SF百科図鑑 マイクル・スワンウィック『大潮の道』


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2001年

10/18
スワンウィック「大潮の道」★★★1/2
スワンウィックのネビュラ賞受賞作はあまり納得がいかなかった。多種多様な引用はスノッブなスワンウィックらしいが、あまりにも凝り過ぎてスムーズなストーリーの流れを阻害しているように思える。その割には文体が軽い。惑星ミランダの生態系、ホーントという土着生物の造型、書類鞄や形成エージェントといったナノテクネタ、禁制テクノロジーなどSF的アイデアは盛り沢山だが、取扱いはSFというよりファンタジイ的である。ストーリー展開は、役人が禁制テクノロジー密輸の男を追ううちに迷宮に陥っていく不条理文学の趣。全般にデカダンな雰囲気が漂うが、中途半端で、テーマも今一つ不鮮明である。多様な文学的引用を重層的に盛り込んでいるところに一筋縄でいかない意欲が感じられるものの、やや難解に過ぎ、ストレートに伝わってこない恨みがある。というわけで、意欲は買うものの、今一つ盛り上がれないなあ、というのが正直な感想です。とてもではないが他人には薦められない、難しくて。やはりスワンウィックは短編の方が向いているのでは?