報道記事 > 高齢化社会


5人に1人高齢者 支え手減る一方(読売新聞/2009/01/29)

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/jiten/20090129-OYT8T00572.htm
 日本は今、5人に1人が65歳以上という高齢社会を迎えています。そのスピードは世界最速で、各国が日本社会のありように注目しています。今回は、高齢社会の現状と背景を取り上げます。
 総務省の調査などによると、2007年10月1日現在、65歳以上の高齢者は過去最高の2746万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は21・5%です。13年には25・2%で4人に1人、35年には33・7%で3人に1人が高齢者となる見通しです。
 高齢化は先進国共通の傾向ですが、日本の場合、急速に高齢化が進んでいることが特徴です。高齢化率が7%を超えてから、倍の14%に達するまでにかかった年数は、フランスが115年、スウェーデンが85年に対し、日本は24年と短いのです。
 寿命が延びて高齢者が増えても、子どもがたくさん生まれれば、高齢化は進みません。ですから、高齢化が進んだのは、平均寿命が延びると同時に、少子化も進んだことが主な理由です。
 寿命が延びたのは、医療技術の進歩や伝染病予防などが進んだほか、食生活など生活環境が改善したことが背景にあります。一方、少子化は、晩婚化、非婚化などが影響を及ぼしています。
 高齢社会では、社会保障制度や経済の支え手が少なくなることが懸念されています。65歳以上の高齢者人口と15歳から64歳までの生産年齢人口(現役世代)の割合をみると、1960年には1人の高齢者に対して11・2人の現役世代がいました。それが、05年には高齢者1人に対し、現役世代は3・3人、25年には2・0人と予想されています。
 高齢社会にはどのような対策が求められているのでしょうか。内閣府が04年に実施した「年齢・加齢に対する考え方に関する意識調査」(複数回答)によると、「公平で安定した年金制度の確立」(54・3%)、「高齢者の働く機会の確保」(38・8%)、「子育てをしやすい環境」(28%)が上位で、医療、介護サービスや公共交通の充実などを求める声もありました。
 高齢社会というと、「負担」ばかりに目が行きがちですが、国は高齢化を社会変革の好機ととらえ、多くの人が「長生きしてよかった」と思えるような社会づくりを進めていくことが求められています。(大津和夫)
(2009年1月29日 読売新聞)

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最終更新:2009年09月01日 17:01
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