ベンチャー・フィランソロピー
Ashoka(アメリカ)
Ashokaは「ソーシャル・アントレプレナーの父」と呼ばれているBillDraytonが1982年に設立した財団である。起業家精神と社会貢献の心を兼え備えた発展途上国の「ソーシャル・アントレプレナー」たちを「アショカ・フェロー」として選出、彼らの活動を支えるために様々な支援を行う。
支援は主に2つの方法で行われる。ひとつはフェローに対してその国で平均的な生活ができる程度のお金が支給されることがある。
もう一つの支援は、マッキンゼー、世界で名の知られたPR会社であるヒル・アンド・ノウルトン社、ISLP(国際上級弁護士プロジェクト)という
NPOの3社から無償でトレーニングやアドバイスを受けることができる。また。「アショカ・フェロー」として世界にまたがるのフェローのコミュニティに入り、世界的な認知も得られることはAshokaの特徴的な支援でもある。
BillDraytonはハーバード大学で経済学と財政学、オックスフォード大学で歴史を学び、イェール大学のロースクールに進むという経歴を持ち、その後はマッキンゼーでコンサルタントとして働きつつ、ハーバード大学とスタンフォード大学ロースクールで教鞭をとった。
さらにカーター政権下では環境保護庁でアシスタント・アドミニストレーターとなり「排出権取引」を考案し、後の京都議定書の基礎を作った人物でもある。
アショカが生み出した社会起業家は2004年までに1600人を超えている。これまで53カ国もの国で支援を行っており、
最近ではアメリカ国内でもアショカ・フェローの選出を行っている。年間活動費は1640万ドル(約20億円)。
-Ashoka
<http://www.ashoka.org>
AcumenFund(アメリカ)
2001年に設立されたAcumenFundはソーシャル・ベンチャーやNPOに対する金銭的な支援を行い、将来的の投資収益を得る
Ashokaとはまた少し異なったタイプのソーシャル・フィランソロピーである。
「医療へのアクセス」「安全な住居」「清潔な水」の3項目をAcumenFundの貧困解決アプローチとして、それらに関連した社会的事業を対象として投資を行っている。
また、融資だけでなく、新株購入により投資を行うエクイティ投資や助成金の支給も行っている。チェース・マンハッタン銀行で働いていた代表のJacquelineNovogratsをはじめ、多くの金融専門家を抱えたAcumenFundは営利企業に投資するのと同じように投資先の業績を
常にチェックし、投資成績を管理する手法をとっている。
ただしAcumenFundがベンチャー・キャピタル等とは一線を画しているのは、彼らの最も焦点を当てる点はソーシャル・リターン、社会的な見返りなのである。
2005年11月には新しく設立されたGoogleによる慈善プログラムである「Google.org]」により500万ドルの寄付を受けて注目された。
-Acumen Fund
<http://www.acumenfund.org>