SF百科図鑑 ウィルスン・タッカー『静かな太陽の年』創元SF文庫


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January 27, 2005

ウィルスン・タッカー『静かな太陽の年』創元SF文庫

静かな太陽の年プリングル100冊。選ばれてなければまず読むことはないであろう作家。意外に面白かったりして。こういう作家を読めるのもこの手のリストに従って読む楽しみ。
silvering at 12:19 │Comments(2)TrackBack(0)読書

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この記事へのコメント

1. Posted by slg   January 28, 2005 23:21
なぜ音楽にしろ小説にしろ、ある種のリズムが快楽に感じられるのだろうと考えていたら、要するに心臓の鼓動とのアナロジーゆえではないかという結論にたどり着いた。人間は生に執着し、その象徴である心臓の鼓動を維持すべく行動する。だからこそ鼓動に似たものに愛着を感じ、喜びを感じる。そうするとそれは心臓をもつ動物に共通するものの、心臓をもたない植物にはあてはまらないであろうという推測が成り立つ。そうすると、植物にとっての快楽は、鼓動を持たない以上、リズムではなく、もっとのっぺりしたものなのであろうか。
最近私が読んだ本の中で、ストーリーにリズム感、起伏、「解消すべき概念対立」の乏しかった作品が、オールディスの「子供の消えた惑星」パングボーンの「デイヴィー」の二作品なのであるが、この二作は、要するに、ストーリーの流れによっては読者に快楽を与えることを目的としていない、写実主義的作品であった。しかし、いずれも「人間」や「人間にとっての幸せ」とは何か、という究極課題を解くための手段としての写実であったとはいえる。なら、それを読む過程それ自体は苦痛であっても、最終的に洞察が得られるならばそれは結局読者の内面における「対立概念の解消」ということになるだろう。
ただ、中にはこういったのっぺりした作風の作品を、上記のような洞察が得られるとかいった理由抜きで、純粋に「生理的に」好む人がいることも知っている。これはいったい何だろう、もはや植物的快楽を好むとしか言いようがないのではないか。音楽にたとえて言えば、リズム感のない環境音楽を好む人がいるのと同じだろうか。
動物的快楽=弁証法的リズム感 
植物的快楽=リズムなき「流れ」感
心理学的に分析したら結構面白いかもしれないと思った。
***
閑話休題
この本を読み始めた。
かなり単純なプロットである。主人公がセクシー美女に誘われてタイムマシンによる未来調査プロジェクトに参加する話。
50ページ読んだが、タイムマシンの技術的説明がややくどい感じがするものの、女好きの主人公をはじめ、コミカルなキャラクター設定はなかなかいい。
2. Posted by slg   January 30, 2005 03:24
前半が冗長で無駄が多く、ダメの烙印を押しかけたのだが、後半に人が変わったように面白くなった。
アイデアは非常にいいのに、プロットの構成がまずい。主人公が未来に行くのがやっと半分過ぎた辺り。その後の展開が性急過ぎて、非常に唐突な印象がある。
ヒロイン的女性をめぐる「かなわぬ恋」、非常に巧く演出されているのだが、その辺りの描写が前半あれだけ冗長だったにもかかわらずあまり書き込まれていないので、効果が半減している(でも、告白シーンはいちおう感動したけど)。
作品のオチにかかわってくる、主人公の解釈した聖書文献の内容説明、前半でかなり詳細になされているのはその伏線だったということが最後に分かるのだが、この説明の仕方が非常に下手。ストーリー上の必然性なく登場人物がなぜかだらだらと議論している。もう少し刈り込んだ方が効果が上がった。
何より冗長なのはタイムマシンの技術的説明が長過ぎること。リアリティを出そうとしての努力なのだろうが、どのみち荒唐無稽なのだから中途半端に技術的に裏付けようとするとかえって嘘っぽく見えてしまう。黙っていれば誰も気づかないのに騒ぎ過ぎてかえってみんなに欠点を気づかれてしまう感じ。完全に省略した方が良かった。これがなければ全体のバランスがぐっと良くなったはずだ。
ストーリー展開が単調で面白みがない。もっとカットバック手法を使うとか、場面の一部をプロローグに持ってくるなどの工夫をして興味を引きつけてほしかった。
主人公の属性に関する叙述トリックはお見事。
未来予測のディテールもこの結末なら、もっと省いてよかった。
何より要らないのは主人公が行き先をあれこれ推測する部分。結局このストーリー展開では必要なかった。
と、悪口ばかりかいているみたいだが、後半は本当に良かったんだよ。実にもったいない。
テーマ性 ★★★
奇想性  ★
物語性  ★★
一般性  ★★
平均   2点
文体   ★★★
意外な結末★★★
感情移入力★★★
主観評価 ★★1/2(25/50点)