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*夏コミ前の話 【投稿日 2005/10/16】 **[[カテゴリー-笹荻>URL]]  自宅のトレス台で、荻上はサラサラとペンを滑らせていた。来るべき夏コミに向けて、 せっせとハレガンの原稿を描いているのだ。  しかしその手が急に止まった。原稿には、『大佐』の絵が顔まで描かれている。 (そういえば先輩、就職まだ決まらないのかな?)  荻上は、考えてからはっとなった。 (なんで先輩の事なんか考えちまったんだ? ただハレガン同人誌描いてるだけだって のに! こんな事考えちまうなんてきっと、先輩の妹が余計な事言ったからだ! まっ たく何考えてるんだ? わたすと先輩がつき合うだなんて! 先輩だって先輩だ! 何 が『俺も、遊んでるヒマはないな』だ! わたすにとっては大事な事なんだぞ!)  まるで八つ当たりにも似た思いで、荻上は憤慨していた。 (やめだやめだ! ハレガン描いてると、どうすても先輩の事考えちまう。これじゃ、 描きたいモノなんて描けやしねぇってもんだ!)  一人でイライラしながら荻上は、棚にハガレンの原稿を放り込むと、代わりに描きか けの『くじアン』の原稿を取り出した。 (昔なんとなく描いたやつだけど、こっちを直して出そう)  くじアンの原稿を読み出す荻上。 (やっぱ眼鏡受けは外せないなから、千尋が受けで麦男が攻めだな。麦男は普段はツン ツンしてるけど、千尋の笑顔にその心が段々と溶かされていって……キャー! 萌える 萌えるー! でもって攻めのはずの麦男があの時では、千尋に逆に○○られたり、でも やられっぱなしの麦男じゃないから、千尋の眼鏡に麦男が○○したりして、んでもって 最後には……)  我に返る荻上。 (また、ワープしちまった。でも、これでいってみっか)  納得したのか、自分の妄想を漫画に投影していく荻上。  しばらく描いていたが、荻上はその手を休めた。 (ちょっと休憩すっか)  荻上は、背中を反らせ伸びをした。そして気分転換に近くにあったハレガンの単行本 を手に取った。 (やっぱ大佐ってカッコいいよなー。するどい目線とか、頭切れるし。そしてなにより 厳しい感じとは裏腹に、実は仲間思いで優しいところが……)  荻上は何を思ったか、鞄から愛用のノートを取り出すと、大佐のイラストを描きだし た。 (大佐の内面はやっぱ笑顔だよなー。笑顔の大佐……いいなぁ)  やがて完成した笑顔の大佐イラスト。しかしそれを見て、荻上は表情を曇らせた。 (……あれ? 何でこうなっちまうんだ? わたすは大佐を描いたはずなのに……)  その時の荻上の脳裏には、笹原が微笑みかけてる映像が浮かんでいた。  真っ赤になる荻上。 (違う! 違う! これは、あくまでハレガンの大佐なの! 断じて! 断じて違う!)  否定しつつも荻上は、そのイラストを破り取り、ハレガンの本と本の間に挟んだので あった。                                   終わり
*夏コミ前の話 【投稿日 2005/10/16】 **[[カテゴリー-笹荻>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/47.html]]  自宅のトレス台で、荻上はサラサラとペンを滑らせていた。来るべき夏コミに向けて、 せっせとハレガンの原稿を描いているのだ。  しかしその手が急に止まった。原稿には、『大佐』の絵が顔まで描かれている。 (そういえば先輩、就職まだ決まらないのかな?)  荻上は、考えてからはっとなった。 (なんで先輩の事なんか考えちまったんだ? ただハレガン同人誌描いてるだけだって のに! こんな事考えちまうなんてきっと、先輩の妹が余計な事言ったからだ! まっ たく何考えてるんだ? わたすと先輩がつき合うだなんて! 先輩だって先輩だ! 何 が『俺も、遊んでるヒマはないな』だ! わたすにとっては大事な事なんだぞ!)  まるで八つ当たりにも似た思いで、荻上は憤慨していた。 (やめだやめだ! ハレガン描いてると、どうすても先輩の事考えちまう。これじゃ、 描きたいモノなんて描けやしねぇってもんだ!)  一人でイライラしながら荻上は、棚にハガレンの原稿を放り込むと、代わりに描きか けの『くじアン』の原稿を取り出した。 (昔なんとなく描いたやつだけど、こっちを直して出そう)  くじアンの原稿を読み出す荻上。 (やっぱ眼鏡受けは外せないなから、千尋が受けで麦男が攻めだな。麦男は普段はツン ツンしてるけど、千尋の笑顔にその心が段々と溶かされていって……キャー! 萌える 萌えるー! でもって攻めのはずの麦男があの時では、千尋に逆に○○られたり、でも やられっぱなしの麦男じゃないから、千尋の眼鏡に麦男が○○したりして、んでもって 最後には……)  我に返る荻上。 (また、ワープしちまった。でも、これでいってみっか)  納得したのか、自分の妄想を漫画に投影していく荻上。  しばらく描いていたが、荻上はその手を休めた。 (ちょっと休憩すっか)  荻上は、背中を反らせ伸びをした。そして気分転換に近くにあったハレガンの単行本 を手に取った。 (やっぱ大佐ってカッコいいよなー。するどい目線とか、頭切れるし。そしてなにより 厳しい感じとは裏腹に、実は仲間思いで優しいところが……)  荻上は何を思ったか、鞄から愛用のノートを取り出すと、大佐のイラストを描きだし た。 (大佐の内面はやっぱ笑顔だよなー。笑顔の大佐……いいなぁ)  やがて完成した笑顔の大佐イラスト。しかしそれを見て、荻上は表情を曇らせた。 (……あれ? 何でこうなっちまうんだ? わたすは大佐を描いたはずなのに……)  その時の荻上の脳裏には、笹原が微笑みかけてる映像が浮かんでいた。  真っ赤になる荻上。 (違う! 違う! これは、あくまでハレガンの大佐なの! 断じて! 断じて違う!)  否定しつつも荻上は、そのイラストを破り取り、ハレガンの本と本の間に挟んだので あった。                                   終わり

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