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工藤という名の石尾 - (2007/01/11 (木) 18:27:10) のソース

オープニング
A:帽子をぬぐ→眼鏡を外す→マフラーをとる→
B:自分の服を脱ぎ、Aの服に着替えていく
C以下、その繰り返し

ブー 開演挨拶
客席暗転

竹田:急いで着替える。着替え終わって、にやりと笑い退場
F:着替える
工藤・石尾入場
工藤:お、あいつか?
石尾:…そうだ。あいつだ!
工藤:お、お前が竹田だな?!覚悟!(銃を構える)
F:へっ??
音響 バーン!
F 倒れる
工藤と石尾 駆け寄る
石尾:あれ?おいっ、こいつ、竹田じゃないぜ?確かに服は竹田とそっくりだが、、
工藤:なに?!あ!そんな、ど、どうしよう!
石尾:どうしようって。とにかく、とにかく逃げるぞ!
工藤:ああ。
ばたばた
ゆっくり暗転

世界1 教室
工藤:(腕を組んで、自信ありげに)捜査の手は必ずや、ここにも及ぶ。
石尾:ああ!その通りだとも!
工藤:…どうしよう、石尾!(急に女声で石尾ににじり寄る)
石尾:どうしよう工藤!(二人でにゃんにゃん騒ぐ)
工藤:おいら、逮捕されちゃったら、ママに怒られちゃうよー
石尾:僕だって、刑務所入れられちゃったら、部屋にある333人のフィギアたちの面倒を、一体(声色を太くして)誰が見ると言うんだーーーーー!
武山教授:先生にいい考えがあるぞお?
工藤・石尾:えっ!(振り向く)
石尾:なんですか、それは?
武山教授:ふむ。名前を、取ってしまうのだ。
工藤:名前を?
武山教授:そう。工藤から(突然大声で)名前を取る!!!
工藤:(声にびっくりして)うわあ。
石尾:う。(耳をふさぐ)
武山教授:そうすると、どうなる?
工藤:どうって、名前が無くなります。
武山教授:馬鹿もん!
工藤:え、違うの?
石尾:はい!(挙手)
武山教授:はい、石尾君。
石尾:工藤をあだ名で呼ぶしかなくなります。
武山教授:はい、よろしい。今日も石尾君は一日いい子で過ごしましたね。
石尾:ありがとうございます。(にこにこ)
工藤:ちょっと待てよ!今日は朝っぱらから一緒に人殺してるよ!
武山教授:黙れ、小僧。
工藤:こ、小僧?僕、小僧ですか??
石尾:お前は今日から小僧だ。
武山教授:しかし、ただの小僧では、何の小僧なのかよく分かりませんね。ねずみ小僧が丁度いいでしょう。
工藤:ねずみ小僧なの、僕?
石尾:先生、僕にもあだ名をつけてください。
武山教授:あだ名ではありませんよ。正確には、あだ名のような本名です。
石尾:そうでした!
武山教授:そうですね、君は、「戦国大名」でいきましょう。
石尾:いいセンスだ。(先生と握手)
工藤:ちょっとちょっと、何ソレーー?ずるいよー。
石尾:でも先生、



世界2ベッドシーン  女:キャミソール 男:ランニング
女:ねえ、最近、いろいろと意味が変わって来ていると思わない?
男:何の?
女:んー、なんか、言葉が表す意味、っていうか。。
男:言葉?
女:言葉だけじゃないなー。感情とかー、世界、、うん、世界が表す意味も違ってる気がするの。
男:??(起き上がる)どーゆこと?何か不安なの?俺、お前のこと絶対好きだよ?(ぎゅっ)
女:うーん。だからそうゆうのも。
男:(顔を上げて)え??
女:別に[男]が嫌いとかじゃないよ?でも、そういう話をしてるんじゃないけど、そういう話だと思ったでしょ?それが、言葉が違ってるんだと思うんだよね。
男:意味が通じてないってこと?
女:それも一部だね。しかも、そんなんが世界全部なのよ。
男:考えすぎだよ。俺は、[女]の言いたいことがちゃんと分かるように努力するよ?(抱きついてゆっくり押し倒す)
女:(倒れながら)うーん。そうだね。
暗転


世界2屋上で小さい男の子が飛行機のまね。
少年:ブーン。ブーーーン。
男:ぼうや、何してんだい?飛行機のまねかい?
少年:飛ぶ練習だよ。ブーーン。ブブーーン!
男:そうか、ぼうやは大きくなったらパイロットになりたいのか。(しゃがむ)
少年:(男の周りを周回しながら)違うよ。飛び降りる練習さ。こうっやてね、(舞台全面に来る)
   飛び降り自殺するんだよ!(両手を広げてジャンプ)
男:(少年にあわせて)な、え??(立ち上がり)お、おい!
空中に浮かぶ間に暗転
音響 キャーー!!


世界2
女:お腹減ったー。死にそう。(しゃがみこむ)
男:俺も俺も。なんか食い行こうぜ。
女:うん。引っ張って。(手を伸ばす)
男:おう。(女の腕を引っ張り立たせて、そのまま引っ張って歩く)
女:(上を見上げながら数歩引きずられる)
  (見上げたまま)あああー。お腹いっぱい。
男:え?!今、腹減ったって言ったばっかじゃん!死にそうだったじゃん!
女:違うわよー。
男:なに。
女:[男]が好きすぎて、お腹いっぱーい。へへっ。
男:…はは。なんだ。
女:へへ。しゅきー。(抱きつく)
男:しゅきー。へへへ。(抱きしめる)
男・女:くるっと振り向き手を繋いで歩く(足踏みして歩く感じを出す)
男:[女]は、たまにおもしろい言い方する。
女:どんな?
男:今みたいにさあ。
女:それはねえ。[男]が[女]の言葉と違うからよ。
男:言葉が違うの?
女:そーう。[男]は、教科書みたいな言葉しか喋らないね。
男:教科書?
女:共通語。
男:共通語?
女:うん。最近ねえ、みんな言葉がばらばらになってきてるんだよ。
男:ばらばらって?
女:みんな違う言葉喋ってる。でもね、それは[女]は、とてもいいことだと思うよ。
男:??うん…?
女:戦争はいいこと?
男:悪いこと。
女:うん。みんながそう意味するならいいことね。でもね、もし悪い感じにみんな意味したら、戦争はいいことってみんな意味したら、よくないでしょ?
男:うん。
女:だからねえ。言葉が変わってる人も出て来てるの。
男:そうなの?
女:そうかもしれない。
男:わかんないの?
女:ううん。感じるんだよ。遠くの遠くの、水平線のまあるい端っこの方で、みんな一人で宙に散って行くんだ。聞こえないの?遠くで世界が崩れる音。
 (両耳に手をやる)
音響 海の音。カモメの鳴き声。
女:あっ
暗転


刑事:どんなやつだ?
えーと、工藤のようなやつです!
刑事:工藤のようなやつ?なんだそれは。
だから、工藤のようではありますが、工藤ではないんです。でも、まあ、工藤なんです。
刑事:そんなに似ているのか?影武者か?
いいえ、似ている訳では全くありません。多少、そうですね、例えば、服が一緒だとか、二人とも右利きだとか、それぐらいの類似点はあったかも知れません。しかし、彼を形容するのに、工藤のようなやつ、としか言えないのです。
刑事:は?喩えになってないぞ。
そうですよ、これは比喩の問題だ。比喩のミスリーディングを、巧みに使った犯罪なんですよ!
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