(no title)
戦場で、初めて目にした敵の姿。
七つに分かれた刀を振るい、舞うように戦う女子高生。
美しい。惚れた。理屈はいらない。フジカタはその瞬間、彼女へと惚れた。
自分が生徒会長であることなど、もう、どうでも良かった。
憎むべき敵との、禁断の恋――
七つに分かれた刀を振るい、舞うように戦う女子高生。
美しい。惚れた。理屈はいらない。フジカタはその瞬間、彼女へと惚れた。
自分が生徒会長であることなど、もう、どうでも良かった。
憎むべき敵との、禁断の恋――
――あれが、敵の番長、白金光留。
しかも、よく見ると、その人は刀から炎を噴出している。彼女はパイロキネシスト。そして、僕は火薬を操るフジ一族……
――炎を使うだって! 僕の火薬と相性バツグンじゃないか! ……これは、運命! きっと、運命!
ドキドキは止まらない。思い込んだら、もう止まらない――!
――知らせなきゃ! 僕がここにいること! 僕が火薬使いであることを! 彼女に知らせなきゃ!
どうしよう! どうしよう!
早くしないと、彼女が行ってしまう!
こんな戦場で別れたら、きっと、もう会えない!
今しかないんだ! 何でもいい! 彼女に、僕の気持ちを、僕の存在を伝えなきゃ!
早くしないと、彼女が行ってしまう!
こんな戦場で別れたら、きっと、もう会えない!
今しかないんだ! 何でもいい! 彼女に、僕の気持ちを、僕の存在を伝えなきゃ!
「と、いうわけで、**君。きみに頼んだ」
「――はぁ?」
「言葉は要らない。きみが行けば、彼女には僕の全てが伝わるはず」
「――はぁ?」
「さながら、きみは僕の愛のキューピッド」
「――はぁ? ちょっと会長、何言ってンすか? 頭茹ってないっスか?」
「そうれ、スタート。はい、ポチっとな――」
「……ん? え!? はぎゃ――!!!!!」
こうして、**はフジカタの想いを乗せ、白金光留へと向け飛び去った。
フジ一族の末裔、フジカタ。この過酷な戦場に、彼の恋が実る日は訪れるのだろうか。
フジ一族の末裔、フジカタ。この過酷な戦場に、彼の恋が実る日は訪れるのだろうか。