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*現聴研・第三話 【投稿日 2006/04/09】 **[[現聴研]] 笹原「荻上さん、ギター弾けるんだね」 荻上「ええ、まあ…」 荻上さんが路上での弾き語りまで出来ることが部員に知れ渡って数日後。 現聴研部室では、皆でその腕前を堪能しようということになり、お馴染みの会議が開催された。 -議題- 「第123回荻上さんに演奏してもらいたい曲を決めよう会議」 しかし…。 大野「流行りのアレンジレンジの“鼻”とかどうで…」 荻上「あんなチャラチャラしたバンドは却下です。前にも言ったハズですが、私硬派なんで、ラブソングや流行歌なんか歌いませんから」 それを聞いて大野は憮然としている。 咲「なかなか頑固だな荻上~、かえってイタイよそれ」 ツッコまれた荻上も憮然としている。 頑な荻上の態度に、会議はなかなか進まなかった。 部室の雰囲気が険悪になってきた時、斑目がパンパンと手を打った。 「はいはいはい~!せっかくのギタリスト降臨なんだからここは一つ議題を絞ってね、ロックで行こうよロックで!」 -改題- 「第124回荻上さんに演奏してもらいたいロッカーを決めよう会議」 笹原「ロッカー…ですか?」 大野「曲じゃなくて?」 斑目「そうそう、そーよ。どんなバンドでも恋愛ソングは一つ二つあるもんだ。ここは硬派に“ロッカー”と縛りを入れることで、荻上さんも同意しやすいんじゃないかな、と?」 荻上は「まあ、いいですけど…」とやや及び腰だが、皆はかまわず議題を進めた。 咲「あー、私はロックとか趣味じゃないし、しいて言うなら“ジョルノグラフティ”くらいかなあ…」 田中「“伊エ門”はどうかな。吉井カズ哉は日本人離れした感じで、和製ネックジャガーっつうか…」 久我山「あ、い、“忌野喜代志郎”は…」 高坂「アニソンだけど、“Gクリップ”って知らないかなあ。一応ロックなんだけど、いい詩だよ」 斑目「うーん、キミたちはメジャーで順当すぎてイマイチかなあ~。高坂は逆にマニアック過ぎるな」 斑目は勝手に仕切りはじめた。 大野「モービィなんかどうですか?」 斑目「ありゃちょっとアレンジ難しいよな」 田中は大野の隣で、(モービィか…、ハゲだからだな…)と分析した。 笹原「メジャーどころではあるけど、ホテイさんのギターは好きですよ。“ボフイ”“コンピレックス”とか、ソロで一貫して硬派というか…」 斑目「笹原お前、最近までウォンタウンバンドとやらの“アイノウタ”を着メロにしてたろーがよ。ここぞとばかり硬派ぶるなよ~」 荻上さんにもジト目で睨まれて焦る笹原。 笹原「うわ、まだそのコト憶えてたんだ…」 斑目「俺は気に入らないものは何時までも憶えてるぜぇ。しつこいぜ、前世がヘビだからな!」 朽木「ハイハーイ!ボクは“UNDER-13”がいいと思いマース!」 斑目「…朽木君は廊下で議題を100回復唱してから入室してください(汗」 斑目は、ゴホンと一つ咳き込むと、「…どいつもこいつも、真剣にロックというものを論議せずに結果だけを追い求めておる」と大上段に語りはじめた。 笹原「いや、弾き語ってもらうロッカーを決めようって言ったの斑目さんだし…」 久我山「し、しょーもないオチに行き着くのを、だ、黙って見ているのが吉」 斑目「ロックというものはな、孤独なものなんだよ。誰にも理解されなくても、自分の信念をロックンロールに乗せて世の中にシャウトするものなんだよ!」 咲「聴くだけの音楽オタがよくまあエラソーに…」 斑目「うるさい、商業音楽に魂を引かれた心貧しき地球人よ」 斑目はイスを蹴飛ばすように立ち上がると、グッと拳に力を入れて語る。思わず一同も固唾を飲んで見守った。 「本当のロッカーとはなあ…、本当の…ロッカーとは……“ラ・ムゥー”のボーカリストォ、菊血ぃぃぃ桃子さんだァ!」 一同「(菊血桃子ォ………ッ!?)」 斑目「笹原ァ貴様見習ってるか桃子さんを!?」 笹原「…はぁ?」 斑目「愛はココロの仕事だ馬鹿者!」 田中「思いっきり恋愛ソングじゃねーか」 久我山「あ、こ、これ大月ケンヂのネタだよ…」 咲は、「ホント馬鹿ばっかでしょこのサークル…」と傍らの荻上に語りかけた。 「はぁ……」荻上も言葉が見つからない。しかし、彼女がラ・ムゥーも弾けることは秘密だ。 こうして部室内では、会議で挙がったアーティストの曲で、荻上さんが演奏可能な曲を弾き語りし、時には皆で歌て楽しいひとときを過ごした。 一方、斑目は廊下に立たされ、議題を100回唱える朽木の隣で、ラ・ムゥーの「愛はココロの仕事です」20回歌唱するはめになったのであった。
*現聴研・第四話 【投稿日 2006/04/16】 **[[現聴研]] 笹原「荻上さん、ギター弾けるんだね」 荻上「ええ、まあ…」 荻上さんが路上での弾き語りまで出来ることが部員に知れ渡って数日後。 現聴研部室では、皆でその腕前を堪能しようということになり、お馴染みの会議が開催された。 -議題- 「第123回荻上さんに演奏してもらいたい曲を決めよう会議」 しかし…。 大野「流行りのアレンジレンジの“鼻”とかどうで…」 荻上「あんなチャラチャラしたバンドは却下です。前にも言ったハズですが、私硬派なんで、ラブソングや流行歌なんか歌いませんから」 それを聞いて大野は憮然としている。 咲「なかなか頑固だな荻上~、かえってイタイよそれ」 ツッコまれた荻上も憮然としている。 頑な荻上の態度に、会議はなかなか進まなかった。 部室の雰囲気が険悪になってきた時、斑目がパンパンと手を打った。 「はいはいはい~!せっかくのギタリスト降臨なんだからここは一つ議題を絞ってね、ロックで行こうよロックで!」 -改題- 「第124回荻上さんに演奏してもらいたいロッカーを決めよう会議」 笹原「ロッカー…ですか?」 大野「曲じゃなくて?」 斑目「そうそう、そーよ。どんなバンドでも恋愛ソングは一つ二つあるもんだ。ここは硬派に“ロッカー”と縛りを入れることで、荻上さんも同意しやすいんじゃないかな、と?」 荻上は「まあ、いいですけど…」とやや及び腰だが、皆はかまわず議題を進めた。 咲「あー、私はロックとか趣味じゃないし、しいて言うなら“ジョルノグラフティ”くらいかなあ…」 田中「“伊エ門”はどうかな。吉井カズ哉は日本人離れした感じで、和製ネックジャガーっつうか…」 久我山「あ、い、“忌野喜代志郎”は…」 高坂「アニソンだけど、“Gクリップ”って知らないかなあ。一応ロックなんだけど、いい詩だよ」 斑目「うーん、キミたちはメジャーで順当すぎてイマイチかなあ~。高坂は逆にマニアック過ぎるな」 斑目は勝手に仕切りはじめた。 大野「モービィなんかどうですか?」 斑目「ありゃちょっとアレンジ難しいよな」 田中は大野の隣で、(モービィか…、ハゲだからだな…)と分析した。 笹原「メジャーどころではあるけど、ホテイさんのギターは好きですよ。“ボフイ”“コンピレックス”とか、ソロで一貫して硬派というか…」 斑目「笹原お前、最近までウォンタウンバンドとやらの“アイノウタ”を着メロにしてたろーがよ。ここぞとばかり硬派ぶるなよ~」 荻上さんにもジト目で睨まれて焦る笹原。 笹原「うわ、まだそのコト憶えてたんだ…」 斑目「俺は気に入らないものは何時までも憶えてるぜぇ。しつこいぜ、前世がヘビだからな!」 朽木「ハイハーイ!ボクは“UNDER-13”がいいと思いマース!」 斑目「…朽木君は廊下で議題を100回復唱してから入室してください(汗」 斑目は、ゴホンと一つ咳き込むと、「…どいつもこいつも、真剣にロックというものを論議せずに結果だけを追い求めておる」と大上段に語りはじめた。 笹原「いや、弾き語ってもらうロッカーを決めようって言ったの斑目さんだし…」 久我山「し、しょーもないオチに行き着くのを、だ、黙って見ているのが吉」 斑目「ロックというものはな、孤独なものなんだよ。誰にも理解されなくても、自分の信念をロックンロールに乗せて世の中にシャウトするものなんだよ!」 咲「聴くだけの音楽オタがよくまあエラソーに…」 斑目「うるさい、商業音楽に魂を引かれた心貧しき地球人よ」 斑目はイスを蹴飛ばすように立ち上がると、グッと拳に力を入れて語る。思わず一同も固唾を飲んで見守った。 「本当のロッカーとはなあ…、本当の…ロッカーとは……“ラ・ムゥー”のボーカリストォ、菊血ぃぃぃ桃子さんだァ!」 一同「(菊血桃子ォ………ッ!?)」 斑目「笹原ァ貴様見習ってるか桃子さんを!?」 笹原「…はぁ?」 斑目「愛はココロの仕事だ馬鹿者!」 田中「思いっきり恋愛ソングじゃねーか」 久我山「あ、こ、これ大月ケンヂのネタだよ…」 咲は、「ホント馬鹿ばっかでしょこのサークル…」と傍らの荻上に語りかけた。 「はぁ……」荻上も言葉が見つからない。しかし、彼女がラ・ムゥーも弾けることは秘密だ。 こうして部室内では、会議で挙がったアーティストの曲で、荻上さんが演奏可能な曲を弾き語りし、時には皆で歌て楽しいひとときを過ごした。 一方、斑目は廊下に立たされ、議題を100回唱える朽木の隣で、ラ・ムゥーの「愛はココロの仕事です」20回歌唱するはめになったのであった。

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