国会議員ブログ > 転載記事01


枝野幸夫議員(民主党所属/衆議院・埼玉5区)

児童買春・児童ポルノ処罰法の改正

1999年に、枝野も中心となって制定した児童買春・児童ポルノ処罰法について、「(1)法の趣旨が、善良な風紀の維持ではなく、あくまでも性的虐待・性的搾取から児童を保護することであることを徹底させる。(2)定義があいまいであるがゆえに、一方では捜査権の濫用が危惧され、他方では、しかるべき摘発が躊躇されている実態を踏まえ、児童ポルノの定義を明確化する。(3)児童ポルノの提供者にとどまらず、これを積極的に収集したり購入したりした場合も処罰の対象に含める。」
という方向で改正することを目指し、議員立法提案の準備を進めています。(2008.5追加)

人権政策

盗聴法や国民総背番号制、共謀罪などからプライバシーをはじめとする基本的人権を守る取り組みの先頭に立ってきました。
特に選択的夫婦別姓導入の推進や民法772条問題の指摘、1995年の北京国連女性会議への参加、そして、1999年には児童買春・児童ポルノ禁止法制定の中心になるなど、数少ない「男女共同参画政策に強い男性議員」として奔走しています。
また、2008年には、オウム真理教による一連のテロ被害者が、その損害の一部しか賠償を受けられない状況を踏まえ、国会に代わってテロの被害者となった点を踏まえて、その救済を図る法案を中心となって提案しました。粘り強い交渉の結果、与党の大幅な譲歩を引き出し、満額ではないものの被害救済を図るための法律を超党派で成立させることができました。(2008.6追加)

柴山昌彦議員(自民党所属/衆議院・埼玉8区)

平成19年2月8日

≫平成19年2月8日
 少子化問題に関し、柳沢厚生労働大臣が記者団の前で、「若い人達は結婚をしたい、それから子供を2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけだから、そういう若者の希望に我々がフィットした政策を出していくことが非常に大事だ」と発言したと報道されました。
 現在、女性が一生に産む子供の数は2を大きく割り込んでいますが、もし子を産む世代の男女の大半が「自分は結婚したくない」とか、「1人しか子供が欲しくない」と考えているのであれば、この出生率を引き上げるのは容易ではありません。また、仮にそういう意識が若い世代に蔓延してしまっているならば、家族観の傾向としても望ましいとは言えないのではないでしょうか。しかし幸いなことに現在はそういう状況ではないわけで、柳沢大臣としてはこうした一般論を述べられたのであり、決して個々人のレベルで子供を2人望まないことが不健全だと言われているのではないことは、発言の流れから見て明らかです。
 「健全」という部分的な文言をとらえてこれを問題視するのはいかがかと思いますが、幸い野党が審議に復帰しましたので、議論を通じて少子化問題対策の検討が深まればよいと思っています。北九州市長選や愛知県知事選に以前の発言が影響を及ぼした面はあるでしょうが、大臣にはしっかりと職に留まり、論戦に臨んでいただきたいと思います。
 私の方は、昨日、自民党法務部会の国籍問題に関するプロジェクトチーム座長代理として、いわゆる婚外子の日本国籍取得問題を取り上げ、同僚の先生方と検討しました。現在対象者が増加している日本・外国の二重国籍の扱いも含め、価値観の対立のある難しい案件です。今後、検討を急いで参ります。
 私が座長をしている振り込め詐欺検討立法チームの骨子案もようやく形になりました。今後しっかり法案化に向けた手続を進めます。

平成19年2月28日

≫平成19年2月28日
 日経平均株価が700円以上急落しました。上海市場の大幅安が世界的に波及したもので、改めて中国経済の影響力を実感しました。折しも、今朝の自民党国防部会では中国の人工衛星破壊実験が取り上げられ、私が司会を務めた党国際局外交勉強会でも田中均元外務省アジア大洋州局長が中国問題に触れたところでした。夕刻には、猪口邦子衆議院議員や他の議員の方々と、五百旗頭真防衛大学校長を囲んでアジア問題について話し合いました。いずれの会議でも、中国の大きな存在を認識した上で、これまでともすると対立しがちであったのを見直し、世界とともによき隣人への変革へと誘導することが重要であるという意見が大勢だったと思います。引き続き検討を進めます。
 東京証券取引所の株安には、日興コーディアルグループの上場廃止見通しも影響を与えています。不正経理防止のための公認会計士法改正に関する議論を深めて参ります。
 今週の土曜日(3月3日)夜7時から、TBSテレビの「みのもんたvs国会議員 ずばッとコロシアム春」という2時間の特別番組に出演することになりました。与野党それぞれ10名の国会議員が、宮崎県の東国原新知事を交え、子育ての問題や政治と金の問題などについて激論を交わすという企画です。ただ、私は落ち着いて自分の意見をわかりやすく説明できればよいと思っています。
 ところでここ数日、注目すべき判決の報道が相次いでいます。鹿児島地裁で、県議会議員の選挙違反で逮捕された12人の市民全員が無罪となった案件ですとか、東京高裁で、フィリピン人女性と日本人男性の間に生まれた婚外子の日本国籍が認められなかった案件などです。
 私は自民党法務部会長代理として、こうした案件の立法的解決を図っていきたいと思います。先週土曜日(2月24日)の朝日新聞の全国版2面では、前者の判決に関して、冤罪防止のため警察段階での取り調べの録画・録音について検討するべきだという意見を述べさせていただきました。後者の案件についても、既にこの欄で2月8日に書いたとおり、国際化に伴う問題として今後議論を加速させて参ります。

平成19年3月17日

≫平成19年3月17日
 ライブドア前社長堀江貴文被告に、懲役2年6月の実刑判決が言い渡されました。率直に言って重いと感じますが、一般投資家を欺いた責任の大きさや、反省の無さを裁判官が認定している以上、やむを得ない判決でしょう。控訴審の行方にも引き続き注目したいと思います。堀江氏は2億円もの保釈金を追加納付して釈放されたとのことですが、多大な損害を被った投資家の方々の納得は得られないかもしれません。
 私は、若者がチャレンジする気概を持つのは大切なことだと思う一方、ルール違反は厳に慎まなければいけないと考えます。私が副部会長を務める自民党財務金融部会でも、一昨日、日興コーディアルグループの上場維持決定を受けて、東京証券取引所の西室泰三社長からヒアリングを行いました。出席の議員からは、処分の最終決定が長引いたことへの疑問などが相次ぎ、私からも、上場廃止の基準があいまいであるとの指摘をさせていただきました。今後ともルール遵守の社会を目指して参ります。
 所属する自民党改革加速議員連盟で、公務員の天下り問題を議論しました。今、渡辺喜美行政改革担当大臣が、新・人材バンクを作り、各省庁の予算や権限を背景とした押し付け的天下りは撲滅するとの方針を打ち出しています。しかし、先輩議員の方々からは「優秀な人材が集まらなくなる」「人材バンクなど機能しない」と反対の猛ラッシュで、構想を10年先送りするなどの案も聞こえています。
 私は先日この欄で紹介したとおり、年功序列の公務員システムを根本から見直すべきとの考えであり、今回の人材バンク構想は、その具体像が明確でないなどの問題があるものの、改革の第一歩として早急に進めるべきだと考えます。改革加速議連の会合ではそう申し上げるとともに、塩崎内閣官房長官や世耕補佐官にも、総理官邸がこの問題でリーダーシップを取ることをお願いしました。
 話は変わりますが、現在自民党で、再チャレンジ政策の一環として、パート労働者への社会保険適用拡大について検討しています。ただ、ヒアリングを進めるうちに、企業の負担の問題や、パート労働者側、特に3号被保険者からも、保険料という当面の負担を問題視する声が相次いでおり、慎重な議論が必要だと感じています。
 来週は法務部会長代理として、鹿児島の選挙違反事件など相次ぐ冤罪の問題や、民法772条が300日の待婚期間を設けていて子供が新しい父親との戸籍を取得できない問題など、様々な検討を行います。またご報告致します。
 インターネット番組の「超人大陸 カルショックインタビュー」に出演しました。政界をはじめ、多くのキーマンへのインタビュー企画で、私も当選してから今日までの活動状況について語らせていただきました。URLは、http://www.akibach.com/culshockです。是非ご覧下さい。

平成19年3月24日

≫平成19年3月24日
 3月5日にこの欄で、インフルエンザの治療薬タミフルが、服用後の異常行動を招いているのでないかという報道に関し、慎重な調査を行うべきと主張致しました。そしてこのたび厚生労働省は、10代患者へのタミフルの使用中止を指示するとともに、使用と異常行動との因果関係を再調査する旨発表しました。妥当な判断だと思います。製造元のスイスロシュ社は、使用数に占める異常行動の割合が極めて僅少であり、病気そのものがもたらしたと考え得るなどの見解を発表していますが、迅速かつ広汎なデータ収集と分析を行わなければいけません。
 昨日、改革加速議連でまとめた公務員制度改革の具体案を、メンバーの議員達で総理官邸に赴き、安倍総理に直接手渡しました。渡辺大臣が検討している新・人材バンクの具体的な組織として、民間企業出身者等を次長に迎え、既存の就職サービスとの連携をさせるとともに、2009年度からの始動をうたい、各省斡旋の天下りの早期根絶を期しています。再就職先の制限についても、きちんと実効性などを踏まえて検討する旨書き込んだ極めて画期的な提言だと考えています。色々口出しをしましたが、提言の取りまとめを行った木原稔、木原誠二両衆議院議員に心から敬意を表します。総理からは、迅速に改革を進めたい旨のご発言があり、今後、この案が骨抜きにならないよう全力を尽くして参ります。
 昨日、向井亜紀さんの代理出産の件で、遺伝的には親子でも出産を伴わない母子関係を法律上認めることはできない旨の最高裁決定が出されました。法改正の検討も含め、今後私が部会長代理を務める法務部会で検討したいと思います。部会では、鹿児島冤罪事件や民法772条の待婚期間の見直しなど難題が山積していますが、しっかり頑張ります。
 今日は防衛医大の卒業式に出席致します。国のため、人々の医療のため、懸命に努力する若い皆さんの門出を心からお祝い申し上げます。

平成19年4月4日

≫平成19年4月4日
 25日に発生した能登半島沖の大地震は多大な被害をもたらしましたが、ようやく余震の回数も減り、市民生活も復興に向けて本格的にスタートしたようです。本会議場で私の隣の席におられる北村茂男議員は、選挙区がご出身の輪島市を含み、地震当時は地元でかつてない激しい揺れを実際に経験されました。北村議員は、地元での調査や各所への支援要請などに尽力されていましたが、昨日議場に来られ、現場の実態を話して下さいました。国としても人的・物的支援をしっかり行う必要があります。さらに、2日にはソロモン諸島付近でマグニチュード8規模の震災が発生しています。相次ぐ震災への対応は困難ですが、国際的な連携のもと、日本も救援に貢献すべきです。
 統一地方選挙戦が本格的にスタートしました。地方分権が進む中、この選挙は私達の生活に大きな意味を持ってきます。是非有権者の方々には投票に行っていただきたく、私もしっかり活動しています。
 国会では、所属する憲法調査特別委員会で、与党が民主党案を大幅に取り入れた憲法改正国民投票法修正案を提出しました。公務員や教員の地位を利用した投票運動に刑事罰を設けないこととするなど、重要な内容を含んでいますが、是非今国会で円満に成立して欲しいと思います。民主党の対応が注目されます。
 待婚期間の見直しに関する公明党との与党協議にも参加し、婚姻解消から再婚までの期間を6ヶ月から100日へ短縮することや、前婚の子供と法律上推定されてしまって出生届が容易でない後婚の子供に関する戸籍法の特例を設けることなどについて合意しました。一刻も早く法案が成立するよう願っていますが、まだ議員の中に慎重論があるとも聞きますので、しっかり説明を重ねていきます。



平成19年5月24日

≫平成19年5月24日
 銃器犯罪や、家族・隣人を対象とした猟奇的な殺人事件が続発しています。組織犯罪の影響が一般社会に広がっていること、この国の倫理観や家族・地域社会のネットワークが変質していることを改めて感じます。
 私は自民党法務部会長代理として、今度の参議院選挙の公約の一つに、「国民の安全・安心を守るべく、凶悪犯罪の根絶を図る」という項目を掲げることを党に提案しました。4月18日のこの欄で書かせていただいたとおり、取締りの強化や教育の見直しなど総合的な対策を講じていかなければいけないと思います。
 ところで、5月22日放送の、フジテレビ「めざましテレビ」にVTRで出演致しました。(当初午前7時からの放送とのことでしたが、6時台に早まったようです。)話題になっている民法772条についてのニュースでした。婚姻解消後300日以内に生まれた子を婚姻中に妊娠した子と推定する同条につき、離婚後の妊娠が医師の証明書などで明らかな場合は、これまでのような裁判によることなく、前の父の戸籍に入らない扱いが政令により施行されることとなったのです。ただし、この政令がカバーする子の割合は、当該推定を受けてしまう婚外子のわずか1割程度です。300日という期間は、婚姻最終段階で妊娠した子が生まれるまでの通常の期間とほぼ一致するので、その300日内に、離婚後生まれる子が少ないのは当たり前なのです。
 先ほど述べたとおり、私は家族の絆を大切にしたいと思う立場です。しかし、実態と違う戸籍ができることは誰の利益にもなりません。当該児童は、旅券の発行や、児童手当などの福祉の面でも不便を強いられます。そうした事態を生んでいるハードルは、不倫を助長するなどの弊害を極小化しつつ、もっと下げていいと思います。具体案を早急に詰めていきます。
 振り込め詐欺等被害金返還特別措置法案の党内了承手続が何とか終わりました。また、私が参画している、長持ちする住宅により国民生活の発展を図る「200年住宅ビジョン」の取りまとめも大詰めです。様々な政策に今後とも全力で取り組んで参ります。

平成19年9月3日

≫平成19年9月3日
 遠藤武彦農水大臣が、自らが組合長を務める農業協同組合の補助金不正受給問題で辞任の意向を固めました。また、DV法の改正など仕事をご一緒することの多かった坂本由紀子外務政務官も、収支報告書で経費を二重計上していたことを理由に辞任するとのことです。
 内閣改造後まだ1週間しか経過していないのにこうした事態が相次ぐのはとても残念です。いずれの事例も議員本人が関与していたのではないことから発覚が遅れたのでしょうが、今後は議員からのスタッフへの指導徹底を図るとともに、経理などは、国会議員が関与する団体に関しては、外部専門資格者のチェックを受けさせる(もちろん問題発生時にはその資格者の懲戒処分あり)ようなシステムが必要なのではないでしょうか。現在、収支報告書に1円以上の領収書全てを添付する案が取り沙汰されていますが、このアイディアの方がより実践的であるように思います。
 今臨時国会では、私は、既に3本の議員立法提出者となっており、中心的に進めてきた者として委員会審議の答弁席に立つことも想定されるため、自民党に提出した人事希望申告書で政務官などの政府側のポストを書きませんでした。別の場面で色々忙しくなると思いますが、懸命に努力したいと思います。
 各省の概算要求が出揃いましたが、増額要求のオンパレードです。歳出削減が大きなテーマとなっている中、いかに格差是正が求められたり今後シーリングで削られたりするとはいえ、旧態依然としたやり方に憤りを感じます。自民党の各部会での了承も、締め切り直前で実質議論を行う余地がありません。同じ項目が複数省にまたがっている場合の役割分担や、コスト削減の努力がどうなっているかなど、もっと時間をかけ、もし党で議論することが困難なら別機関できちんと検証するなどしなければいけないと思います。総務省の評価や会計監査の見直しなど、決算の精査を予算に反映させる制度を1日も早く構築すべきです。
 改正国籍法で父母いずれが日本人でも子が国籍を取得できるようになってから22年が経過し、日本国籍を持ちながら他国籍を有する方が今後国籍選択をどうするのか、地味ではありますが大きな問題となっています。二重国籍の関連では、フジモリ元ペルー大統領が日本の参議院選挙に立候補できることが話題ともなりました。私が座長代理を務める自民党国籍問題検討プロジェクトチームでも、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア各大使館からヒアリングを行いましたが、二重国籍の扱いについては色々国ごとに立場が異なります。しっかり国民の意見をもとに制度設計したいと思います。
 地元でも、防衛医大で開催された航空自衛隊ヘリコプターの患者搬送訓練に立ち会って、救急医療体制のヒアリングを行ったり、みよし祭りに参加したりなど、忙しい日程をこなしています。これからは地元で多くの皆さんから意見を聴く機会をもっと増やし、それを国政での自分の糧にできればと思います。
 そんな中、8月30日には、日本ビデオニュース「永田町コンフィデンシャル」に出演しました。最近の政治状況について熱く語りましたので、是非インターネットでご覧下さい。

平成20年1月9日

≫平成20年1月9日
 昨日、肝炎対策の議員立法案が衆議院本会議を全会一致で通過しましたが、山場は何といっても新テロ特別措置法をめぐる会期末に向けた攻防で、今週末から国会は緊迫しそうです。

 もっとも、まだ地元の新年会などの行事に出席するのが忙しい日々です。やはり「国の無駄遣いをなくして欲しい」「物価も高いし、景気はどうなるんだ」という声が多いです。こうした生の声に答えていくことが大切です。地方分権と行財政改革を徹底して無駄遣いをなくすこと、人も企業も活力を持てるような改革を進めること、教育など人材の育成と少子化対策、環境への配慮。抵抗もありますが、大きな支援の輪を広げていただけたら幸いです。

 このたび所沢市議会では、取り調べの可視化の実現と、民法772条の嫡出推定(婚姻解消から300日以内の子供を婚姻中の子供と扱うこと)に関する運用の見直しを求める意見書を国に提出されたとのことです。
 いずれも昨年マスメディアで大きく話題になり、私も自民党法務部会で検討の最前線にいる案件です。難しい問題ですが、基本的に所沢市議会の目指す方向と私の理念は一致していますので、しっかり意見交換もしながら取り組みを続けたいと思います。

平成20年3月13日

≫平成20年3月13日
 国会は緊迫の度を増してきました。

 日銀総裁人事の件に関して言うと、野党の柔軟性を欠く姿勢はどうかと思いますが、私個人としてはこれまでの「財務省・日銀出身者によるたすき掛け(交替制)人事」に疑問を感じている一人です。

 日銀政策委員の中には学者や民間人もいるのであり、総裁としてふさわしいマクロ経済や金融政策に通じて国際感覚が豊かな人材が、これまでのような狭い慣行に縛られてしか選ばれない必然性はないと思います。
 また、財務省出身者ですと、役所を離れてからの期間にもよりますが、日銀の財政当局からの政策的独立性についての疑念や、天下り批判が生じてくることも否めません。

 今回の人事に関しては、候補者の所信表明やこれまでのスタンスに鑑みて党としての決定に従うとしても、今後再考することは必要だと思います。
 さらに、国会同意人事の取り扱いに関し、これまで与党が、地位における利益相反や監督官庁による処分の実効性とか独立行政法人の民間との情報格差など、天下りの弊害とされる事象にあまりにも無頓着だったことは事実です。今後政府から示される案の適否について詳細に検討することが、とりわけねじれ国会では必要になってくると思います。

 道路特定財源の問題に関しても、そろそろ野党とオープンに打開策につき意見交換をすべき段階に来ています。何らかのアクションを目指して参ります。

 今週末から、党青年局の幹部若干名で、総統選挙が実施される台湾に出張し、現地の視察と要人との意見交換を行うことになっています。対中政策など有意義な議論ができることを期待しています。

 現在、特定商取引法や割賦販売法の改正、消費者関連行政機関の見直しなどに取り組んでいます。また、競売制度改革、捜査の可視化など、法務案件でも過密な党内審議日程に追われています。
 人権擁護法案については、以前大きな話題となり、私も制定慎重論の立場から発言していましたが、最近また党内議論が活発化しています。社会にどういう変化が生じているのか、政局に絡めた動きでないのか、疑問を感じる部分が少なくありません。

 昨夜、所沢青年会議所の例会に山本一太参議院議員が講師としていらっしゃいました。外交や経済につき、大変パワフルかつ興味深い話をして下さり、参加した私にとっても有意義なひと時でした。
 明日は自民党所沢支部の総会もあります。支部長としてしっかりした姿勢で臨みたいと思います。

平成20年6月6日

≫平成20年6月6日
 一昨日、党の社会保障制度調査会・医療委員会・厚生労働部会の緊急合同会議が開催され、長寿医療制度が議論されました。

 この場で厚生労働省から、所得の低い方に対する保険料の軽減措置が提案され、私も発言させていただきました。
 「方向としてはよいが、全く所得のない方に関して保険料(均等割)の9割しか軽減しないのはいかがなものか。保険の理屈にこだわるべきではなく、セーフティーネットとして問題があるなら全額免除も検討するべきだ。自費負担があるのでサービスの野放図な膨張は招かない。」
 「保険の広域連合で責任の所在が不明確になるのを防ぐべき。」
 「終末医療確認は、若年層も含めたインフォームドコンセントの問題として扱うべき。」
 「世論の厳しい批判により、党内からも制度自体の廃止や出直しを主張する声が出ているが、かえって政策や党のあり方への信頼を損なう。修正のうえ継続するべき。」などです。前回のこの欄で述べたとおり、保険料は既に税と同じであることを念頭に置いています。また、制度導入で7割の方が保険料の負担減となるという報告に関しては、被扶養者である高齢者が除外されているとかモデル計算に問題があるという指摘がありました。

 ただ、野党は本制度の廃止法案を参議院で通過させ、衆議院で廃案された時点で問責決議案を提出することを検討しているようですが、ここで与党としてぶれるべきではないと思います。

 なお、同じ会議で、救急医療と搬送に関する課題と対策についても提言が示されました。情報システムの改善や院内トリアージ(緊急性による患者区分)の検討、救急医療機関の拠点化や急性期を脱した患者の転床の推進、担い手の育成などに加え、私の提言も取り入れていただき、患者サイドの救急車利用の見直しなどが盛り込まれています。

 衆議院の経済産業委員会で商店街の視察を実施しました。巣鴨地蔵通り商店街の視察と理事長へのヒアリングに参加し、街の個性を生かした改善への取り組みを学びました。
 さらに法務委員会では裁判員裁判の模擬法廷を傍聴。裁判員と裁判官の評議のあり方を含め、まだまだ準備を重ねることが必要です。長寿医療制度のような混乱を招くことは避けなければいけません。

 未婚の日本人の男性とフィリピン人の女性の間にできた子供の日本国籍を認めない国籍法の規定を違憲とする最高裁の判決が出ました。平成19年2月28日のこの欄でこの問題を取り上げましたが、私は裁判が決着したら法改正を検討するべきだということを、私が座長代理を務める自民党法務部会国籍問題プロジェクトチームで主張しており、早速河野太郎座長と相談した結果、来週水曜日にこの問題がプロジェクトチームで取り扱われることとなりました。

 今朝は問題となっている児童ポルノの規制についての検討が党で実施されます。表現の自由とのバランスをどう取るかにつき議論して参ります。

 地元では大井地区で、有山茂市議会議員はじめ関係の皆様のご尽力により「大井しばワンclub」が発足しました。島田行雄ふじみ野市長、土屋恵一県議会議員、神木洋寿自民党大井支部長、所沢しばワンクラブの幹部有志の方々が設立総会に参加して下さったほか、山本一太参議院議員も駆けつけて下さり、ご挨拶のあと出席された方々と交流して下さいました。この件は山本先生のブログでも取り上げていただいており、感謝の気持ちでいっぱいです。

 所沢では市議会で、保守系会派市民クラブが分裂という事態になりました。自民党所沢支部として、今後の推移を見ていく必要があると思います。

真の人権擁護を考える懇談会

私が所属する「真の人権擁護を考える懇談会」の会議が開催されました。法務省が今国会に提出を目指した「人権擁護法案」は、人権委員会という法務省の外局が、市町村長の意見を聞いて委嘱した人権擁護委員を使って、人権侵害や差別をなくしていこうというものです。しかし法案には様々な問題があり、このままでは人権の美名のもとに他者の人権が侵害されてしまう危険性があると思います。慎重な取扱いを求めた私達の活動が効を奏し、法案の今国会への提出は見送られました。今後もしっかりとしり検討を続けて参ります。

平成17年8月2日

国籍法改正への大きな反響

 ここしばらく、国籍法に関して多くのインターネット上の書き込みやメール・ファックスでの意見表明があります。

 この欄で昨年から紹介していることですが、近年重国籍者が大きく増え、どうするかという問題が深刻になってきました。
 この背景には、グローバル化の急速な進展や、昭和60年施行の国籍法改正(それまでは重国籍を避けるため、多くの国と同様、わが国では父母が国籍を異にする場合は父が日本人であることを日本国籍取得の要件としていたが、それを改め、母が日本人である場合も日本国籍取得を可能とした)から20年以上たったことなどがあります。

 法律の定めでは、未成年の重国籍者は22歳になるまでに、成年者は重国籍になってから2年以内に、国籍を選択しなければいけないとあり、法務大臣は書面を該当者に送って「一月以内に選択をしなければ日本国籍は失われる」と警告を発することができます。しかし法務省は、国籍選択という重大な決断を迫るのは様々なプレッシャーが伴うということや、重国籍の把握が完全にできないことなどを理由に、どの国籍を選ぶか決めるよう促したり、日本国籍喪失の警告などを行うことを避けてきました。そこで、真面目に国籍選択を法律どおり行おうと悩む人がいる一方で、法律を守らず重国籍のままでいる人がいて、正直者がバカを見る状況が出てきたのです。

 上記の国籍法改正施行時に生まれた子供が、国籍選択年齢の22歳になる2007年を迎えるにあたり、今の状況を何とかして、国籍選択を徹底させるか、それとも正面から重国籍を認めるかを決めていこうと自民党内に国籍問題プロジェクトチーム(座長は河野太郎代議士、私が座長代理)が発足したことも、昨年来この欄で紹介しているとおりです。

 私はそもそも「重国籍積極推進主義者」というわけではなく、とにかくきちんと議論をして筋の通った結論を導きたいと思っています。
 このたび議論がなかなか進まないことから、座長がたたき台として、重国籍を認めつつ、それをきちんと罰則の強制をもって日本当局に届けさせ、国の重要な職務に就いた者に関してはそれ以外の国籍を放棄しなければいけないという制限を設けたり、海外で生まれて全く日本に住んだことがない者には国籍は与えないとか、親子関係のDNA鑑定を取り入れるなど、弊害をなくすための工夫を盛り込んだ案を提示されました。色々ご意見はあると思いますが、オープンに検討していきたいです。

 これと今週火曜日に衆議院を通過した国籍法の一部改正は違う問題です。この改正は、今年6月、最高裁判所の大法廷で国籍法は一部憲法違反であるとの判決が出たことにより、法務省が提案したものです。

 判例の事案は、日本人の男性がフィリピン人の女性との間に子供を作り、認知はしたものの結婚しなかったため、子供が日本国籍を取得できずに、日本での生活や学習に様々な弊害が出てきていたというものです。
 先ほど述べたとおり、国籍法は父親が日本人なら子供に国籍を与えますが、それはあくまで「子供の出生の時の父」と書かれており、出生後に子供が認知を受けて父子関係が生じた場合はこの要件が満たされないこととなってしまいます。こうした子供はその後父母が結婚していわゆる嫡出子(結婚した両親の間の子)という身分が取得された時点で国籍を認められることとなっているのです。

 判例は、「この規定が設けられた時には、単なる認知では父の国と子供との結びつきは高くなく、両親の結婚を国籍取得の要件とする合理性があったが、今の多様な家族形態の中では、また諸外国で国籍取得にこのような結婚を必要としていた国が相次いでそれを不要としている中にあっては、結婚した両親の間の認知子のみに国籍を与えるのは憲法14条の平等原則に反する」と判断したのです。
 親の無責任な行為により、生まれてくる子供が不利益をこうむってよいはずはありません。しかも、子が胎児の間に認知をすれば両親が結婚していなくても子供に国籍を認め、出生の後の認知なら両親が結婚していなければ国籍を認めない今の法律は全く不合理です。
 この判決は、産経新聞も含めて、一様にマスコミによって歓迎されました。

 普通であれば違憲判決が出ればその法律の条文は無効と扱われますから、あえて立法措置を取らなくても不都合は生じません。(かつて違憲とされた尊属殺人重罰規定が長年立法府により削除されなかった例があります。)しかし今回の国籍法については、認知だけされて両親が結婚をしていない子供に、これまで認められていなかった国籍を新たに与えるという創設的な内容を伴うため、その旨の新たな立法が必要になると、上記判例で5人の裁判官が指摘しました。そこでそうした条文の手当てを行い、加えて、自分の子供でないのに虚偽の認知届をした場合に罰則(1年以下の懲役または20万円以下の罰金)を創設したのが今回の改正法です。判決の趣旨に従った自然な内容の改正といえるでしょう。

 この改正案は、法務省からまず自民党の国籍問題プロジェクトチームに示され、了承を得た後、全自民党国会議員に日時が通知され出席の機会が与えられる法務部会での了承も得て、政策審議会、総務会と了承され、党として正式に審査を受け終えました。「他の議員に隠れて強引に通した」などと批判されますが、通常の法案審査と全く同様の手続です。一般に法務部会の案件は専門性が高く、出席議員はもともと少ないうえ、この法案が審査された時は全く世間の話題にのぼらなかったので多くの議員が意識していなかったのです。

 ただし、この手続の中で「偽装認知への対応はどうするのだ」と質問した議員がおられました。罰則が設けられたのは、法務省がこうした声を反映した結果です。

 よく「ホームレスの日本人に、フィリピン人の女性が金を渡して虚偽の認知をさせれば、簡単に子供に国籍を取得させられるではないか」と批判されます。しかし改正前の法律でも、上記したとおり認知届と婚姻届があれば子供に国籍を取得させることができ、婚姻届の受理には結婚生活の実質は不要なのですから、こうした行為が法改正によって、より容易になるという関係にはありません。

 結局、法改正によって救われる子供がいるというメリットがある一方、法改正によって生じるデメリットがあるとは言えないのですから、法改正は妥当ということになります。

 なお、不正国籍作出はもともと公正証書原本不正記載罪(刑法157条)で、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられることとなっています。今回の法改正は、そうした国籍の不正取得を狙って虚偽認知届をする行為自体を、いわば不正国籍作出の予備行為とみて新たに処罰することとなるわけで、実際にそれによって不正国籍が作出されれば、虚偽認知届出罪と公正証書原本不正記載罪は併合罪(刑法45、47、48条)となって、結果としてそれぞれの罪より重く処罰されることとなるのです。これは従来よりむしろ厳しく扱っていると評価してよい部分です。

 今後親子関係を確認するのに、窓口でDNA鑑定を求めるかどうかという問題は確かに一つの論点ではありますが、繰り返すとおり、今回の法改正によって生じる弊害の除去という関係にはありませんので、今回の法改正とは別途検討することとした次第です。

 ちなみにドイツでは、認知届のみで国籍が取得できると立法した後、国籍不正取得の件数が増え、これに対応するため虚偽の認知届の無効を当局が事後的に主張できるように法改正がなされたと言われます。しかし日本ではこうした認知の無効を期間の限定なく、誰でも主張できるというのが判例・学説であり(民法786条は、無効の主張をできる「利害関係人」に特段の限定を加えていないことが根拠となります)、こうした手当てはもともとなされているのです。

 法案は既に参議院の審議に移りました。国民にわかりやすいオープンな議論がなされることを期待しています。
(2008/11/21)

裁判員制度の実施は近い

 来年の5月からいよいよ裁判員制度が実施されます。既に裁判員名簿搭載の通知が候補者に郵送されました。

 このタイミングで、制度に対する疑問に答え、それを円滑な施行に生かす機会を設けるということはとても意味があると思います。
 今度の月曜日(12月15日)午後1時から、地元所沢市の市民文化会館(ミューズ)のキューブホールで、市民新聞社主催の市民セミナー「裁判員制度とは?」が実施されます。さいたま地検の検事の方が講師として、わかりやすい説明をされるということなので、是非参加していただきますようお願い致します。私も弁護士・衆議院議員としてお話しします。

≫平成20年12月11日

前川清成議員(民主党所属/参議院・奈良県選挙区)

【国籍法改正案】

 今日は月曜日で、委員会の定例日でもなく、本会議も開会されません。それにもかかわらず上京するのは、今日、午後1時から民主党の国籍法改正に関する勉強会が開催されるからです。
 この臨時国会(第170回臨時国会)に国籍法改正案が法務省から提出されています。今年6月4日、最高裁判所大法廷判決は、現行国籍法3条1項は、法の下の平等を定めた憲法14条1項に違反すると言い渡しました。この違憲判決を受けて、法務省は、最高裁判所の判決に沿うように改正案を提出しています。勉強会は午後2時30分には終了しました。大半の議員の疑問は氷解したように思います。私も「父子関係は、父の母に対する愛情と信頼にこそ依拠する」と意見を述べました。
(2008/12/01)

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最終更新:2009年04月24日 19:05
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