外国人政策 > 国籍・在留資格の取得


国籍取得

国籍取得の条件

(1)引き続き5年以上日本に住んでいること(通算して5年ではこの条件に当てはまらない)。
(2)20歳以上でその外国人の本国法によって能力を有すること。
(3)素行が善良であること。
(4)自分自身あるいは配偶者や親族の資産・技能によって、生活が十分成り立つこと。
(5)帰化した際に元の国籍を離脱すること、あるいは無国籍者であること(難民などの場合で元の国籍を離脱できない者は事情により緩和)。
(6)日本政府を暴力で破壊することを企て主張したり、そういった活動を行う政党や団体を結成・加入したことがないこと。

国籍取得に関連するQ&A

「日本への帰化の許可率99%」という事は、日本は誰にでも日本国籍を与えるような緩い国なのでしょうか?

「日本への帰化の許可率99%」という統計数字を見て、「帰化手続きでは、一度も日本国民の一員になる事の意味は問われなかった」という帰化が許可された方の証言などを聞くとそのように見えてしまうのかもしれませんが、実際は違います。

帰化をする際には、法律上の根拠はありませんが、事前に法務局に相談することが行政実務上の慣例として義務付けられています。
日本の帰化の許可率が高いのは、相談の段階で提出書類はかなり綿密にチェックされるため、不許可になる可能性が高い事例は、その段階でのスクリーニングで却下されているからです。法務省の帰化行政のマニュアルと言われている「帰化事件処理要領」は非公開ですので、専門の弁護士か行政書士に依頼せずに自分でやろうとした場合は、帰化の際の複雑な書類提出等で諦めてしまうケースも多いようです。
統計数字上の1%の「不許可になった事例」に関しては、一般に思われているような「日本国民の一員となるのに相応しくないから不許可になった」というようなケースではなく、帰化申請中に、帰化の形式要件を満たせなくなった事例(海外在住期間が長くなった、罪を犯したなど)だと思います。
但し、(帰化の詳細は非公開ですが)帰化の際の実質的な審査に関しては、「品行方正」という条件は地検に犯罪歴が無いか照会するだけに留まる、日本語能力が小学生レベルでも通る、などの実質的な審査の甘さの問題点も指摘されています。

諸外国のケースとしては、欧州諸国は帰化の際の実質的な要件も緩く、外国人に帰化を推進する国が多いようです。
米国の場合は、米国市民権(米国籍)を得る際には、永住権を取得した上で①日常必要程度な英語の語学能力(読み・書き・会話)②米国の歴史や政府に関して、基本的な知識を持っていること③道徳上問題がなく、米国市民になるにふさわしい人間であること④米国の憲法を支持し、米国に忠誠を誓うこと⑤永住権利保有期間、18~26歳の男性の場合、米国徴兵登録済みであることというのが、年齢や居住年数等の形式要件以外の条件としてあるそうです。

関連項目

参考サイト

2008年の国籍法改正の際に問題となった、外国人母の非嫡出子の場合の「簡易帰化」と「届出による国籍取得」はどこが違うのでしょうか?

最大の違いは、「権利」か「許可(国の裁量行為)」かという問題です。
①権利(届出による国籍取得)=要件が揃えば必ず国籍取得できる
②許可(簡易帰化)=法律上は国の裁量行為(許可する、しないが国の自由な判断で決められる)
簡易帰化の場合は「権利」ではなく「許可」に分類されますので、「簡易帰化の要件」とされているものは「最低条件」であって、これが整っていても必ず許可されるとは限りませんし、「許可」の場合は法務省の判断で追加条件を加える事もできます。

簡易帰化がどういった運用がされていたのかについて「退去強制令書取消訴訟」の原告代理の弁護士がコメントしていたものがありますが、国籍訴訟が起こされるまでは、日本人父の認知を受けた子供(非嫡出子)が日本国籍取得のために帰化を申請しようとした場合、外国人母も一緒に帰化申請しないといけないといった追加条件が加わった運用がされていたそうです当該コメント)。
日本人父に認知を受けた日本人の実子(父母が結婚していない非嫡出子)の場合、帰化までにかかる年数は日本に1年居住すれば良いだけですが、外国人母の場合は簡易帰化の対象にならないので、日本人の配偶者で3年以上の居住、通常は5年もしくは10年居住している必要があり、なかなか条件が整わないで子供の国籍取得が遅れてしまう事が多かったようです。

この追加条件は国籍訴訟の際に撤廃されましたが、こういった条件を加えていた法運用を問題視して訴訟を起こしても、今まで帰化を争って原告側が勝訴した事例は一つもありません。
そのため、要件が整えば国籍取得を認める「権利」という側面が重視され、最高裁の国籍法3条1項の違憲判決でも、そういった点は指摘されています。

「簡易帰化や仮装認知のおそれとの関係」に関する判断(「退去強制令書発付処分取消等請求事件」の最高裁判決文)
確かに、日本国民である父と日本国民でない母との間に出生し、父から出生後に認知された子についても、国籍法8条1号所定の簡易帰化により日本国籍を取得するみちが開かれている。しかしながら、帰化は法務大臣の裁量行為であり、同号所定の条件を満たす者であっても当然に日本国籍を取得するわけではないから、これを届出による日本国籍の取得に代わるものとみることにより、本件区別が前記立法目的との間の合理的関連性を欠くものでないということはできない。
なお、日本国民である父の認知によって準正を待たずに日本国籍の取得を認めた場合に,国籍取得のための仮装認知がされるおそれがあるから、このような仮装行為による国籍取得を防止する必要があるということも、本件区別が設けられた理由の一つであると解される。しかし、そのようなおそれがあるとしても、父母の婚姻により子が嫡出子たる身分を取得することを日本国籍取得の要件とすることが、仮装行為による国籍取得の防止の要請との間において必ずしも合理的関連性を有するものとはいい難く、上記オの結論を覆す理由とすることは困難である。
関連項目

参考サイト

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最終更新:2009年03月27日 23:44
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