SF百科図鑑 Greg Egan "Teranesia"


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2005年12月18日

Greg Egan "Teranesia"

第5長編、1999年。読み始めた。

舞台はインドネシアのある島。インド人生物学者の父を持つ少年。父母や妹とともに、父の蝶の研究滞在でここにきているが、すっかり島の生活になじんでいる。かれは幼いながらに、水平線に浮かぶ島々の高度を測れるようになりたいと考えている。

かれはある日妹と海水浴中に<水男>に遭遇し、妹とともに逃げ出した。妹が自分のことを親に告げ口しないかと聞き耳を立てていると、父親が<自分が10歳を過ぎてからインドの学校にはいることになると、周囲になじめずカルチャーショックで参らないか>と話すのをきいた。だが、インドの学校に今入学させると親の目が届かなくなり心配だ。母親は、アメリカにいる自分のいとこのアミタに預けてはどうかと提案するが、変人のため父親が難色を示す。

だが少年はこの島を離れたくない。自分はこの島に権利があるのだ。かれは思わずこの島の中央の火口に向かって登り始めていた。難儀をして、水平線の島影がきちんと確認できる高度まで登ると、岩に日付を刻んだ。2012年12月10日。この火山は活動をやめて久しいが、少年はいつなんどき噴火を始めてもおかしくないと考えていた。

──とこんな感じの出だし。今第1章の第2番目の節まで読んだ。あと1節で第1章が終わる。なかなかいい感じの話である。少なくとも今まで読んだイーガンの長編よりはずっといい。

今回はある程度時間をかけて、じっくり味わいながら読んでみたい。


silvering at 11:50 │Comments(5)読書

この記事へのコメント

1. Posted by slg   2005年12月18日 23:52
200ページ弱まで読んできた。
今までのイーガンは何だったというぐらい面白い。人物描写が上達してるし、プロット作りも上達している。ただ相変わらず、主人公がホモだったり、何でそうなの?なネタはあるけど。生物学・進化論ものです。インドネシアの突然変異種の蝶を調べてた父母が、内戦に伴い埋設された地雷で爆死。少年は妹を連れてトロントの親戚、アミタに引き取られる。
2. Posted by slg   2005年12月18日 23:52
アミタはフェミニズム闘士の大学教師で兄妹に自らの思想を教え込もうとするが、結局二人はこの女の下を出てアパートで暮らし始める。数年が経ち妹は大学、兄は銀行で働き生計を支えている。この兄は実はホモで、妹が紹介したゲイの男とつきあっている。ある日妹が兄の反対を無視しインドネシアの故郷近辺に現れた鳥の変種を調査に行く。兄はその後を追って行き、追跡しながら知り合ったボートを持ち製薬会社との契約で変種の調査を独自に行っている女のガイドになり、自らの故郷で変種の調査を手伝う。女は、複数いる変種がもともと同一種であり、環境要因によって遺伝子中の活性因子が壊れ、不活性だった因子が活性化したことによって生じた種ではないかという仮説を話す&&というところまで読んだ。
3. Posted by slg   2005年12月18日 23:57
あと150ページほどです。先が楽しみ。
4. Posted by slg   2005年12月20日 02:12
読了。残念ながら終盤失速。普通のバイオSFに落ち着いてしまった。『万物理論』でかいま見えた陳腐な人間ドラマへの依存傾向が悪い方向に出てしまった感じだ。主人公のホモ設定は結局、「生殖から逸脱した同性愛者の進化上の存在意義」といった議論に関係してくる以外、あまり旨く活用されているとは言い難いし、ホモ相手の男もそのままフェイドアウト。すべての生物の遺伝子を書き換え突然変異を誘発する<サンパウロ遺伝子>なるメインネタもありがちだし、それに主人公が感染するという展開も予想通り過ぎる。そしてラストが、兄が妹の献身で何とか突然変異の発作に耐え、人の心を保持するという陳腐な家族愛系。この志向性は誰かに似てると思ったが鈴木光司。恥ずかしい。
正直、『らせん』といい勝負というレベル。いくらイーガンでもダメだろう、これは。
5. Posted by slg   2005年12月20日 02:15
テーマ性 ★★
奇想性  ★★
物語性  ★★★
一般性  ★★★
平均   2.5
文体   ★★★
意外な結末★
感情移入 ★★
主観評価 ★★(21/50)