斑目「バカだよな。後輩の彼女、それも一般人の女に惚れちまうなんて・・・」 それって斑目さんと春日部さんのことではと言いかけた笹原を止めたのは、池上遼一の漫画のキャラみたいに斑目の頬をすーと伝う涙だった。 ドキンッ! 恵子は斑目の涙を見た瞬間、自分の耳で聞き取れそうなほど自らの鼓動を強く感じた。 恵子「(何、この感じ?)」 斑目「(眼鏡を外して涙をぬぐい)あれっ、俺なんで涙なんか・・・酔ってるのかな?」 苦笑いする斑目。 斑目「まあ何だ笹原、その点お前の場合は相手はフリーだし、お前も相手もオタだ。俺のダチみたいな問題は何もねえ」 笹原「斑目さん・・・」 斑目「(笹原の肩をポンと叩き)まあ後悔の無いようにやれや。上手く行くにしろ、振られるにしろ」 笹原「・・・はいっ」 斑目「(ニカッと笑い)いやー柄にもない説教しちまったなあ。そろそろ寝るかー」 やがて2人は部屋に戻ったが、恵子はそのまま佇んでいた。 恵子「(何であたしが男オタの涙にこんな変な気持ちになるのよ?オタだよ、変な顔だよ。普通キモイだろ?なのに何で・・・)」 恵子の脳裏に、眼鏡を外した斑目がフラッシュバックする。 恵子「(でもあいつ、眼鏡外したら案外きれいな目してて、高坂さんほどじゃないけどけっこうイケメンだったな。背も高坂さんぐらいはあるし、何か最近は前ほどウザクなくなって落ち着いたし・・・って何であたしあいつの良いとこ探ししてんのよ?)」 咲「何してんの?」 背後から咲の声がした。 恵子「わっ!」 オーバーなリアクションで驚いて振り返る恵子。 恵子「(少し慌てて)なっ、何だ姉さんか」 咲「そんなに驚くことないでしょ。どしたの?」 先程の斑目たちの話を思い出して、赤面する恵子。 恵子「なっ、何でもない!」 走り去る恵子。 咲「変なやつだなあ。オギーみたいなリアクションして・・・」

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