「脈はあるのか」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

脈はあるのか」(2006/03/08 (水) 01:34:39) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*こんな夢を見た 【投稿日 2006/03/04】 **[[カテゴリー-斑目せつねえ>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/48.html]] 初斑目話。やっつけ風味。たぶんエンドレス。と、いうことで。 「♪~」 鼻歌を歌いながら斑目は現視研の部室へ向かう。手にはコンビニの弁当。いつも通りの日常…になるはずだった。 くい。 サークル棟の入り口をくぐったとき、何かにすそを引かれた。振り返る。誰も居ない。 くいくい。 また引かれる。視線を下げると、そこにはかわいらしい少女がいて、こちらを見上げている。どこか見覚えのある顔。 そしてその少女は満面の笑みを浮かべると、こう言った。 「お父さん♪」 「ちーす」 疲れきった顔の斑目が部室のドアを開ける。珍しい事にフルメンバー揃っている。 もの言いたげな視線をあえて無視して、無言のままパイプ椅子を引くと深深と腰掛ける。 「お父さん、だっこ」「はいよ」 少女をひざの上仁抱き上げる。少女の満面の笑み。精魂尽き果てたような斑目。沈黙が流れ、そして沸騰した。 「「「「「「犯罪だーーーーー!!!!」」」」」」 少女はきょとんとしている。斑目の返事は無い。ただのしかばねのようだ。 とりあえず、少女を女性陣にまかせて、斑目を詰問する。 「誰なんですか、あの子?」 「知らん。むしろ教えてくれ」 「そんな無責任な」 「あのな、俺が全く何もしなかったと思うのか?」 「警察呼びましょう」 「笹原…お前が普段俺をどんな目で見ているか、よくわかったよ」 「違うでしょ。まずは彼女の両親を探さないと…朽木くん、こっちに来て」 「!…ハイ…」 密かに少女の方に移動していた朽木。 一方、少女の方は… 「えっと、お名前教えてくれるかな~」 「まだらめ よーこです」 「何歳ですか?」 片手を広げて差し出す。 「お父さんとお母さんの名前は?」 「え~と、はる、の、ぶ、おとうさんと、さきおかあさん!」 「へ?」 呆ける咲。そんな彼女の顔をまじまじと見て、少女は言う。 「あ、お母さんだ」 「…つまり、あの子は私とあんたの子供、というわけね」 「…」 「あんたの子供を産んだ記憶なんて全く無いんだけど」 「こっちもねーよ」 疲れきって、半分魂の抜けた様子で会話する斑目と咲。 少女は他の4人と遊んでいる。朽木は撮影中。少女がこちらを向いて手を振る。2人は思わず手を振り返す。 「高坂が子供好きとは知らなかったな…」 「…」 咲はまっすぐに高坂を見つめている。その姿は酷くきれいで、残酷だった。 「まったく、何なんだよ、これは…」 「夢だよ」 斑目の呟きに答えが返る。時が止まる。世界が凍る。 「これは、ただの夢。ありえた世界とのありえない交差。そこには何の意味もない」 振り返ると初代会長がたっていた。 「人は選ぶ事、選ばない事で人生を築いていく。選ぶ事は何かを得て、何かを失う事。選ばない事は何も失わず、何も得られない事。選択肢は多数あって、可能性は限りなくて、時間だけが有限」 「いったい、何を言って…」 「君は何を望むのかな?…」 世界が溶ける。混ざり合ってぐるぐるまわって一つになって…消えた。 「って夢オチかよ!!」 叫びながら斑目は跳ね起きる。カーテンの隙間から差し込む朝の光。昨日と同じままの自分の部屋。 「なんか変な夢をみたような…寝る前に読んだ本が悪かったか?」 枕もとの本に目を向ける。 「まあ、いいか」 呟くと、大きく伸びをして立ち上がる。カーテンを開ける。ついでに窓も開けてみる。 朝の冷たい空気を吸い込み、斑目は決意する。 「よし、今日も弁当もって部室に行こう!」
*脈はあるのか 【投稿日 2006/03/07】 **[[カテゴリー-斑目せつねえ>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/48.html]] 「ふぃー、疲れた…」  歩きながらそう呟くと、斑目はネクタイを緩めた。首を締め付けるようなこの感覚は、未だに慣れない。 (どうすっかな…同人ショップでも寄って帰るか…)  そして斑目は、行きつけの店へと向かった。 「いやー…今日は掘り出し物が見つかったなー」  右手に紙袋を持ちながら、満足そうな笑みを浮かべる斑目。 「…お、あれは…」  斑目は、10mほど先に咲が歩いているのを見付けた。そっと近付き、声をかける。 「やーぁ、春日部さん」 「ん? あぁ、斑目か。どしたのこんな所で……って、聞くまでもないか」 「はは…ま、そゆコト」  そのまま、並んで歩き出す2人。 「春日部さんは? 買い物?」 「ん…デートの帰り」 「…高坂?」 「当たり前だろ」  ―――ズキッ 「は、ははは。そうだよな」  咲の口から「高坂」という名前が出る度、心が痛む。 「で、その高坂はどうしたんだよ?」 「なんか、0時売りがどうのこうのって言ってどっか行ったよ」 「あ…」  忘れてた。今日は0時売りがあったんだ。今から並んでも買えないだろうし、何より、咲と一緒に歩いているこの時間を無駄にはしたくなかった。 「私、さ…」  不意に咲が語り出す。 「誤解してたよ」 「? 何を?」 「オタク、って奴らをさ」 「…」 「いい歳してアニメやゲームに夢中になったり、なんかフィギュアとか集めたり…正直、気持ち悪いな、って思ってたよ」 「ははは…」 「でも、高坂と付き合って、現視研に入って…オタクにもいい奴はいるんだな、って思った。なんだかんだで私と高坂をくっつけてくれたのはアンタらだからね。感謝してるよ」 「そりゃどーも」 「アンタらみたいな…アンタみたいなオタクだったら、なんだか好きになれそうな気がするよ」  ―――え…。 「好…き?」 「って、勘違いするなよ!? 今の私は高坂一筋なんだからな!」 「…」 「斑目?」 「春日部さん…」  咲の方に向き直り、真剣な顔になる斑目。 「俺…ずっと、春日部さんに言いたかったことが…」 「なに?」 「お……俺、春日部さんのこと……好…!!」 「ふぅ、続きはどうスっかね」  荻上は部室で1人原稿を描いていた。今回は斑目×咲という、健全な方向でいこうかと考えている。 「でも、いまいちペンが進まねェなァ…やっぱりやおいとじゃ気合いの差が………ってうわあッ!?」 「……」  いつからいたのか、荻上の隣には斑目が立っていた。斑目は原稿を覗き込み、読み終わると荻上に向き直り、こう呟いた。 「続きキボンヌ」   完 正直スマンカッタ。吊ってくる。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: