SF百科図鑑 二階堂黎人『吸血の家』講談社文庫


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投稿1時間: 2006年4月21日(金) 23:02 題名: 二階堂黎人『吸血の家』講談社文庫 引用返信 記事を編集/削除 この記事を削除する 投稿者のIPアドレスを表示

久々に酷い本を読んだ。文章ダメ。キャラクターダメ。推理ダメ。褒めるところはありませんな。形式化された本格コードにのっとった謎解き以外を求めない本格オタク以外には不要の書。
単なる謎解きのみの本格推理としても出来が悪い。もったいぶった冒頭の怪奇伝承も島田荘司の劣化コピーだし、その後最初の事件が紹介されるまでに費やされる約100ページがあまりに冗長。キャラは金太郎飴で魅力に欠け、ほとんど印象に残らず誰か誰かすら覚えられない。特に名探偵二階堂蘭子ってのが、馬鹿なことばっかり言ってて全く頭よさそうに見えないのがつらい(犯人が幽体離脱したとか大真面目に言ってるんだぜ、バカジャネーノ)。
謎解きの対象である三つの殺人事件もよく見かける型にはまったものばかり。600ページも読ませるほどの気の利いた謎解きもなくトリックはありきたりで既視感が漂う。
推理として陳腐でも文体や文学的テーマなどに魅力があれば小説としては十分読むに耐えるものになりうるのだが、本作にはそれもない。読みやすいだけがとりえののっぺりした陳腐な文体には全く魅力がなく、印象に残らない。殺人事件の犯人の扱いも「近親婚で狂気をはらんだ娘」っていうこの扱いは、深みも何もないというか、これ、人権的観点から問題じゃないの? 差別的偏見を助長するっていうか&&まずいだろ、これは。
とにかく、ここ1年ぐらいで読んだ本の中でも素人以下といっていい、最も酷い本だった。

テーマ性 ★
奇想性 ★
物語性 ★
一般性 ★★
平均  1.25
文体   ★
意外な結末★
感情移入 ★
主観評価 ★(10/50)