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*夢であるように 【投稿日 2005/01/05】 **[[カテゴリー-笹荻>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/47.html]] それはどこかにありそうな、でも決して手の届かない心地よい夢の物語。 荻上さんがげんしけんに入ったその日から―― 中島「ほら、荻上ぇ。おめも何か言ってやれ。」 荻上「え?んと、そんのぉ…」 荻上「何でこんなにホモさ好きなんですかね?」 大野「ホモが嫌いな女子なんかいません!」 春日部「…それは私も入ってるの?」 「「「「当然です!!」」」」 荻上たちは中学からずっと一緒の仲良し5人組。 大学受験も、みんな一丸となってやりとげました。 中島が皆をまとめ、成績のいい中島と荻上が教え役となって、 なんとか皆一緒に、同じ大学に受かる事ができました。 荻上さんはもっと上の大学も目指せると先生に言われましたが、 人生でもっとも大切なものはすでに持っていたので、それは丁重に断りました。 中島「んで、荻上よ。巻田はどうなってんのよ?」 荻上「あら駄目だぁ。一緒にコミフェスさ行ぐべっつったら、荻上さオタグだったのがー、て…」 中島「…泣ぐな荻上ぇ!巻田なんがよりいーい男さいっぺーいるべ!なんつっても東京の大学だがらな!」 荻上「東京の大学だな…私らホントに東京の大学さ来たんだよな…」 中島「んだんだ!私らん先には茫洋たる未来さ広がってるだぁ~!」 荻上「やな未来だな…」 東北の田舎娘も、一年も経てば立派な都会人。 要領のいい中島は男をとっかえひっかえ、よろしくやっているようです。 彼女なりに気を遣い、荻上を合コンに誘ってくれたりもしたのですが、 荻上がそのような席が嫌いな事を察知すると、別の角度からアプローチしてくるようになりました… 中島「荻上~、おめ笹原さんのこどさ好きなんだべぇ~?」 荻上「ん、んなごと…そんな。」 中島「隠し事は無しだべ~荻上~?」 荻上「そんなごた…ちった…あるがもすんね…」 中島「くはー、荻上はまんずめんこいなー!こんなん男が見たら一発KOだべー?」 「んだんだ、こんなんでアタックさすたらもーまつがいなぐメロメロだあ、ずすんもってげ?」 そして。笹原をどこぞの裏庭に呼び出し、荻上をけしかける―― まるで中高生のような恋愛舞台を設定した中島たちは、 影から二人を見守って…いや、ニヤニヤしながら最高の娯楽を楽しむ事にしました。 荻上「あ…笹原さん…」 笹原「え、何?あらたまって…」 荻上「さ、笹原さん…私…」 笹原「え?え?」 荻上「す、好きなんです!」 笹原「えええええ?」 荻上「……」 荻上の思いもかけない告白に、固まったまま動かない笹原。 (…駄目なんだべか…) 無言のままの笹原に、荻上が諦めかけたその時。 笹原「そっ!そうなんだ…嬉しいよ、荻上さん。俺なんかを好きになってくれるなんて…」 荻上「え…じゃあ…」 笹原「うん…俺も、好きだよ。」 笹原は――優しい笑顔を浮かべながら、荻上を抱き寄せ―― そのまま何をするでもなく、ただ、荻上をずっと包み込んでいた。 「よがったなー」 「んだなあ、やっど荻上に彼氏さできて…」 「おーいおいおい」 「泣ぐな!ささ、あどは若え二人さまがせて…」 中島「んだな…さーって、部室でスマブラでもやるべー」 「とりあえずナカジはアイスクライマー禁止つー方向でな~」 「んだんだ。」 中島「えー?んでも私他の使えねー」 「やりすぎたのだよ…誰もが思うだろう、君のようになりたいと!」 「はは、皆勝てねーがらしょーがねえべ。」 中島「んー…じゃ一から出直しだぁ」 夕暮れの迫るキャンパスで。 中島たちが立ち去った後も、笹原と荻上はずっと、ずっと、抱き合って―― 笹原「荻上さん…どうしたの?」 笹原が心配そうに荻上を抱き寄せる。 泣きはらした荻上の顔が、笹原の素肌に直接触れて。 (そうだ…昨日、私は…笹原さんと。) 荻上は一気に顔を赤くするが、笹原の胸に触れるのが心地よくて、あったかくて。 自分でも信じられないくらい素直に、心を語りだす。 荻上「夢を…見ていました。」 荻上「中学の…仲間が。中島も…。げんしけんに入って…皆、楽しそうで…」 思わずこぼれる涙。そう、これは夢。げんしけんも、中学の仲間も…本当は、大好きで。 失いたくなんかなくて。でも、現実には…ありえない夢となってしまったので。 荻上「とても…いい夢を――見ていました。」 笹原「…だったら、良かったよね。」 荻上「はい…しばらく、このままでいいですか…」 笹原「うん…」 これが現実。もう戻れないけど、でも、新しい何かを創り上げたなら―― 未来を夢見て、荻上は再び笹原の胸の中で眠る。
*夢であるように 【投稿日 2006/01/05】 **[[カテゴリー-笹荻>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/47.html]] それはどこかにありそうな、でも決して手の届かない心地よい夢の物語。 荻上さんがげんしけんに入ったその日から―― 中島「ほら、荻上ぇ。おめも何か言ってやれ。」 荻上「え?んと、そんのぉ…」 荻上「何でこんなにホモさ好きなんですかね?」 大野「ホモが嫌いな女子なんかいません!」 春日部「…それは私も入ってるの?」 「「「「当然です!!」」」」 荻上たちは中学からずっと一緒の仲良し5人組。 大学受験も、みんな一丸となってやりとげました。 中島が皆をまとめ、成績のいい中島と荻上が教え役となって、 なんとか皆一緒に、同じ大学に受かる事ができました。 荻上さんはもっと上の大学も目指せると先生に言われましたが、 人生でもっとも大切なものはすでに持っていたので、それは丁重に断りました。 中島「んで、荻上よ。巻田はどうなってんのよ?」 荻上「あら駄目だぁ。一緒にコミフェスさ行ぐべっつったら、荻上さオタグだったのがー、て…」 中島「…泣ぐな荻上ぇ!巻田なんがよりいーい男さいっぺーいるべ!なんつっても東京の大学だがらな!」 荻上「東京の大学だな…私らホントに東京の大学さ来たんだよな…」 中島「んだんだ!私らん先には茫洋たる未来さ広がってるだぁ~!」 荻上「やな未来だな…」 東北の田舎娘も、一年も経てば立派な都会人。 要領のいい中島は男をとっかえひっかえ、よろしくやっているようです。 彼女なりに気を遣い、荻上を合コンに誘ってくれたりもしたのですが、 荻上がそのような席が嫌いな事を察知すると、別の角度からアプローチしてくるようになりました… 中島「荻上~、おめ笹原さんのこどさ好きなんだべぇ~?」 荻上「ん、んなごと…そんな。」 中島「隠し事は無しだべ~荻上~?」 荻上「そんなごた…ちった…あるがもすんね…」 中島「くはー、荻上はまんずめんこいなー!こんなん男が見たら一発KOだべー?」 「んだんだ、こんなんでアタックさすたらもーまつがいなぐメロメロだあ、ずすんもってげ?」 そして。笹原をどこぞの裏庭に呼び出し、荻上をけしかける―― まるで中高生のような恋愛舞台を設定した中島たちは、 影から二人を見守って…いや、ニヤニヤしながら最高の娯楽を楽しむ事にしました。 荻上「あ…笹原さん…」 笹原「え、何?あらたまって…」 荻上「さ、笹原さん…私…」 笹原「え?え?」 荻上「す、好きなんです!」 笹原「えええええ?」 荻上「……」 荻上の思いもかけない告白に、固まったまま動かない笹原。 (…駄目なんだべか…) 無言のままの笹原に、荻上が諦めかけたその時。 笹原「そっ!そうなんだ…嬉しいよ、荻上さん。俺なんかを好きになってくれるなんて…」 荻上「え…じゃあ…」 笹原「うん…俺も、好きだよ。」 笹原は――優しい笑顔を浮かべながら、荻上を抱き寄せ―― そのまま何をするでもなく、ただ、荻上をずっと包み込んでいた。 「よがったなー」 「んだなあ、やっど荻上に彼氏さできて…」 「おーいおいおい」 「泣ぐな!ささ、あどは若え二人さまがせて…」 中島「んだな…さーって、部室でスマブラでもやるべー」 「とりあえずナカジはアイスクライマー禁止つー方向でな~」 「んだんだ。」 中島「えー?んでも私他の使えねー」 「やりすぎたのだよ…誰もが思うだろう、君のようになりたいと!」 「はは、皆勝てねーがらしょーがねえべ。」 中島「んー…じゃ一から出直しだぁ」 夕暮れの迫るキャンパスで。 中島たちが立ち去った後も、笹原と荻上はずっと、ずっと、抱き合って―― 笹原「荻上さん…どうしたの?」 笹原が心配そうに荻上を抱き寄せる。 泣きはらした荻上の顔が、笹原の素肌に直接触れて。 (そうだ…昨日、私は…笹原さんと。) 荻上は一気に顔を赤くするが、笹原の胸に触れるのが心地よくて、あったかくて。 自分でも信じられないくらい素直に、心を語りだす。 荻上「夢を…見ていました。」 荻上「中学の…仲間が。中島も…。げんしけんに入って…皆、楽しそうで…」 思わずこぼれる涙。そう、これは夢。げんしけんも、中学の仲間も…本当は、大好きで。 失いたくなんかなくて。でも、現実には…ありえない夢となってしまったので。 荻上「とても…いい夢を――見ていました。」 笹原「…だったら、良かったよね。」 荻上「はい…しばらく、このままでいいですか…」 笹原「うん…」 これが現実。もう戻れないけど、でも、新しい何かを創り上げたなら―― 未来を夢見て、荻上は再び笹原の胸の中で眠る。

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