(no title)

「よう、範馬じゃねえか」
「あれ、立川? こんなところでどうしたの?」
「おめえこそ、どうしたんだよ? こんなところで何やってんだ?」
「何って、いまハルマゲドンの真っ最中じゃない。敵陣まで乗り込むところよ」
「フーン、ハルマゲドンねえ……。興味ねえなあ。まあいいや! おう、おめえ、向こう行くんだろ。丁度良いや、ついでに乗っていけよ! 新しく付けてもらったサイドカーを試したいところだったんだ」
「んー。じゃ、折角だし、乗せてもらおうかしら。ずいぶん大きなサイドカーね。ところで、あなた、ホントにハルマゲドン知らなかったの? 何しに学校来てるの?」
「何って、そりゃ、おめえ。決まってるじゃねえか。保健室のゆかりんに会いに行くんだよ」
「やめなさいよ。いま、あそこは野戦病院になってるのよ。あなたが遊び半分で行くと、みんな迷惑するわ」
「何言ってんだよ、ホラ、ここ見ろよ。ちょっと擦りむいてんだろ。さっき、向こうを歩いてたらよ、なんだかしらねえが急にでけぇボーリングの玉が転がってきてよ。ぺしゃんこにされちまったぜ」
「えっ……(ちょっと、それ、博文じゃないの? なんで、博文の攻撃喰らってかすり傷で済んでんのよ!?)」
「まったく、この学園はロクでもねえよなあ。来た早々、どっかのガキにハンマー投げられるしよー。見ろよ、ここ。まだアザになってやがるぜ。おーいてー」
「あ、あら。それは、ご愁傷様ね……(ええええ、慎ちゃんのハンマー喰らってアザだけー!!!?)」
「しかしよー、まさか、いまがハルマゲドンの真っ最中だったとはなぁ。道理でオオツキのやろー、頼んでもねーのにバイクの改造とかしてくれた訳だぜ。まあ、コレ、調子イイから嬉しいけどな」
「えっ、こ、これ、オオツキ先生が改造したの?(ちょ……、そんなの爆発オチに決まってるじゃない!)」
「そういや、オオツキのやろー、『保健室くらいまでは持つよ』とか何とか言ってやがったなあ。ありゃ、一体どういう意味なんだろ? ま、いいや! おう、オレは保健室まで直行だけどよ。おめえもついでに一緒に行くか?」
「えっ……! う、ううん! い、行かない! そこの購買で下ろして! 今すぐ! 直ちに!」
「んあ……? ここでいいのか? 遠慮せず乗ってきゃいいのに。まあ、いいや、じゃあな!」
「う、うん、ありがとね……!」

 しばらく後、保健室の方角から立ち上る爆炎を範馬マキは目撃する。

 ――あー、やっぱり、爆発オチだ。まあ、あいつ、博文や慎ちゃんと戦ってピンピンしてるんだから大丈夫だよね。いくらオオツキ先生でも立川がちゃんと爆死するよう、無駄に火薬詰めたりしてないよね。そもそも、あのバイクにそんなスペースないしね。あるとすれば、あのサイドカーくらいかなあ。あれ? スカートに黒い粉がついてる。なんだろこれ?

川中島「おっ、貴様、それは黒色火薬じゃないか」
白石エリ「まあ、レトロねー。昔はよく取り扱ったわー♪」

 ――えっ!?


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