SF百科図鑑 貴志佑介『黒い家』


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99.11.17★★★★
ホラー大賞受賞作だが、恐怖の核は極めてオーソドックスな「迫り来る殺人鬼」。前半はほとんど清水一行のような社会派推理/企業小説の趣。作者が保険マン出身だけあって保険金査定業務の描写が綿密でリアル。しかも保険金詐取というトピカルな素材が扱われるのも興味深い。後半のホラー的展開も筆致が抑制されスプラッタ場面が少ない(ここぞというところでは効果的に使われるが)上品さが逆に恐怖の質を洗練させている。「50cmの包丁を持って追ってくる林真須美」は恐い。ラストがやや安易なのと、将来への期待を込めて、あえて★一つ減らす。