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*その一 【投稿日 2006/04/26】
**[[カテゴリー-6月号補完>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/292.html]]
斑「よう」
笹「あ、斑目さん。こんちわ」
斑「撮影会、これから?」
笹「そうなんですよ。なんか大野さんが張り切っちゃってすごいですよ」
斑「へえ…」
斑「でも、まだ信じられんなあ。『あの』春日部さんの撮影会なんて」
満面の笑みの大野。うなだれる咲
タイトル ”げんしけん”
大「それじゃあ、撮影会は三人だけで行いますので」
笹「はいはい」
斑「あー、そうなんだ」
朽「ブー。はんたーい。ボクチンにも撮らせろー」
荻(咲先輩大丈夫かな…)
荻「じゃあ、行きますか」
笹「そうだね」
斑「ほれ行くぞ」
朽「なんでダメなんですか、ボクチンだってカメラには結構自信があるですよ!」
大「それでは皆さん!撮影後にお会いしましょ~」
田「ハハ…」
荻(あ、鍵かけた)
朽「今回の為に用意したのに…」
斑「どれくらい時間かかるもんかね」
笹「量がすごいですからね。結構かかるんじゃないですか?」
斑「あー、朽木君。諦めてこっち来なさい」
朽(くそー、何とか中を見れないものか…)
朽「大体ですね、自分は『おかしい』と思うのですよ!」
朽「そもそもコスプレというものは、見られる事を前提にやるものであって、一部の人間しか見られない、というのはコスプレの本道から外れていて、特に撮影の意思のあるものを排除するなど言語道断の振る舞いであり…」
笹「あー」
斑「やれやれ」
荻「やっぱりこの人おかしいです」
田「じゃあ撮るよー」
大「咲さん、もっと自然に笑ってください」
咲「無茶いうな」
斑(やっぱり見たかったな)
斑(ま、仕方がないか)
朽「ムム!」
笹(あ、終わったのかな)
荻(ようやく終わったんだ)
咲(お~わ~っ~た~)
大「皆さんお待たせしました~。撮影会、無事終了で~す♪」
咲「うぁ~」
大「咲さん、本ッ当にかわいかったですよ~」
咲「うう、オギー…助けて…」
荻「だ、大丈夫ですか?」
笹(本当に嫌だったんだなあ)
朽「そ、そうだったのデスカ!?」
大「ですから、もっともっといろんなコスプレに挑戦しましょうよ」
咲「いや、もういいよ、十分。これで最後」
荻(そんな大変だったんだ)
大「本当に…これで最後なんですか?」
咲(大野…)
大「本当に…これで…」
咲「二度と会えなくなるって訳じゃないんだから、泣くな」
大「…会いに来てくれますか?」
咲「うん」
荻(…ちょっとうらやましいかも)
笹(やっぱり、仲いいんだなあ、この二人)
朽(ムム、このシーンは撮っておくべきか?)
夜景
荻「まったく、大野先輩のコスプレ好きには呆れます」
笹「確かにすごいよね」
荻「しかも自分の趣味に他人を巻き込んで…」
笹「…ねえ、荻上さん。どっちがいいと思う?」
荻「え?」
荻(人の話をさえぎってそんなこと聞くの?でも、人の悪口を聞きたくなかったのかも…)
荻「…強いて言えば右のほうが似合うと…」
笹「こっち?」
笹「どう?荻上さん」
荻「…いい、と思います」
笹「聞こえないよ~」
荻「何度も言わせないでください!」
斑(コスプレかあ…)
斑(見たかったな…)
咲の写真
朽「ですから、写真だけでも見せていただけないか、と頼んでいるのであります!」
咲「絶対やだ」
朽「我々はぁ、断固としてぇ、写真のぉ、公開をぉ、求めるものでぇ、ありますぅ!」
咲「あー、うるせー」
荻(こいつ本当におかしい)
斑(俺も見たい、とは言えんよなあ)
笹(気持ちはわかるけどね…)
咲「とにかく、あれを見せるくらいなら、裸の写真のほうがまし!」
荻・笹・斑(裸デスカ)
朽「な、なんと!ではそちらを見せて…」
咲「絶対見せねー!」
朽「オオゥ、そんなひどい…見せてくれてもいいじゃないですかぁ」
咲「嫌だって言ってるだろうが!人の話聞け!」
荻・笹・斑(やれやれ)
斑(まいった。今回は本当に見れそうにないな)
大「『にいさんにいさん、いいネタありまっせ~』」
斑「…何やってんの?大野さん」
大「…えーと」
大「ああもう、まったくノリが悪いんですから!」
斑「いや、それは…」
斑「『…で、ブツは何よ』」
大「…何を今更」
大「実はですね、ここに咲さんのコスプレ写真があるのですが…データ付きで!」
斑(!)
斑「いや、ちょっとまった。それは拙いって。春日部さんは見せたくないって言ってるし、大体本人に知られたら何て言われるか」
大「大丈夫ですって。ばれなきゃいいんです」
大「…本当は見たいでしょ?」
斑「いや、それは、まあ、その…」
大「コスプレした咲さんは、本当にかわいくて、きれいでした」
大「わたしはレイヤーとして、このような素晴らしいコスプレを死蔵してしまうのは、重大な損失だと思うのです!」
大「ですから、斑目さん。あなたにも彼女の素晴らしさを共有…」
咲「…へえ、そうかよ」
斑「!」
大「!」
咲「大野。そいつをよこせ」
大「いえ、別に何でもありませんよ?咲さんには関係ない、つまらないものですから」
こぼれる写真
咲のコスプレ写真s
固まる三人
大(やっちゃった)
咲(やられた)
斑(ええと、これは、何と言うか、すごいな)
咲「見るなー!!」
斑「おっと」
大「ああ、咲さん!」
咲(見た?)
斑(見た)
咲(見られた。誰にも見られたくなかったのに。見せないって約束したのに!約束したのに!!)
咲「何さらすんじゃあ、このぼけーーー!!!」
大「ああっ」
笹「だめだって」
荻「だめです」
朽「そんな、ワタクシはまだ見ていないのに…」
斑(どーするよ、俺…)
咲「さっさと集める!」
大「はいっ!」
斑(どーするよ、見ちゃったよ)
久(え~と、次に回るのは…)
田(ここをこうして…)
高(ふう、まずはこれでいいかな)
斑(絶対に忘れるもんか)
咲「絶対に処分するからな!写真も、データも!」
大「はい、わかりました」(データ、コピーしておこう♪)
朽「俺にも見せろぉぉぉぉ~~!」
笹「だめだってば」
荻「だめですよ」
ははっ
卒業式会場
*その二 【投稿日 2006/04/26】
**[[カテゴリー-6月号補完>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/292.html]]
P1.
斑「よう笹原」
笹「あ、斑目さん」
会議室に顔を出した斑目は、椅子を運んでいた笹原に話かけた。
ちょうど会社の昼休みの時間だった。
会議室の中では朽木もマメに手伝っている。最近朽木は、大野さんのコス衣装を運ぶのを手伝ったり、何かと働いてくれている。
斑「おお、やってるなー」
笹「朝から設営で、みんな借り出されてます(苦笑)」
斑「…で?春日部さんは来てんの?」
笹「ええ、今回はちゃんと逃げずに来たみたいですよ。ようやく観念したみたいで」
斑「へー…」
(春日部さんも丸くなったもんだ…)
この前(春日部さんと部室で2人になったとき)も思ったが…。
大野さんは満面の笑みで笑っている。
春日部さんは完全に肩を落としている。
P2.
長いような短いような、部室とともに過ごした4年。
漫画とアニメとゲームの日々も、夢のように煌めいて---。
「第49話 いつでも夢を」~SS補完~
P3.
大「私と咲さんと田中さんだけです!!」
大野さんは満面の笑みのまま、指を三本立ててそう宣言した。
大「他の人は立ち入り禁止です、咲さんがその条件でなら、とコスプレを許可してくれましたから!」
笹「あーー、そうなんだ…」
斑「そりゃ残念」
朽「ブーーーー!!!断固反対!!!」
朽木君は納得いかない!と主張した。
荻「…行きましょうか」
荻上さんはそう言って部屋から出て行く。
笹原と斑目もそれに続いた。朽木はまだ頑張っていたが、斑目が朽木の腕を引いて出て行った。
大「じゃあ、みなさん手伝っていただいてありがとうございましたーーー!」
大野さんはそう言って手をふる。
田「いや、すまんね、みんな…」
田中がフォローする。
春日部さんは相変わらず肩を落としていた。
P4.
ガチャリ。荻上さんが扉を閉めた。
朽木君はまだ納得いかない様子でカメラをかまえている。
斑「けっこう時間かかりそうかね」
笹「そうですね、なにしろ15箱もありましたから…」
斑「朽木君、そんなとこ張り付いてないで。もう諦めたら?」
未練たらたらで扉に張り付いて聞き耳を立てる朽木君を、斑目は諌めた。
朽「諦められマセン!!!」
朽木は力の限り叫んだ。
朽「何のために重いダンボール箱運んだと思ってるんデスカ!何のために設営手伝ったと思ってるんデスカ!!
全てはこの時の為!コスプレ姿をこのデジカメに焼き付ける為!!!」
大野先輩にダマサレターーー!と騒ぐ朽木。
笹「はは…」
斑「まあ気持ちはわかるケドね」
(俺も本当はスゲー見たいしな…)
荻「朽木先輩、往生際が悪いです!」
荻上さんはあきれた声を出す。
P5.
田「んじゃ、いくよーーー」
田中が写真を撮り始める。
カシャッ、カシャッ。
シャッターを切る音にまじり、、かすかに外から「にょ~~~!」と騒ぐ声が聞こえた。
P6.
(あーあ…)
斑目は構内の中庭から会議室を見上げた。
(見れなくて残念だなーーー…。ま、仕方ない、か…。こうなることは予想ついてたしなー…)
がっかりしたが、春日部さんらしいなと思って笑う。
斑目はそのまま大学をあとにした。もうすぐ昼休みも終わる。
P7.
ギイィ………
ゆっくりと扉があき、中から恨めしそうな目がのぞく。
大「お疲れ様でしたーーー!終わりましたよ!!」
ツヤツヤになって赤い笑顔の大野さんとは対象的に、げっそりと疲れきって青い顔の春日部さん。
P8.
大「もう咲さんが!あんなコスやこんなコス!!とっても素敵でしたよ咲さん!!」
咲「お、荻上~~~…」
荻上さんの手をとり、すがる咲。疲れて一人じゃ立てね~という感じだ。
荻上さんはスキンシップに慣れてないせいか、赤くなる。
荻「………」
笹「お疲れさまー」
朽「な、何ですとーーー!?『あんなコスやこんなコス』!!!???」
大「咲さん、今日は無理を聞いていただいてありがとうございました!!」
咲「いや、ねえ…約束だったし………」
げっそりしながらも大野さんのほうを見上げて笑う春日部さん。
大「本当に…ワガママを聞いていただいて………」
喋りながら、大野さんの目に涙が盛り上がる。
咲「……………」
それを見て少しびっくりする春日部さん。
P9.
大野さんは春日部さんに抱きついた。
春日部さんも抱きしめ返す。
大「~~~~~~っ、うう………っ」
その様子をみんな照れながら見ていた。
朽木でさえ、何か言いたそうにしながらも、茶々を入れずにそれを黙って見守っていた。
P10.
その夜。
荻上さんは笹原の家に泊まりにきていた。
荻「私もやらされそうになったんですよ、コスプレ!」
笹「はは。やったらよかったのに。」
荻「やりません!…それにあれは、『大野先輩と春日部先輩の約束』ですから!」
だから、荻上さんは遠慮したのだった。
笹「ところでさ、どっちのネクタイのが合うと思う?」
笹原が両手にそれぞれネクタイを持ち、荻上さんに聞く。
荻「………………」
(ネクタイ…)
つい801ワープしそうになる荻上さん。
(強攻めの笹原さんが斑目さんに………)
それを振り切って言う。
荻「さ、…笹原さんならどっちも似合うと思いますケド…」
笹「え?声が小さくて聞こえなかったよ、もう一回~♪」
荻「もう言いません!!」
P11.
同じ頃。
斑「………………」
家で『最後の砦』を眺める斑目。
春日部さんが初めてコスプレしたときの写真。
(…『会長』だからじゃない。春日部さんだから………)
P12.
朽「どーしてデスカーーーーーーーー!!!!!」
咲「絶っっっ………対、駄目っ!」
部室で朽木と春日部さんが言い争っている。
荻上さんは絵を描き、笹原はゲーム雑誌を読んでいる。
斑目は今日も昼休みに来て、弁当を食べ終わりお茶を飲んでいる。
P13.
咲「あんたになんか渡したら、きっとろくでもないことに『使う』んでしょーーが!!」
朽「うにょっ!!!???」
斑「…ハハ」
笹「………」
(おいおい…)
朽「にょ~~~!!それは誤解ですにょ!!ワタクシは純粋にコスプレに興味があるんですにょ!!ヒドイです~~~…」
咲「信用できるか!!」
そんな2人のやりとりを黙って見守るあとのメンバー。
斑「………」
こんな日々もあと少しか…、と思いながら部室を出る斑目。
P14.
ふと向こうの角にあやしいサングラスとマスクの人影が…。
…黒大野さんだった。斑目を手招きしている。
斑「………(汗)」
大「……………」
斑「…な、何やってんの?大野さん…」
大野さんはマスクをはずして言う。
大「…ぶはー!ちょーっとこっちへ来てください!!」
2人で廊下の隅に移動する。大野さんはやけにコソコソしている。
P15.
大「………咲さんのコスプレ写真、見たくないですか!?」
斑「!!!!!?????」
斑「え!?何…」
大「この封筒に全部入ってます!あの日の咲さんの姿が、全部!!!
どーですか!?見たくないですか!?」
斑「いやいやいや!!ちょっとそれはマズイでしょーーー!!そんな…本人の許可もなく…」
大「なんなら差し上げますよーー!」
斑「いやいや、いいって!春日部さんに悪いって!!」
大「…本当にいいんですか?斑目さんだから、渡すんですよ?」
大野さんは声を潜め真剣な目で、意味深なことを言う。
大「いいんですか!?後悔しますよ!?」
P16.
咲「…何を後悔するって?」
大・斑「!!!!!!!!!!!!!!」
P17.
咲「ったく、勝手に…それをこっちに渡しなさい」
大「ええ、えーとえーと、その………」
大野さんは慌てて封筒を後ろに隠す。
その時。
後ろに回した封筒が手からすべり落ち…
「!?」
バサバサッ!!!
大量の写真と、CD-Rが廊下にぶちまけられた。
…スクール水着を着てヘルメットをかぶった会長春日部さんの写真と、目があった。
P18.
「……………!!!!!!!!!!!」
大野さん、春日部さん、斑目。
あまりのことに声が出ない。
P19.
一瞬後。
咲・大「わあああーーーーーーーーー!!!」
慌てて写真を拾いにかかる二人。
(……見た!?)
見上げた春日部さんと目が合う。
目をそらす暇もなかった。
咲「~~~~~~~~~っつ!!!」
春日部さんは思わず涙ぐんだ。
P20.
咲「っこの…バカタレがーーーーーーー!!!!!」
急にキレて大野さんの頭をはたく。
朽「にょーーーーーーー!!コスプレ写真!!!」
朽木がかけよろうとするが笹原と荻上さんに服をつかまれる。
笹「まーまーここは、ね?」
荻「行っちゃ駄目です」
(………………………………………………(汗))
もう顔を上にそむけていたが、今見た写真が目に焼きついて離れない。
P21.
その頃。
久我山は車で商品の納品先をまわっている所だった。
田中は専門学校で被服の実習中だった。
高坂はゲーム会社でプログラムを組んでいた。
(…何か……)
この状況が急に可笑しくなって、思わず笑いがこみあげる。
P22.
春日部さんは「大野のアホ!!」と毒づきながら、恥ずかしさに顔を真っ赤にして、ばらまかれた写真を必死に拾う。
大野さんは「す、すいませんでした…」と言いながらも笑ってしまう。
朽木は変わらず「ボクチンを行かせてくだサーーイ!!この目で一目!!」と騒いでいるし、
笹原と荻上さんは笑いながらも、朽木をつかんでいる手を離さないでいた。
P23.
『ははっ』
今日は空がとても青く透き通っていた。
P24.
…そして、卒業式の日がやってくる。
次号、表紙&巻頭カラーにて「げんしけん」卒業式!!
そっか、卒業しても、みんな一緒だ。
END
次回予告
『次回、感涙の最終回!!絶対運命黙示録---。』