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*斑目の昼休み 【投稿日 2006/02/17】 **[[カテゴリー-斑目せつねえ>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/48.html]] 気がつくとすでに時間は12時をまわっていた。いつも斑目は、げんしけんの部室で昼食をすませている。しかし、いつまでもげんしけんに依存 はしてはいけないと思い、今日は会社で食べることにした。 「お、斑目。今日はここで昼食を食べるのか」  会社の上司である重松の野太い声が聞える。会社一の体育会系である重松を斑目は苦手としていた。斑目は、「そうです」と、非常に小さな声で返事をする。 「斑目はいつも声が小さいな。そんなことじゃやっていけんぞ。それじゃ俺はラーメンでも食ってくるからな。」  重松は大きな笑い声をだしながら出ていった。気を取り直して斑目は鞄から弁当を取り出した。毎日のように食べているコンビニ弁当だが、食べている場所 のせいかいつもと違って見える。なにか変な気分だな。斑目は戸惑いを感じながらも弁当に箸をのばし食べ始めた。やっぱり味も違うように感じる。  たまには、会社で昼食をとるのもいいものだな。  斑目は昼休みいっぱい使って昼食をとるつもりだったのでのろのろと箸をすすめた。  しかし俺はなんで卒業した後もげんしけんに出入りしているのだろう。  そんな考えが脳裏をよぎった時、斑目の箸は完全に動かなくなった。  そりゃ4年間過ごしてきた部室だし、かなりの愛着がある。しかし、田中や久我山はほとんど出入りしていない。 距離が違うということもあるが、遠いから行かないという理由は説得力があるが、近いから行くというのはあまり説得力を持たない気がする。 げんに俺の他にも学校の近くに就職した奴はたくさんいるが、こんなに頻繁に行ってるのは俺くらいだ。 誰か会いたい人がいるから?  そう考えた時何故か真っ先に春日部さんのことが頭をよぎった。笹原達ではなく、何故か春日部さんだった。  なんで、春日部さんのことが頭から離れないんだ。確かに、笹原達とは大学へ行かなくともプライベートで会うことができる。 おそらくプライベートで会うことが出来ないのは春日部さんだけだろう。俺と春日部さんのつながりはげんしけんという場所でしかない。 恐らく春日部さんが卒業したら会わなくなる。それは、ずいぶん前から分かっていた。そして、そのことを考えると胸の奥の方が針でさされたみたいに痛む。  俺は、春日部さんになにをしたいのだろう。高坂とうい完璧な彼氏を持つ、俺とは不釣合いな人に。これから、俺自身はどうしたいのだろう……。  ふと時計をみると昼休みの時間は終わっていることに気がついた。斑目は、食べかけの弁当を鞄に戻し再び仕事へと向かった。……終わりです。
*斑目の昼休み 【投稿日 2006/02/17】 **[[カテゴリー-斑目せつねえ>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/48.html]] 管理人注:タイトルは管理用に勝手につけさせていただきました。 何かあればメールでお願いします。 気がつくとすでに時間は12時をまわっていた。いつも斑目は、げんしけんの部室で昼食をすませている。しかし、いつまでもげんしけんに依存 はしてはいけないと思い、今日は会社で食べることにした。 「お、斑目。今日はここで昼食を食べるのか」  会社の上司である重松の野太い声が聞える。会社一の体育会系である重松を斑目は苦手としていた。斑目は、「そうです」と、非常に小さな声で返事をする。 「斑目はいつも声が小さいな。そんなことじゃやっていけんぞ。それじゃ俺はラーメンでも食ってくるからな。」  重松は大きな笑い声をだしながら出ていった。気を取り直して斑目は鞄から弁当を取り出した。毎日のように食べているコンビニ弁当だが、食べている場所 のせいかいつもと違って見える。なにか変な気分だな。斑目は戸惑いを感じながらも弁当に箸をのばし食べ始めた。やっぱり味も違うように感じる。  たまには、会社で昼食をとるのもいいものだな。  斑目は昼休みいっぱい使って昼食をとるつもりだったのでのろのろと箸をすすめた。  しかし俺はなんで卒業した後もげんしけんに出入りしているのだろう。  そんな考えが脳裏をよぎった時、斑目の箸は完全に動かなくなった。  そりゃ4年間過ごしてきた部室だし、かなりの愛着がある。しかし、田中や久我山はほとんど出入りしていない。 距離が違うということもあるが、遠いから行かないという理由は説得力があるが、近いから行くというのはあまり説得力を持たない気がする。 げんに俺の他にも学校の近くに就職した奴はたくさんいるが、こんなに頻繁に行ってるのは俺くらいだ。 誰か会いたい人がいるから?  そう考えた時何故か真っ先に春日部さんのことが頭をよぎった。笹原達ではなく、何故か春日部さんだった。  なんで、春日部さんのことが頭から離れないんだ。確かに、笹原達とは大学へ行かなくともプライベートで会うことができる。 おそらくプライベートで会うことが出来ないのは春日部さんだけだろう。俺と春日部さんのつながりはげんしけんという場所でしかない。 恐らく春日部さんが卒業したら会わなくなる。それは、ずいぶん前から分かっていた。そして、そのことを考えると胸の奥の方が針でさされたみたいに痛む。  俺は、春日部さんになにをしたいのだろう。高坂とうい完璧な彼氏を持つ、俺とは不釣合いな人に。これから、俺自身はどうしたいのだろう……。  ふと時計をみると昼休みの時間は終わっていることに気がついた。斑目は、食べかけの弁当を鞄に戻し再び仕事へと向かった。……終わりです。

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