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東北の反逆児」(2005/12/20 (火) 03:23:20) の最新版変更点

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*東北の反逆児 【投稿日 2005/10/27】 **[[カテゴリー-他漫画・アニメパロ>URL]] 荻上は夏コミ以来、積極的にイベント参加をするようになった。最近は売り手としての参加にも慣れ、 その名も少しは知られるようになり、ある種の覚悟が固まりつつあった。 だが…知られるとともに同人の「別の要素」がみられるようになる。 そう、彼に象徴される「自称知り合い」のたぐいのような… 「大野さん声優してみな~い?知り合いが探してるんだよ~エロゲだけどねww」 「いえ…やめておきます」 大野加奈子は顔を引きつらせつつ、無難に原口の誘いを受け流した。 (何でこの人ここにいるんだろう…) 何か手伝いをするでもなく、当日ふらりとあらわれて当然のようにスペースに居座る。 することといえば自己満足の「批評」か誰それに会ったとかいう「自慢」だけ。 「あ、荻上さんだっけ?見たよ同人~」 「なれなれしく触らないでください」 「あはは、そんなんじゃ駄目だよ~」 「だからオタクは対人能力がないとか言われちゃうんだよね~。社交的な俺としては心外なんだけどさ~はは。」 原口はなれなれしく笑いかけると、もういちど荻上の肩に手を置く。 その瞬間。荻上は立ち上がり叫ぶ。もう、我慢の限界はとうに踏み越えた。 「ああ、そうさ!私はただのオタクだ!ちゃんとすた常識もねえ、おめみてえなご立派な人脈ってやづもねえ。 それでもただ一つ、一つだけオメさ勝っているモノがある! さあ見せてやる! これが!これだけが!私の自慢の”創作者(かみ)の右手”だぁぁっ!!」 22年前より、東北(ロストグラウンド)に生まれた新生児の約2%に特殊能力が発現するようになった。 周囲の物質を、意志の力で原子レベルにまで分解し、再構成するというその能力を「アルター能力」と言う。 また、再構成されたものを「アルター」、能力者のことを「アルター使い」と呼ぶ。 アルターには様々な形態・能力があるが、それらは能力者の性格や願望を反映しているといわれている。 「ふーん?ならこれでどうかな?僕は変身できるタイプなんだ…」 原口の気が膨れ上がっていく…それはそこにいる全ての人間を圧倒する強さとなって場を制する。 「私の戦闘力は530000です。ですが、フルパワーで戦うつもりはありませんからご心配なく。」 「な、何て気だ!ちくしょう震えが止まらねえぜ…」 「え…い、今の誰ですか?」 某サイヤ人の王子様がいたような気がしたが気にしないことにした。 あまりの力の差に呆然と立ち尽くしたその時!1本の薔薇が空を切った! 「ラ・煙幕ボンバー!!」 小さな爆発とともにしょぼい煙幕があたりに立ち込める! そして、その中から黒のシルクハットにタキシード、そして怪しげな仮面を被った男が姿を現した。 「タキシード仮面(20%増量中)参上!!」 「…何やってるんですか田中さん」 「わわっ、ちょっと…加奈さん…こっちへ…」 「…こういう時は気付いても黙ってて…」 「はあ…」 「でね…」 「え…本気ですか?」 「うん…やってみない?」 「…そうですね、ちょっと面白そうだし…」 タキシード仮面(20%増量中)は一旦走り去ると、もう一度煙幕をはなち叫ぶ。 「タキシード仮面(20%増量中)参上!!」 「タキシード仮面様!」 大野は指示通りに「タキシード仮面に憧れる美少女戦士」を演じ切る。ノリノリで。 ………やってる本人達は楽しそうだが…その姿は、痛々しいカップルレイヤーそのものであった。 「荻上さん、これは…何があったの?」 「あ、笹原さん…って、そ、それは…」 笹原はなぜか青の軍服姿…おそらくハレガンの「大佐」コスであろう――を着て登場、 荻上をかばうように原口と対峙する。 (うわ…予想はしてたけんど…すっげえ似合いすぎだべこれ…) 荻上はあまりの衝撃に――自分の「キャラ設定」も忘れ――いつのまにか笹原をじっと見つめていた。 「…荻上さん?」 「い、いやその、大佐好きなんで――」 「そ、そうなんだ…」 「……………」 初期のげんしけんからは考えられないラヴコメ的空気に、完全に飲まれてしまった原口。 そこから自分が排除されている現実を突きつけられ、彼は―― 「初めてですよ…この私をここまでコケにしたおバカさん達は…  ゆ…ゆるさん… ぜったいにゆるさんぞ虫ケラども!!!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!」 さらに気を高め、げんしけんの仲間達に襲いかかる。しかし―― 「…笹原さん。」 荻上の呼びかけに無言でうなずく笹原。すでに構築された信頼関係がそこにあった。 「その馬鹿を極める!!その身に刻め!熱情のシェルブリット!!!」 荻上の妄想が―――笹×斑が、田×斑が――そして原×斑が!右手に凝縮し、弾丸のように原口に押し寄せる! 《くっ…原口さん、どうか…笹原だけは…》《ふふっ、わかってるよ…斑目君…》以下略 「ちょ…ぼ、僕が斑目くんと?さ、さすがにそれは…うわ、そ、そんなことまで…」 「か、勘弁してくれーーー!!!」ドカーン(カメラ引き、爆発) 変幻自在の妄想を武器に全てをやおい化し、男同士の恋愛に至上の価値を見出す―― 奴の――奴の名は――反逆者(トリズナー)荻上―――!!! 「これが最後の原口とは思えない…いつか第2第3の原口が…」 「あ、いたんですか斑目さん」 「い…いたんですかって…ずっといたわい!」 「それ何でしたっけ…Rですか?」 「ん?ああ、笹原もわかってきたようだな。いかにもこの場合の元ネタはRといって差し支えない。  オタクがしたり顔で第2第3の…と語っているというところがこのパロネタのキモであって…」 「はあ…ま、荻上さんも災難だったね…ホントにあの人はねえ…いつまでも半端者で…」 「いえ、あの位どうってことないですよ」 「はは…ま、大丈夫とは思ってたけどね。今の荻上さんがあの人なんかにどうこうできるとは思えないし。」 集まっていた野次馬も徐々にいなくなり、周囲はいつもの――毎年行われるコミフェスの日常を取り戻す。 荻上製作の本は売れ行きも上々、終了まで余裕を持って、初の完売となった。 初の完売に喜びを隠せない荻上。その様子を見るとこっちまで嬉しくなってくる。 (よかったですね、荻上さん…) ケンカして、青春して、お世話して――色々あったけど、荻上のオタクとして、いや人間としての成長は、 大野加奈子の心の中にあたたかいなにかを残し――荻上はいまや生涯の友、いやオタク道を極める同志となった。 「我、生涯の友を得たり!!ふふっ」 「お、結城秀康だっけ?大野さん花の一夢庵とかああいうのも見て…あ、当然といえば当然だね。」 「さすが笹原さん、わかってらっしゃる!今の私はまさにそんな気分なんですよ、本当に。」 「うん。わかるよ。こうやって仲間と同じ時間を共有するってのは、何事にも変えがたい財産だよね…」 (笹原さん、言うようになって…もう本当名実共に『大佐』って感じですね…) 「笹原さん、やっぱり似合ってますね。」 「そうかな?」 「ええ、あとはもうちょっと強気っぽい感じが出せればパーフェクトです」 つい演技指導に熱が入り、斑目・田中も巻き込んだハレガン会議が始まってしまう。 時間の経つのも忘れ、撤収を進める手もついつい休みがちとなり…気が付けば周りはほぼ撤収の準備を終えていた。 「あ!おい笹原、もうこんな時間だぞ!」 「うわ!み、みんな撤収!急いで!」 あわてて撤収を進めるげんしけんの仲間達。 「よし、これで全て完了、と。」 既に人の流れのピークは過ぎ去った会場前、ようやくげんしけんメンバーは今回のコミフェス全てを終わらせた。 「と、忘れるところでした、はいご注文の買出しです」 「あ、ありがとう…」 大野加奈子は、笹原に頼まれていた同人誌をカートの中から取り出す。だが―― 笹原に手渡そうと振り返ったその時、前に進み出た笹原と衝突。その同人誌を豪快にぶちまけてしまった! 「ぷるぷる魔乳艦長」「お前何党?俺おっぱい党」「第3次スーパー乳揺れ大戦α」 「諸君、私はおっぱいが好きだ」「玉姉の秘密」「こよみかわいいよこよみ」 (ちょ…ふぉ、フォローしないと!えーとえーと…) 「す…すいません!………あ、あの、笹原さんは豊かな胸の女性が大好きなんですね!」 「………」 「や、や、その、これは…そう、2次元の趣味だから!現実とは違うっていうか…はは…」 「………」 「お、荻上さん?」 「何ですか?私には…ぜん゛ぜん゛…関係…ないですよ…」 「ですよね!笹原さんの趣味をどうこう言っても仕方ないですもんね!」 荻上は大野を泣きながらにらみつける。いつもの――殺し屋のような目で。 「…え?わ、私が何か…」 「その無意味に育った胸に反逆する!!」 「え?え?」 荻上のアルターが大野加奈子にせまる!だが!その時!大野加奈子のNeko Mimi MoDeが発動した! 《大野加奈子が生命の危険を感じたその時!Neko Mimi MoDeは零コンマ5秒で発動し、本体を守る!》 《これぞネコミミモード最大の秘儀!抜剣覚醒である!!!》 「そ、その姿は!」 荻上が驚愕の表情で大野に視線を送る。 「私も、まさか荻上さんがネイティブ・アルターだとは思っても見なかったですよ…」 大野加奈子は毅然とした表情で荻上を見つめ返す。だが―― 『抜剣覚醒』には1つ難点があった。 それは――変身するキャラを選べないことである。 「…」 「言わないんですか?」 「…何をですか?」 「でじこ、がんばるにょ~って。にょ~なんて朽木さんみたいですけど(嘲笑)」 「いいんです言わなくても!キャラを愛する心があれば!」 「内面も表現する!んじゃあなかったんですか?」 「うう…」 「ま、そんなものですよね。…どうせもうコスプレでしたりしてるんでしょう?」 荻上が決定的な一言を口にする。 「…から」 「え?」 「目からビーーーム!!」 「きゃん!!!」 「あ~らまるで萌えキャラみたいな悲鳴ですね~!荻上さんってか~わいい☆」 「………」 「あの…二人とも…」 「「斑目さんは黙ってて下さい!!!」」 「…はい…。」 げにおそろしきは女の争い…そして斑目はどこまで行っても斑目であった。 荻上が妄想を叩きつけ、大野はそれを全て吸収しビームを充填する。 激しい攻防のさなか、大野加奈子はふと荻上の服が変わっていることに気付き、指摘する。 「…それHOLYの制服コスですよね?なのに何でシェルブリット使ってるんですか?」 「う…」 荻上は言葉に詰まるが… 「そ…」 「そ?」 「それはそれ!これはこれ!!」 (言い切った―――――!!) 「でも…あなたは昨日も『コスプレなんて恥ずかしい』とか言ってませんでしたか?」 「そ、それは…」 「ああ、コスプレじゃない、アルター能力の副産物ですか?でも、はたから見ればコスプレそのものですよ?」 「あ、あの…その…」 精神面から切り崩され、荻上は見る見る追い詰められていく。 そして…荻上が限界を超えそうになったその時! 「荻上さん!」 笹原が瞬間的に大きな炎を起こし、あたりは閃光に包まれた! 「うわ!…ってああッ、逃げた!」 全速力で逃げる笹原と荻上。荻上は泣きながら笹原に抱えられている。 「も、もうあんな…なにがなにやら…」 「あ、あれも一つの『フタリノセカイ』な、なんだな。うん。」 「うわ!久我山さんもいたんですか!?」 次回予告 「世界の…敵?」 (伏線なしに)からみあう謎、(後付で)判明する新しい事実! 「ふっふっふ、ワタクシ朽木にセプターとしての才能が眠っていた事には気付かなかったようですね!」 朽木も出るけどたぶん敵でやられ役 うんこにょー 死相が出てる 次回「ステージ名:椎応大学」チャンネルはそのままで!
*東北の反逆児 【投稿日 2005/10/27】 **[[カテゴリー-他漫画・アニメパロ>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/50.html]] 荻上は夏コミ以来、積極的にイベント参加をするようになった。最近は売り手としての参加にも慣れ、 その名も少しは知られるようになり、ある種の覚悟が固まりつつあった。 だが…知られるとともに同人の「別の要素」がみられるようになる。 そう、彼に象徴される「自称知り合い」のたぐいのような… 「大野さん声優してみな~い?知り合いが探してるんだよ~エロゲだけどねww」 「いえ…やめておきます」 大野加奈子は顔を引きつらせつつ、無難に原口の誘いを受け流した。 (何でこの人ここにいるんだろう…) 何か手伝いをするでもなく、当日ふらりとあらわれて当然のようにスペースに居座る。 することといえば自己満足の「批評」か誰それに会ったとかいう「自慢」だけ。 「あ、荻上さんだっけ?見たよ同人~」 「なれなれしく触らないでください」 「あはは、そんなんじゃ駄目だよ~」 「だからオタクは対人能力がないとか言われちゃうんだよね~。社交的な俺としては心外なんだけどさ~はは。」 原口はなれなれしく笑いかけると、もういちど荻上の肩に手を置く。 その瞬間。荻上は立ち上がり叫ぶ。もう、我慢の限界はとうに踏み越えた。 「ああ、そうさ!私はただのオタクだ!ちゃんとすた常識もねえ、おめみてえなご立派な人脈ってやづもねえ。 それでもただ一つ、一つだけオメさ勝っているモノがある! さあ見せてやる! これが!これだけが!私の自慢の”創作者(かみ)の右手”だぁぁっ!!」 22年前より、東北(ロストグラウンド)に生まれた新生児の約2%に特殊能力が発現するようになった。 周囲の物質を、意志の力で原子レベルにまで分解し、再構成するというその能力を「アルター能力」と言う。 また、再構成されたものを「アルター」、能力者のことを「アルター使い」と呼ぶ。 アルターには様々な形態・能力があるが、それらは能力者の性格や願望を反映しているといわれている。 「ふーん?ならこれでどうかな?僕は変身できるタイプなんだ…」 原口の気が膨れ上がっていく…それはそこにいる全ての人間を圧倒する強さとなって場を制する。 「私の戦闘力は530000です。ですが、フルパワーで戦うつもりはありませんからご心配なく。」 「な、何て気だ!ちくしょう震えが止まらねえぜ…」 「え…い、今の誰ですか?」 某サイヤ人の王子様がいたような気がしたが気にしないことにした。 あまりの力の差に呆然と立ち尽くしたその時!1本の薔薇が空を切った! 「ラ・煙幕ボンバー!!」 小さな爆発とともにしょぼい煙幕があたりに立ち込める! そして、その中から黒のシルクハットにタキシード、そして怪しげな仮面を被った男が姿を現した。 「タキシード仮面(20%増量中)参上!!」 「…何やってるんですか田中さん」 「わわっ、ちょっと…加奈さん…こっちへ…」 「…こういう時は気付いても黙ってて…」 「はあ…」 「でね…」 「え…本気ですか?」 「うん…やってみない?」 「…そうですね、ちょっと面白そうだし…」 タキシード仮面(20%増量中)は一旦走り去ると、もう一度煙幕をはなち叫ぶ。 「タキシード仮面(20%増量中)参上!!」 「タキシード仮面様!」 大野は指示通りに「タキシード仮面に憧れる美少女戦士」を演じ切る。ノリノリで。 ………やってる本人達は楽しそうだが…その姿は、痛々しいカップルレイヤーそのものであった。 「荻上さん、これは…何があったの?」 「あ、笹原さん…って、そ、それは…」 笹原はなぜか青の軍服姿…おそらくハレガンの「大佐」コスであろう――を着て登場、 荻上をかばうように原口と対峙する。 (うわ…予想はしてたけんど…すっげえ似合いすぎだべこれ…) 荻上はあまりの衝撃に――自分の「キャラ設定」も忘れ――いつのまにか笹原をじっと見つめていた。 「…荻上さん?」 「い、いやその、大佐好きなんで――」 「そ、そうなんだ…」 「……………」 初期のげんしけんからは考えられないラヴコメ的空気に、完全に飲まれてしまった原口。 そこから自分が排除されている現実を突きつけられ、彼は―― 「初めてですよ…この私をここまでコケにしたおバカさん達は…  ゆ…ゆるさん… ぜったいにゆるさんぞ虫ケラども!!!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!」 さらに気を高め、げんしけんの仲間達に襲いかかる。しかし―― 「…笹原さん。」 荻上の呼びかけに無言でうなずく笹原。すでに構築された信頼関係がそこにあった。 「その馬鹿を極める!!その身に刻め!熱情のシェルブリット!!!」 荻上の妄想が―――笹×斑が、田×斑が――そして原×斑が!右手に凝縮し、弾丸のように原口に押し寄せる! 《くっ…原口さん、どうか…笹原だけは…》《ふふっ、わかってるよ…斑目君…》以下略 「ちょ…ぼ、僕が斑目くんと?さ、さすがにそれは…うわ、そ、そんなことまで…」 「か、勘弁してくれーーー!!!」ドカーン(カメラ引き、爆発) 変幻自在の妄想を武器に全てをやおい化し、男同士の恋愛に至上の価値を見出す―― 奴の――奴の名は――反逆者(トリズナー)荻上―――!!! 「これが最後の原口とは思えない…いつか第2第3の原口が…」 「あ、いたんですか斑目さん」 「い…いたんですかって…ずっといたわい!」 「それ何でしたっけ…Rですか?」 「ん?ああ、笹原もわかってきたようだな。いかにもこの場合の元ネタはRといって差し支えない。  オタクがしたり顔で第2第3の…と語っているというところがこのパロネタのキモであって…」 「はあ…ま、荻上さんも災難だったね…ホントにあの人はねえ…いつまでも半端者で…」 「いえ、あの位どうってことないですよ」 「はは…ま、大丈夫とは思ってたけどね。今の荻上さんがあの人なんかにどうこうできるとは思えないし。」 集まっていた野次馬も徐々にいなくなり、周囲はいつもの――毎年行われるコミフェスの日常を取り戻す。 荻上製作の本は売れ行きも上々、終了まで余裕を持って、初の完売となった。 初の完売に喜びを隠せない荻上。その様子を見るとこっちまで嬉しくなってくる。 (よかったですね、荻上さん…) ケンカして、青春して、お世話して――色々あったけど、荻上のオタクとして、いや人間としての成長は、 大野加奈子の心の中にあたたかいなにかを残し――荻上はいまや生涯の友、いやオタク道を極める同志となった。 「我、生涯の友を得たり!!ふふっ」 「お、結城秀康だっけ?大野さん花の一夢庵とかああいうのも見て…あ、当然といえば当然だね。」 「さすが笹原さん、わかってらっしゃる!今の私はまさにそんな気分なんですよ、本当に。」 「うん。わかるよ。こうやって仲間と同じ時間を共有するってのは、何事にも変えがたい財産だよね…」 (笹原さん、言うようになって…もう本当名実共に『大佐』って感じですね…) 「笹原さん、やっぱり似合ってますね。」 「そうかな?」 「ええ、あとはもうちょっと強気っぽい感じが出せればパーフェクトです」 つい演技指導に熱が入り、斑目・田中も巻き込んだハレガン会議が始まってしまう。 時間の経つのも忘れ、撤収を進める手もついつい休みがちとなり…気が付けば周りはほぼ撤収の準備を終えていた。 「あ!おい笹原、もうこんな時間だぞ!」 「うわ!み、みんな撤収!急いで!」 あわてて撤収を進めるげんしけんの仲間達。 「よし、これで全て完了、と。」 既に人の流れのピークは過ぎ去った会場前、ようやくげんしけんメンバーは今回のコミフェス全てを終わらせた。 「と、忘れるところでした、はいご注文の買出しです」 「あ、ありがとう…」 大野加奈子は、笹原に頼まれていた同人誌をカートの中から取り出す。だが―― 笹原に手渡そうと振り返ったその時、前に進み出た笹原と衝突。その同人誌を豪快にぶちまけてしまった! 「ぷるぷる魔乳艦長」「お前何党?俺おっぱい党」「第3次スーパー乳揺れ大戦α」 「諸君、私はおっぱいが好きだ」「玉姉の秘密」「こよみかわいいよこよみ」 (ちょ…ふぉ、フォローしないと!えーとえーと…) 「す…すいません!………あ、あの、笹原さんは豊かな胸の女性が大好きなんですね!」 「………」 「や、や、その、これは…そう、2次元の趣味だから!現実とは違うっていうか…はは…」 「………」 「お、荻上さん?」 「何ですか?私には…ぜん゛ぜん゛…関係…ないですよ…」 「ですよね!笹原さんの趣味をどうこう言っても仕方ないですもんね!」 荻上は大野を泣きながらにらみつける。いつもの――殺し屋のような目で。 「…え?わ、私が何か…」 「その無意味に育った胸に反逆する!!」 「え?え?」 荻上のアルターが大野加奈子にせまる!だが!その時!大野加奈子のNeko Mimi MoDeが発動した! 《大野加奈子が生命の危険を感じたその時!Neko Mimi MoDeは零コンマ5秒で発動し、本体を守る!》 《これぞネコミミモード最大の秘儀!抜剣覚醒である!!!》 「そ、その姿は!」 荻上が驚愕の表情で大野に視線を送る。 「私も、まさか荻上さんがネイティブ・アルターだとは思っても見なかったですよ…」 大野加奈子は毅然とした表情で荻上を見つめ返す。だが―― 『抜剣覚醒』には1つ難点があった。 それは――変身するキャラを選べないことである。 「…」 「言わないんですか?」 「…何をですか?」 「でじこ、がんばるにょ~って。にょ~なんて朽木さんみたいですけど(嘲笑)」 「いいんです言わなくても!キャラを愛する心があれば!」 「内面も表現する!んじゃあなかったんですか?」 「うう…」 「ま、そんなものですよね。…どうせもうコスプレでしたりしてるんでしょう?」 荻上が決定的な一言を口にする。 「…から」 「え?」 「目からビーーーム!!」 「きゃん!!!」 「あ~らまるで萌えキャラみたいな悲鳴ですね~!荻上さんってか~わいい☆」 「………」 「あの…二人とも…」 「「斑目さんは黙ってて下さい!!!」」 「…はい…。」 げにおそろしきは女の争い…そして斑目はどこまで行っても斑目であった。 荻上が妄想を叩きつけ、大野はそれを全て吸収しビームを充填する。 激しい攻防のさなか、大野加奈子はふと荻上の服が変わっていることに気付き、指摘する。 「…それHOLYの制服コスですよね?なのに何でシェルブリット使ってるんですか?」 「う…」 荻上は言葉に詰まるが… 「そ…」 「そ?」 「それはそれ!これはこれ!!」 (言い切った―――――!!) 「でも…あなたは昨日も『コスプレなんて恥ずかしい』とか言ってませんでしたか?」 「そ、それは…」 「ああ、コスプレじゃない、アルター能力の副産物ですか?でも、はたから見ればコスプレそのものですよ?」 「あ、あの…その…」 精神面から切り崩され、荻上は見る見る追い詰められていく。 そして…荻上が限界を超えそうになったその時! 「荻上さん!」 笹原が瞬間的に大きな炎を起こし、あたりは閃光に包まれた! 「うわ!…ってああッ、逃げた!」 全速力で逃げる笹原と荻上。荻上は泣きながら笹原に抱えられている。 「も、もうあんな…なにがなにやら…」 「あ、あれも一つの『フタリノセカイ』な、なんだな。うん。」 「うわ!久我山さんもいたんですか!?」 次回予告 「世界の…敵?」 (伏線なしに)からみあう謎、(後付で)判明する新しい事実! 「ふっふっふ、ワタクシ朽木にセプターとしての才能が眠っていた事には気付かなかったようですね!」 朽木も出るけどたぶん敵でやられ役 うんこにょー 死相が出てる 次回「ステージ名:椎応大学」チャンネルはそのままで!

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