SF百科図鑑 ウィリアム・ゴールディング『後継者たち』中央公論社


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から晩まで勉強する。ゆりかごから墓場まで勉強する。

February 24, 2005

ウィリアム・ゴールディング『後継者たち』中央公論社

後継者たちプリングル100冊より。『蝿の王』で有名な作家ですが、個人的には高校のころ読んだ『わが町、ぼくを呼ぶ声』がよかった。他に『ピンチャー・マーティン』も持っている。
silvering at 02:10 │Comments(3)TrackBack(1)読書

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心に巣食う獣性  蠅の王(Beelzebub,Baal-Zebub;ベルゼブブ)は、旧約聖書列王紀や、新約聖書マタイ伝に登場する異教神である。「7つの大罪」では暴食、羨望を象徴し、犯罪者を作り、伝染病やスパイを生み出す力をもつという。 創世記戦争では、虫や鳥など飛翔する生

この記事へのコメント

1. Posted by slg   February 26, 2005 14:51
投票内容
件数 場名 レース 式別 馬組 金額
(1) 阪神(土) 10R 単 勝  08
100円
(2) 阪神(土) 10R 馬 連  05-08
100円
(3) 中山(土) 11R 馬 連 ながし 軸馬:10
相手:02,11
各100円(計200円)
合計 400円
2. Posted by slg   February 26, 2005 21:54
読了。

ネアンデルタール人の生活を、想像力の限りを尽くして造型し、ネアンデルタール人の視点から描き出すという難事を実現した作品。感情移入困難なものへの感情移入を扱っている点では、「くらやみの速さはどれくらい」とか、ティプトリーのエイリアン小説、ルグィンのハイニッシュユニヴァースなどが思い浮かぶ。また、超古代の生態系描写という点では、過去版の「地球の長い午後」ともいえる。古代人類ものはかつてはバロウズ作品などに例が見られるものの、最近のジャンルSFからはほとんど姿を消したサブジャンルであり、そういう意味でも本書は極めてユニークと断言できる。それも、ジャンルSFの文脈と無関係に主流文学の中から突然変異的に出現した巨人・ゴールディングの全くオリジナルな作品だというのだから、凄いとしか言いようがない。

ジャンルSFの文脈に全く従わない(SFとして意識して書かれてすらいない)のだから、当然ながら非常に読みにくい。「オア」という偶像神を崇拝し、『言葉」と「絵」で思考やコミュニケーションを行う得意なネアンデルタール人の文化を創作しながら、何らの説明なく、ひたすら当の旧人類の視点から世界がどのように見えるかを描いているし、リアリズムをめざしているためか、不自然なご都合主義的オモシロストーリーなど、完全に排除されている。そのため、内容になじむのに非常に骨が折れる(例えば、「絵」というのは、頭の中で映像を思い浮かべる能力のことを指しているようなのだが、そのことは数十ページ読んで初めて理解できるといった具合)。
大まかなストーリーは、ネアンデルタール人の最後の生き残りのグループ(5,6人から構成される家族)が、新人類=我々の先祖と出会い、あえなく滅んでしまい、新人類に取って代わられるというだけのもの。とにかく、この旧人・新人入れ替わりの瞬間を、できるだけリアルに想像して造型し、無垢な旧人と、ある意味で「邪悪」な新人の視点を対比させることで、現在する人類の原罪を表現しようとしたというに尽きる作品だ。

そんなものを小説に書いた作家など、ジャンルを問わず他に思いつかないぐらいだから、凄い作品なのは確かだ。だが、やはりSFという文脈で読む時にはある程度の娯楽性を求めてしまうのが人情、そういう観点からすると最後まで読み通すのは結構つらいのが正直なところ。
従って本書読了の感想となると極めて「微妙」なものとなってしまう。楽しいとはいいがたいのである。

テーマ性 ★★★★★
奇想性  ★★★
物語性  ★★
一般性  ★★
平均   3点
文体   ★★
意外な結末★★
感情移入力★★
主観評価 ★★1/2(25/50点)
3. Posted by slg   February 26, 2005 22:03
追伸。ソウヤーのネアンデルタール三部作の翻訳が始まったが、ある意味では本書の内容と関連するといえなくもない。その点タイムリーか。「ホミニド」は原書で既読だが、ソウヤーらしくいい意味でも悪い意味でも俗っぽい「緩さ」のある、しかし抜群に面白い作品だった。第二部、第三部も原書を持っているが未読、いずれも年内に翻訳が出そうなので、どっちで読もうかと迷っている。