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*その一 惠子と荻上 【投稿日 2005/10/27】 **[[カテゴリー-1月号>URL]] 荻上が浴室の扉を緊張しながら開けると、中は薄暗く少し怖い感じがした。 暗がりから声がする。 大野「触ってみますかっ」 咲「だからいいっての(怒)」 荻上「何をしてるんですか?もういいんですか?」 咲「ああ、いいよ。男どもは大人しくしてるだろうね。あたしらが着替えたら惠子も呼びなよ」 大野「とっても良い温泉ですよ」 荻上「何か怪しいですね。何してたんですか!」 咲 「別に何でもないよ、大野がやらしいだけだって」 大野「なっ何を言うんですか!誤解を招くような事を!」 そう言いながら二人は浴槽から上がった。薄暗がりに二人の裸体が浮かび上がる。荻上は顔を赤らめながら横を向いて見ないようにした。 咲 「男どもはあたしたちがしっかり見てるからゆっくり入ってきなよ。おーい惠子―。」 惠子「はーい」 惠子も浴室に入ってきた。 咲 「かー、四人も入ると狭いねー、どれ、あたしらは着替えたし、ゆっくりね」 咲と大野は浴室から出て行った。 惠子「きゃー、温泉!温泉!」 そうはしゃぎながら、惠子は衣服をたたみもせず脱ぎ捨てた。 荻上「外からは・・・見えませんよね・・・」 不安げに荻上も服を脱ぎ始めた。 惠子「大丈夫でしょー、あの二人だって入ってるんだし、中の電気つけなきゃ見えないって!」 荻上「ならいいんですれど・・・」 そそくさと荻上は浴槽に身を沈めた。他人と風呂に入るのは修学旅行以来だ。同性同士でも自分の裸をしげしげ見られるのは嫌だった。 惠子「高坂さん!やっぱ、寝顔も可愛いよね!けっこういい買い物もできたし!軽井沢来て良かったよね!んでさー・・・。」 惠子は普段以上にはしゃいでいる。荻上も惠子と二人きりになることがなかったので、気まずい気がしていたが、惠子も同じように感じているらしく、それを打ち消すようにしゃべり続けた。 荻上「・・・すごい買い物でしたよね。春日部先輩からお金借りたとか・・・」 惠子「あっああ、やっぱり、春日部ねーさんはすごいよね。いや、お金があるとかじゃなく、きっぷがいいというか、一生ついてきますみたいなー。えっ返すあて?そんなもんあるわけねーじゃん!いざとなったら春日部ねーさんの店で働いて返すよ!」 惠子はさばさばした様子で言った。だが借金の話はあまり触れて欲しくないらしく、話題を変えた。 惠子「兄貴とうまくいってんの?」 荻上「!・・・ですからオタクと付き合う気はありません・・・。」 惠子「かー兄貴かわいそー。脈無しかー。好きになったらオタクも何も関係無いけどね。あたしや春日部ねーさんみたいに!あっ高坂さんはだめだよ!」 荻上「あの人もオタクです!」 惠子「(むっ)あんただってオタクじゃん!つーか、あたしは自分の気持ちに正直に生きてるけどあんたは嘘つきだよね!」 荻上「私のどこが嘘つきだって言うです!」 惠子「ていうかさ、あんたは女オタクが嫌いっていうけどホントは自分が嫌いなだけなんじゃないの!オタクと付き合わないんじゃなくてオタクの自分は誰にも愛されないと思ってんじゃないの!」 荻上「!・・・あがります・・・。」 惠子も言い過ぎたと思い、口をつぐんだ。浴槽からあがった荻上の肢体は外からさしこむ薄い光にぼんやりと浮かび上がった。それを惠子は見つめて言った。 惠子「あんたさー。けっこう綺麗な体してると思うよー。自信持っていいと思うよ」 荻上「!いっいやらしいこと言わないでください!」 顔を赤らめて荻上は叫んだ。 本編に続く
*その一 惠子と荻上 【投稿日 2005/10/27】 **[[カテゴリー-1月号>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/54.html]] 荻上が浴室の扉を緊張しながら開けると、中は薄暗く少し怖い感じがした。 暗がりから声がする。 大野「触ってみますかっ」 咲「だからいいっての(怒)」 荻上「何をしてるんですか?もういいんですか?」 咲「ああ、いいよ。男どもは大人しくしてるだろうね。あたしらが着替えたら惠子も呼びなよ」 大野「とっても良い温泉ですよ」 荻上「何か怪しいですね。何してたんですか!」 咲 「別に何でもないよ、大野がやらしいだけだって」 大野「なっ何を言うんですか!誤解を招くような事を!」 そう言いながら二人は浴槽から上がった。薄暗がりに二人の裸体が浮かび上がる。荻上は顔を赤らめながら横を向いて見ないようにした。 咲 「男どもはあたしたちがしっかり見てるからゆっくり入ってきなよ。おーい惠子―。」 惠子「はーい」 惠子も浴室に入ってきた。 咲 「かー、四人も入ると狭いねー、どれ、あたしらは着替えたし、ゆっくりね」 咲と大野は浴室から出て行った。 惠子「きゃー、温泉!温泉!」 そうはしゃぎながら、惠子は衣服をたたみもせず脱ぎ捨てた。 荻上「外からは・・・見えませんよね・・・」 不安げに荻上も服を脱ぎ始めた。 惠子「大丈夫でしょー、あの二人だって入ってるんだし、中の電気つけなきゃ見えないって!」 荻上「ならいいんですれど・・・」 そそくさと荻上は浴槽に身を沈めた。他人と風呂に入るのは修学旅行以来だ。同性同士でも自分の裸をしげしげ見られるのは嫌だった。 惠子「高坂さん!やっぱ、寝顔も可愛いよね!けっこういい買い物もできたし!軽井沢来て良かったよね!んでさー・・・。」 惠子は普段以上にはしゃいでいる。荻上も惠子と二人きりになることがなかったので、気まずい気がしていたが、惠子も同じように感じているらしく、それを打ち消すようにしゃべり続けた。 荻上「・・・すごい買い物でしたよね。春日部先輩からお金借りたとか・・・」 惠子「あっああ、やっぱり、春日部ねーさんはすごいよね。いや、お金があるとかじゃなく、きっぷがいいというか、一生ついてきますみたいなー。えっ返すあて?そんなもんあるわけねーじゃん!いざとなったら春日部ねーさんの店で働いて返すよ!」 惠子はさばさばした様子で言った。だが借金の話はあまり触れて欲しくないらしく、話題を変えた。 惠子「兄貴とうまくいってんの?」 荻上「!・・・ですからオタクと付き合う気はありません・・・。」 惠子「かー兄貴かわいそー。脈無しかー。好きになったらオタクも何も関係無いけどね。あたしや春日部ねーさんみたいに!あっ高坂さんはだめだよ!」 荻上「あの人もオタクです!」 惠子「(むっ)あんただってオタクじゃん!つーか、あたしは自分の気持ちに正直に生きてるけどあんたは嘘つきだよね!」 荻上「私のどこが嘘つきだって言うです!」 惠子「ていうかさ、あんたは女オタクが嫌いっていうけどホントは自分が嫌いなだけなんじゃないの!オタクと付き合わないんじゃなくてオタクの自分は誰にも愛されないと思ってんじゃないの!」 荻上「!・・・あがります・・・。」 惠子も言い過ぎたと思い、口をつぐんだ。浴槽からあがった荻上の肢体は外からさしこむ薄い光にぼんやりと浮かび上がった。それを惠子は見つめて言った。 惠子「あんたさー。けっこう綺麗な体してると思うよー。自信持っていいと思うよ」 荻上「!いっいやらしいこと言わないでください!」 顔を赤らめて荻上は叫んだ。 本編に続く

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