幼馴染ふたり
「頼みがある」
「断る」
帰り支度をしていた日向空は、考えるそぶりも見せず即答した。
服部がこういう頼み方をするときは絶対に良くない事が起る。
長年服部の幼馴染を務めてきた空にはその確信があった。
しかも隣りにはロボ娘、オオツキナミダまでいる。
何も無い方がおかしいというものだ。
さっさと帰ろう。空はスカートをひるがえし、教室を出て行った。
「断る」
帰り支度をしていた日向空は、考えるそぶりも見せず即答した。
服部がこういう頼み方をするときは絶対に良くない事が起る。
長年服部の幼馴染を務めてきた空にはその確信があった。
しかも隣りにはロボ娘、オオツキナミダまでいる。
何も無い方がおかしいというものだ。
さっさと帰ろう。空はスカートをひるがえし、教室を出て行った。
「何故だ…」
私は断ったはずなのに…。
連れて来られた校舎裏の雑木林で、空はつぶやいた。
私は断ったはずなのに…。
連れて来られた校舎裏の雑木林で、空はつぶやいた。
空は幼い頃から服部の「忍術」という名の実験に付き合わされて来た。
水遁の術では穴も開けてない竹筒を渡されて溺れかけたし、分身の術では反復横飛びを6時間もやらされた。
多分、今日もそうだろう。
「今回の術はオオツキ君が持ってきた漫画からヒントを得たのだ」
やっぱりそうだった。
「これですよ!じゃーん!」
うれしそうに、ナミダは手にした本見せた。
タイトルは"炎のニンジャマン"。
とてつもなく嫌な予感がする。
「じゃじゃーん!!」
両手で本を開き、目的のページを見せつける。
"忍法・カラダ手裏剣"
腰を捻って四肢を曲げ、卍(まんじ)の形となった体を手裏剣とする大技だった。
「お前ら馬鹿だろ」
空の常識的な意見は届かない。
「拙者が試したところ、この術は一人では困難だと分かった。そこで二人がかりでやってみることにしたのだ。」
「私が投げる役で、ハットリさんはそれを外から見て調整する役です」
じゃあ自分は…
「日向は手裏剣になってくれ」
「ムリだから!絶対ムリだから!!」
全力でかぶりを振り、必死に抵抗する空。
それを意にも介さずあっさりと持ち上げるナミダ。
「まずはあの大木めがけていってみよう。」
「やめろーっ!!」
「じゃあ行きますよー」
「行くなああああああ!!!」
服部とナミダ、二人の声が重なり、叫ぶ。
「忍法!カラダ手裏剣!!」
水遁の術では穴も開けてない竹筒を渡されて溺れかけたし、分身の術では反復横飛びを6時間もやらされた。
多分、今日もそうだろう。
「今回の術はオオツキ君が持ってきた漫画からヒントを得たのだ」
やっぱりそうだった。
「これですよ!じゃーん!」
うれしそうに、ナミダは手にした本見せた。
タイトルは"炎のニンジャマン"。
とてつもなく嫌な予感がする。
「じゃじゃーん!!」
両手で本を開き、目的のページを見せつける。
"忍法・カラダ手裏剣"
腰を捻って四肢を曲げ、卍(まんじ)の形となった体を手裏剣とする大技だった。
「お前ら馬鹿だろ」
空の常識的な意見は届かない。
「拙者が試したところ、この術は一人では困難だと分かった。そこで二人がかりでやってみることにしたのだ。」
「私が投げる役で、ハットリさんはそれを外から見て調整する役です」
じゃあ自分は…
「日向は手裏剣になってくれ」
「ムリだから!絶対ムリだから!!」
全力でかぶりを振り、必死に抵抗する空。
それを意にも介さずあっさりと持ち上げるナミダ。
「まずはあの大木めがけていってみよう。」
「やめろーっ!!」
「じゃあ行きますよー」
「行くなああああああ!!!」
服部とナミダ、二人の声が重なり、叫ぶ。
「忍法!カラダ手裏剣!!」
病院。
ベッドに横たわる空を挟んで、服部とナミダが座る。
ベッドに横たわる空を挟んで、服部とナミダが座る。
服部「う~む・・・何がいけなかったのだろうか。」
空「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ナミダ「・・・・・回転が足りなかったんじゃないですかね?」
服部「それだ!」
空「死ね!!!!」
空「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ナミダ「・・・・・回転が足りなかったんじゃないですかね?」
服部「それだ!」
空「死ね!!!!」
こうして"忍法カラダ手裏剣"は失敗に終った。
だが、これをヒントに服部は奥義"怨念手裏剣"を作り出したのだった。
だが、これをヒントに服部は奥義"怨念手裏剣"を作り出したのだった。