ジャガイモ王国はじまりはじまりぃ。


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suzumeNovel : 或る日の午後


すずめは空を見上げてふと考える



太陽がまぶしい
 でも白い雲の形は綺麗だな
 お餅みたいにふっくらふくれてる
 入道雲っていうのかな
 白いなぁ
 白いや
 でも青いなぁ
 青いや
 青と白がまざるとどうなるのかな
 どのへんで空と雲がわかれてるのかな
 あれは雲かな
 あれは空だよな
 おなかへったなぁ
 トンビの声が聞こえるし
 今日は緑芝の庭にいってつっつこうかな
 ぴーひょろ
 ろろろろろ
 くるくるくる
 高いなぁ
 たまにはたかーく飛んでみたいな
 いこうかな
 やめようかな
 いこうかな
 やめようかな
 いこうか
 いこう


空を見上げるといつも考えこんでしまう。
なんでこんなに青いんだろうって。
いや、違う。
なんでこんなに白いんだろうって。
違うかな。
とにかくいろいろ考えこんでしまう。
とても深く考えこんでしまう。
なんでこんなに考えてるのか考えこんでしまう。
これがテツガクってやつかな。
うん。
今日も緑芝の庭に向かって風に乗る。
ふわふわ。
たまに強い風が吹くけどちょうどいいあったかさとちょうどいい風。

僕が最近毎日のように木の実を摘まみにいくお気に入りの緑芝の庭。
赤い木や、ちくちくした木や、すっぱい木や、眠たくなる木や、
オレンジの花や、むっくりした花や、赤白の花や、ちっちゃくて甘い実や、
とにかく数えるのが大変だけどたくさんの木や花や実がある。
とても綺麗だしとてもいい匂いだしとても美味しい。
そんな庭だ。

でも、そんな庭にも危険なこともある。
いつも吠えてくるあいつがいるんだ。
真っ黒で大きくてとても怖い。
ふらっとこーてっどなんとかっていう名前だったと思う。
すごく迫力のある声で吠える。
でもあいつは鎖で繋がれてるから木のあるとこまで届かない。
だから大丈夫。
ギリギリ届かないところを歩いてやるんだ。
横目であいつを見ながら歩いてたら怒って吠えるんだ。
とっても面白い。
それが僕の日課。

ただ、もう一つとても注意しないといけないことがある。
やつが来るとすごくすごく危ないんだ。
そう。
やつだ。
ちょっと太ってるけど。
すごく喧嘩の強い。
やつは寝てるみたいにじーっと動かないかと思ったら突然飛び起きる。
やつはしっぽの羽根がぷるぷる震えちゃうほど高くてイヤな声で鳴く。
やつは薄暗い朝でも橙色に染まった夕方でもぎらりんと目を輝かせる。
世界で一番怖いものは何って聞かれたら間違いなく僕はこう答える。
緑芝の庭にいるあの灰色でぶわぶわでふとっちょで短気な、やつ!

やつは
こわい
もう
ほんとに
友達が
何人か
食べられたのを
知ってる



食べられたんだ



あぁこわい。
しっぽの羽根がぷるぷる震えちゃう。
でも僕は負けないんだ。
あいつらにびくびくして生きてちゃすずめがすたる。
すずめは負けちゃだめなんだ。
そう言ってた。
父さんも母さんもお兄さんもお姉さんもおじさんもおばさんも。

ふわふわ。
そんなこと考えてたら今日はなんだか緑芝の庭に行きたくなくなってきた。
ふわふわ。
ぴゅー。
風が寒くなってきた。
やめようか。
やめよう。
そうしよう。
やっぱり今日は。
皆とわいわい。
楽しいことばっかり考えながら。
いつもの栗の木に集まって。
たくさん集まって。
わいわいがやがや。
騒いで歌って楽しもう。
そうしよう。
そうしようっと。
しゅるるるるる。



空も青いなぁ。




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